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『ウレロ☆未公開少女』台本書き起こし(3)

 

   背景デジタル時計。一気に15時へ進む。

   歓声が聴こえる。

   照明点灯。

   テレビを見ている升野、川島、江田島

江田島「見てください、この中継先の盛り上がりっぷり」

升野「すげえ人集まってんじゃん」

江田島「20万人います」

升野「20万人?!、村の人口越えてませんか、それ」

江田島「もちろん、UFIさんあっての事なんですけどね。元々、地元の若者にも人気があって、毎年格別の賑わいを見せるんですよ、この村伝統の、呪い米祭りは」

升野「呪い?、祝う祭りじゃなくて、呪いなんですか?」

江田島「米もあんまり獲れすぎるとね、収穫が大変になっちゃうからね」

升野「そういう問題なんですか?」

川島「升野、この祭りは凄いらしいぞ、若い男女が裸になって、朝から晩までくんずほぐれつ踊りまくってな。日本一ふしだらな祭りと言われている」

升野「なんだって?」

川島「この日仕込まれた子供たちは、呪い米ベイビーと呼ばれなあ」

   飯塚、上手から登場。

   角田も仕切りの上から覗き見る。

川島「後々、恥ずかしい想いをするらしい」

江田島「かく言う私も、恥をかいた口です」

飯塚「なんだその祭り、しょうもない。(角田に)アンタも喰いついてないで曲作れよ。そんなふしだらなとこテレビじゃやんねえから」

   飯塚、仕切り板に蹴り。

角田「うわっ」

   角田、引っ込む。

升野「飯塚、こんなとこで何してんの」

川島「わざわざツッコミに戻って来てくれたのか」

飯塚「そんなヒマじゃねえわ。いや、実はねえ......」

江田島「呪い米祭りにUFIさんがやって来て、マラソン途中のゴリナさんも合流して、感動のライブ。これ盛り上がりますよ、めちゃくちゃ数字取れますね。じゃあ、よろしくお願いしますよ」

   江田島、上手からはける。

升野「飯塚はだって、UFIと中継先向かったんじゃないの?」

飯塚「いや、その筈だったんですけど」

川島「なんだおい、サボってんのか」

飯塚「いや違いますよ。僕らもUFIとは別の車両で中継先向かってたんですけど、こっちの車だけ急にエンストしちゃいまして」

升野「あれ?、これ飯塚ちゃん、もしかしてだけど」

飯塚「は?」

升野「飯塚ちゃん、またテレビに映りたくて戻ってきたんじゃないの?、もしかして」

飯塚「いや違いますよ」

升野「出たがるねえ、さっき気持ちよかった?、味しめちゃった?」

飯塚「気持ちよくないっすよ、別に」

升野「たしかに好評だったもんね、熱血ドロ人形先生」

   (飯塚の顔が泥みたいなので)

飯塚「誰がドロ人形先生だよ」

升野「終わった後も凄い懐かれてたじゃん、元ヤンカップルにさ。羨ましい限りですな」

飯塚「いい迷惑ですよ、こっちは。そんな呑気なこと言ってる場合じゃないっすよ。アイツらが犯人じゃなかったってだけで、脅迫状が誰かから送られてきてんのは事実なんですから」

川島「あんなもん、悪戯だろう」

升野「そうだよお前、『中止にしないと大変なことになる』って、ざっくりし過ぎなんだよ、脅し方がさ。こんなの構ってらんないよ。俺はもう生放送じゃない時間くらいゆっくりしたいんだよ」

川島「あのな、今やってる23時間スペシャルドラマ、結構面白いぞ。いいラブストーリーなんだけどな......凄いブスなんだよな」

飯塚「もっと危機感持ってくださいよ、万が一ってことがあるでしょう」

   あかり、スタジオから出てくる。

あかり「ちょっと飯塚さん、何サボってるんですか」

飯塚「だからサボってるんじゃないの。車が急にエンストしちゃったの」

あかり「UFIの身にも何があるかわからないじゃないですか。他の車ですぐ向かえばいいでしょ?」

飯塚「俺もそう思って戻ってきたんだけどさ、他の車全部パンクさせられててさ」

あかり「へ?、なんでですか」

升野「お前それ、さっきの元ヤンカップルが怒られた腹いせに仕返ししたんじゃねえの」

飯塚「おいっ、見た目で判断すんじゃねえ、アイツらは凄いいい奴らなんだよっ」

升野「ドロパチ先生」

川島「しかし、タチの悪い悪戯する奴がいるんだな」

あかり「でも、ちょっと待ってください。流石にこれっておかしくないですか?、同一犯の犯行ですよ」

川島「んなわけないだろ」

   スタジオから、大きなパネルを手に充希が出てくる。

あかり「つまり、飯塚さんの車も途中でエンストするように仕組まれていた。だから、飯塚さんをその車に乗るよう仕組んだ人間、その人間が、すべての黒幕ですよ」

   充希、パネルで顔を隠す。

あかり「見つけだしたら、ボッコボコにして、警察に突き出してやります」

   パネルの下で充希の足が震えている。

充希「あかりん、それ私なんだけど」

飯塚「すげー怯えてんじゃん」

升野「局の人間が自分たちの番組妨害するわけないだろう」

   充希、パネルを置く。

充希「あの、これドラマの感想をパネルにしたんですけど、ここ置いておきますね」

あかり「見損なったわ、ミッキー」

飯塚「え、まだ疑ってんだ。いつからそんな険悪になってんの?」

   あかり、急に笑顔。

あかり「まあ今のは冗談ですけど」

飯塚「ホント笑えないぞ」

あかり「でも、おかしくないですか?」

川島「あかりが考え過ぎなんですよ」

   スーツ姿の豊本、上手から現れる。

豊本「いや、あかりの言う事にも一理ある」

飯塚「豊本探偵事務所」

升野「なんだ?、探偵事務所って」

豊本「おい初めて聞いたみたいな感じだすなよ。俺の探偵設定覚えてないのか?」

升野「設定ってなんだよ」

飯塚「いいから気を取り直して、話してみろ」

豊本「......ドロパチ先生」

飯塚「やめろっ」

豊本「いいか考えてみろ。この23時間テレビには最初からトラブルが多過ぎた」

升野「確かにそうだな、スタッフ全員食中毒、県会議員は来ない、相撲のチャンピオンも来ない、書道の達人も来ない、幸せカップルも来ない、中継先に向かう車はエンストにパンク」

あかり「それに、あの誘拐犯ですよっ」

   あかり、パニック。

飯塚(川島に)「そろそろ本当のこと言ったほうがいいんじゃないですか?」

川島「そんなこと言ったら殺されちまうよ」

豊本「とにかく、これは明らかに何者かに仕組まれた陰謀だっ」

升野「どういうことだよ、どういうことだよ探偵さんよっ」

豊本「設定思い出したか」

升野「もしかしたら、また新たに脅迫状が届いてるかも知れない。おいあかり、今から角田のところ行って、届いてる脅迫状全部持ってきて」

あかり(嫌そう)「角田さんのところに?」

升野「スッと行けよ、そこは」

充希「私が見てきましょうか?」

あかり「私が行きます」

升野「どっちでもいいわ、行けよ早く」

   ギター弾き鳴らし角田が出てくる。

角田「♪ お前ら俺をちっとも認めちゃくれねえ

    何を言っても聞く耳持たねえ 」

   みんなが引いて角田から離れるので、

   ステージ前方が角田オンステージ。

角田「♪ 俺の怒りの爆弾で 

    お前ら木端微塵に 吹き飛ばしてやる

    俺の怒りの爆弾で 

    お前ら跡形もなく 消し去ってやる 」

飯塚「ちょっと角田さん、そんなネガティブな歌唄ってる場合じゃ」

角田「♪ 犯人より 」

飯塚「ええーっ?」

角田「また来てたぜ、脅迫状」

   角田、懐からFAXを取り出す。

升野(受け取り)「爆弾?!」

飯塚(受け取り)「これもう、立派な殺害予告じゃないですか」

豊本「なるほど、そういうことか」

川島「なんだ?、どういうことなんだ」

豊本「奴の目的は、番組の妨害なんかじゃない。犯人の目的は、UFIだったんだ」

川島「そこまでわかっていたとは。さては」

   川島、豊本の胸倉を掴む。あかりも詰め寄る。

川島「テメエが犯人かこの野郎っ」

豊本「推理、推理したの」

川島「そうか」

   川島、手を放す。また胸倉を掴む。

川島「なぜお前に推理が出来るっ」

豊本「探偵、探偵だから。落ち着いて」

川島「そうか」

   川島、手を放す。

豊本「思い返してもみろ、結果的には番組は盛り上がってはいるものの、ゴリナのマラソンスタートからさっきの下ネタトークまで、UFIのメンバーは恥をかかされっぱなし。犯人の目的は、UFIなんだ」

川島「言いたいことはそれだけかっ」

   川島、豊本を殴る。

豊本「なぜ殴るっ」

あかり「うわあっ」

   あかり、便乗して豊本をタコ殴り。

豊本「痛ってっ、ちょ、やめてっ」

飯塚「もう引っ込みがつかないんだろうね」

升野「とりあえず、早くライブ中止にしないと大変なことになるぞ」

あかり「あ、私ももりんに連絡しますね」

   あかり、ダッシュで上手へはける。

豊本「俺も、他に手がないか考えてみる」

   豊本、追って上手へはける。

川島「しかし、だ。今さら中止だなんて、江田島社長になんて言えばいいのか」

升野「それもそうだな。それに、ライブ中継予定していた時間帯、番組はどうやって繋ぐんだ?」

角田「今の歌の続きで良かったら、後30分は続けられるぜ?、あの歌にはな、まだ続きがあるんだよ。♪ だけど 」

飯塚(止める)「もういいから。フィナーレの曲作ってくださいよ」

角田「OK、完成させとくよ」

   角田、仕切り板の向こうへ。

飯塚「もう、そういうのは後で考えましょう。とりあえずこのことは、江田島社長には内緒......」

   スタジオから充希が出て来ていた。固まる空気。

升野「お前、黙っていてくれるよな」

充希「私は、皆さんの指示に従うだけです。それに、この番組が終わるまで、私は皆さんの仲間ですから」

升野「よく言ってくれた」

充希「ふふふ」

あかり(感じ悪く)「『皆さん』?、誰か一人に向かって言ってない?」

飯塚「もういいから、そういうの。あかりちゃん早くUFIに連絡して」

   あかり、充希を睨み、舌打ち。

飯塚「早くっ」

   あかり、飯塚を睨み、上手へはける。

飯塚「なんて可愛げのない目をするんだ」

充希「あ、升野さん言い忘れてたんですけど、今やってるドラマが巻いてて、あと5分くらいで終わります」

升野「はっ?、(腕時計見て)お前それいつの時点で5分前なんだよ」

充希「(腕時計見て)えっと、5分前くらいの時点で5分前ですね」

升野「5分前くらいの時点で5分前。今じゃねえかお前よっ、ふざけんな。え?、今ってことでしょ」

充希(即答)「そうです」

升野「そうですじゃねえよ。お前、本当使えねえなチンカスADがよ。鼻くそADこの野郎。ちょっとありったけのシーンぶち込んでくるっ、チンカスADがよっ」

   升野、文句垂れながらスタジオへ。

充希「......」

飯塚「凹むなお前はっ、チンカスくらいで。しっかし、誰がいったい何のためにこんな物を」

   飯塚、会議机の脅迫文を手に取る。

川島「心当たりなら、ある」

飯塚「社長、本当ですか?」

川島「ああ。これはおそらく、事務所の人間とUFI、それぞれに怨みのある人間の犯行だろう。すまない」

   川島、頭を下げる。

飯塚「社長、何があったんですか」

川島「ああ。ゴリナのキャバクラでな、すげえダサいスーツを着てた客を笑い物にしてしまったんだ」

飯塚「そいつじゃねえわ多分」

川島「本当かいっ?」

飯塚「絶対違うわ」

川島「良かったー」

飯塚「なんでソイツだと思ったんだよ」

川島「いやダサいスーツでさ、ピンクにこう水玉で、あ、写メ撮ったんだ」

   川島、携帯を取り出す。

飯塚「いいよ」

川島「充希ちゃんも見る?、ホラ」

   川島、充希に携帯画面を見せる。

飯塚「いいよ、見せなくて」

川島「それからね、升野が君のことチンカスとか言ってたけど、気にすることないよ。これが本当のチンカスだから」

   川島、次の画面を充希に見せる。

   充希、笑いをこらえてパニック。

飯塚「やかましいわっ」

充希「あーっ」

   充希、走って上手からはける。

飯塚「そら泣くわ」

   入れ違いにあかりが戻ってくる。

あかり(喜色)「へへへっ」

   あかり、嬉しそうに飯塚にすり寄る。

あかり「なんで?、なんでミッキー泣いてんのっ?」

飯塚「お前性格悪いなあ、もう仲直りして」

   升野、スタジオから戻ってくる。

升野「あかりUFIどうだった?」

あかり「それが、連絡してみたんですけど」

飯塚「まさか、田舎過ぎて圏外で繋がらないとか?」

あかり「繋がりました。繋がったんですけど、UFIのみんな、ライブ中止にしたくないって言ってます」

川島「何?」

あかり「自分たちをひと目見る為に、20万もの人が集まってくれたんだよって。それに、普段は遠くて見に来れない小さい子もいっぱいいるし」

飯塚「そりゃそうかも知れないけど」

川島「あかり、UFIのみんなに伝えてくれ」

飯塚「社長」

川島「その子供たちのほとんどは、呪い米ベイビーと呼ばれる......」

飯塚「伝えなくていいよっ、なんで伝えようとしたそんなことを」

川島「いや、命のかけがえの無さとか、そういうことを」

飯塚「じゃ、そこだけスッと言って」

川島「とっつきやすい入口で説明したんだよ」

飯塚「説明しづらいんですよ、逆に」

あかり「え、それってどういう経緯で呪い米ベイビーって」

飯塚「とっついてんじゃねえよ、お前も」

   升野、腰をかがめてティッシュの元へ。

飯塚「反応すんな、お前もっ」

   角田、仕切り板の上から顔を覗かせてティッシュに手を伸ばす。

飯塚「ティッシュを取るなっ、お前もっ」

   角田、そっと顔を引っ込める。

川島「とにかく、UFIの説得をなんとかしなくちゃ」

飯塚「そうですよ、こんな状態でライブなんて危険過ぎますよ」

升野「なんとかするったってどうするんだよ、ドラマもとっくに終わって、早く生放送再開しないとヤバいんだぞ。UFIスタジオにいないし、どうやって番組繋ぐんだよ」

あかり「あ、これ」

   あかり、パネルを抱える。

あかり「さっきミッキーが置いてった、ドラマの感想FAX。これ紹介すればいいんじゃないですか?」

川島「いいじゃないか、ベタだし。これくらいだったら誰だって出来るもんな」

升野「よし、それにしよう。で、誰が行こう?」

   升野、ひとしきり見回し、

升野「ドロぱっつぁん」

飯塚「嫌だよ、行かないよ」

升野「ここはドロぱっつぁんですよ」

飯塚「『ドロパチ』ありきじゃねえか、『ドロぱっつぁん』は」

升野「3年ドロ組ドロぱっつぁん」

飯塚「やかましいわ。嫌ですよ、升野さん行ってくださいよ」

升野「なんで俺が行かないといけないんだよ」

飯塚「羨ましい限りなんでしょ?」

升野「は?」

飯塚「目立ちたかったんでしょ?」

升野「は?、別にそんなことないし」

飯塚「出ればいいじゃないですか」

あかり「そうですよ、調子に乗ってテレビとかいっぱい出てたじゃないですか」

升野「は?、調子乗ってねえじゃん」

飯塚「調子乗って」

あかり「調子乗ってっ」

升野「俺カンペ出すので精いっぱい」

飯塚「時間ないから」

升野「お前行きたいんだろ?、お前が行って来いよっ」

あかり「(叫ぶ)いいからっ、早く行ってください」

升野「なんだよ、ふざけんなよお前よ」

あかり「いいから、早く、早く」

   升野、あかりに背中押されて、パネルを手にスタジオへ向かう。

升野「なんで俺が行かなきゃいけないんだよ」

   2人、スタジオの中に入る。

飯塚「まあまあスッと行くじゃねえか」

   升野、あかりを押しのけて戻ってくる。

升野「スッとってなんだよっ」

   予想外の事態に動揺する飯塚の前にパネルを投げ捨てる。

升野「じゃ、行かねえよ」

あかり「ちょっ」

   あかりも慌てて戻ってくる。

   升野、パイプ椅子に座る。

飯塚(笑)「何してんすか」

升野「お前行けよ」

飯塚「違うって、行けって、もう」

升野「無理やりだろうが、今の」

あかり「行きましょう?」

   飯塚、笑いながら升野を立たせる。

升野「ふざけんな」

飯塚「わかった、ごめんて」

あかり「行こう、行こう」

   飯塚がパネルを渡し、あかりが再び升野の背中をスタジオへ押す。

升野「スッとなんか行ってねえから、無理やりだかんな。別に出たくねえから、いやいやだから」

飯塚(笑)「わかったから」

升野「ふざけんな、マジで」

   2人、再びスタジオの中へ入る。

飯塚「結局行くんじゃねえかよ」

   升野、ダッシュで戻ってきてパネルを投げ捨てる。

   追って慌てたあかりも戻ってくる。

あかり「あーっ」

   飯塚、笑いを堪えきれない。

升野「いやいやいや、やだやだやだっ」

あかり「升野っ」

   飯塚が笑って止めるも、升野は再び椅子に戻ってしまう。

飯塚「うそ、ごめん」

升野「行かねえよ、行かねえもん」

川島「よーしわかった」

   川島が決め顔で前に出てくる。

川島「俺が行こう」

   驚くあかりと飯塚、スタジオへ向かう川島を慌てて止める。

飯塚「いいから」

あかり「違うっ」

川島「俺も混ぜろーっ」

飯塚「混ぜろってなんですか」

升野「こんなんで行けるかっ」

飯塚「ちょ、升野さん」

升野「こんなんで行けるかよっ」

   あかり、パネルを手に升野の背を押す。

飯塚「大丈夫だから」

升野「めっちゃハズいじゃん俺」

あかり「いいから、いいから」

飯塚「社長に火が点いてるからあーっ」

   今度は流石の升野も吹いて笑う。

升野「なんだよ」

飯塚「やーだー」

あかり「行くよ、早く」

升野「ふざけんなよ」

   あかりと升野、スタジオへ入る。

飯塚「もおー」

   飯塚が息切れしていると、

   アドリブ合戦に参加し損ねた角田が仕切り板から出てくる。

角田「なあFAXまだ届いてねえのかよー」

   飯塚、笑い疲れている。

飯塚「知らねえよお」

角田「なんだよ、まだなのかよ」

飯塚「もういいよー、なんでもよ」

角田「いいとか言ってんじゃないよ......楽しそうでいいよなあっ」

   飯塚、笑って膝から崩れる。

   角田、仕切り板の向こうへ。

   飯塚、なんとか立ち上がって会議机へ。

飯塚「もうテレビテレビ」

   飯塚、テレビを点ける。

   モニターチェック。

   あかり、スタジオから戻ってくる。

   2階の通路。パネルを手に升野が出てくる。スネて挙動不審。

升野「んっと、この時間は、視聴者から寄せられたドラマの感想を、ご紹介したいと思います」

飯塚「何ちょっといきがってんだよアイツ」

升野「別に俺、出たくて出てるわけじゃねえし」

飯塚「言わなくていいよ」

升野「飯塚がすげえ言ってくっから」

飯塚「テレビで飯塚とか言うな、素人かお前」

升野「仕方がなくドラマの感想をご紹介したいと思います。まずはこちら」

   升野、パネルを見やり、

升野「ん?」

飯塚「なになに?、固まってますけど」

升野「まずは」

   升野、パネルをめくる。

   犬耳の生えたケンシロウのような男のマンガ絵。

川島「おいおい、あんなのドラマに出てなかったぞ、誰の似顔絵だ、あれ」

あかり「あれ、『地獄大戦ヘルマゲドン』の主人公、ケルベロス鈴木です」

飯塚「あかりちゃんのマンガ?、なんであそこに?」

あかり「間違えて、ミッキーがコピーしちゃったんじゃ」

飯塚「アイツどこまで使えないんだよ」

升野「......ま、こういう感想が来ています」

飯塚「これはしんどいぞー、升野さんもうちょっと頑張って」

   飯塚、テレビを消す。

   照明点灯。

   上手から豊本が現れる。

豊本「おーい、みんな朗報だ。爆弾処理のスペシャリスト、豊本16号が現場に間に合いそうだ」

川島「16号ってあれか、エイリアンって発音がやけに良いアイツか」

豊本「ああ。彼女が中継先の米狩り村出身てことがわかった。しかも今奇跡的に里帰り中で、すぐ現場に到着する」

飯塚「今から探して間に合うのかよ」

川島「各々が出来る事をやろう。時間は升野がどうにかしてくれてるんだ。とにかく、UFIを説得する」

飯塚「はい」

   上手から江田島が現れる。

江田島「ちょっと川島さん、一体どうなってるんですか、いつになったら中継始まるんですか」

川島「これにはわけがあるんですよ」

江田島「困るんですよ、ラ・テ欄通りに進行してもらわないと。でもね、今やってるコーナーちょっと面白いんだよなぁ」

飯塚「今やってるやつが?」

江田島「ふふふ」

   飯塚、テレビを点ける。

   モニターチェック。

   スタジオで升野がパネル芸。

升野「さあ、じゃんじゃん紹介します。まずはですね、こちらなんですけども、ドラマを見てたら興奮して頭に血が上って、こんなんなっちゃいました」

   パネルをめくる。頭が破裂した男の絵。

飯塚「無理やりじゃん」

川島「なんだ、化け物紹介してるだけじゃねえかよ」

あかり「化け物じゃありません。あれは毎回最初に出てきてすぐ死んじゃう、デッド塩谷です」

升野「はい、続いてなんですけども、こちらをご覧ください」

   升野、次のパネルを見せる。

   青い化け物の妖怪。

あかり「あれは魔性の美女、メデューサ風間」

升野「ドラマをジーッと見てたら固まって、こんなんなっちゃいました」

豊本「上手いな」

飯塚「なんか上手いことドラマの感想っぽくなってますけど」

江田島「ふふふ。ほどほどにして、先へ進めてくださいよ?」

   江田島、上手へはける。

   照明点灯。

川島「よし、流石だ升野。とりあえず早くUFIのライブを中止にしよう」

   慌てて江田島が戻ってくる。

江田島「はあ?」

飯塚「なんで言っちゃうんすか」

江田島「どういう事ですか、ライブを中止するって」

飯塚「すいません実はですね、UFIに脅迫状が届いてまして、ライブを中止にしないと会場を爆破するって」

江田島「ダメだ、絶対にやりましょう」

   あかり、繋がらない携帯をかけている。

江田島「20万人のファンはともかく、80社ものスポンサーが待っているんですよ」

飯塚「想像以上に下衆いなこの人」

江田島「とにかく、これはメインイベントなんですよー、絶対やりましょうよ、そんなくだらない脅しなんかで」

飯塚「いや、くだらなくなんかないんです。現に、車パンクさせられたり、こっちも足止め喰らってるんですから」

江田島「そったらこと行っておめーら、さんざんくっちょりんてもてーら、おれがちんちろちんて約束したみゃんぎゃっ」

飯塚「全然なに言ってるかわかんない、訛りがひどいな。とにかく、人の命がかかってるんですっ」

川島「仕方がないっ、やろう」

飯塚「社長?」

川島「この人に言われたからやるんじゃない。UFIぎゃそれをのじょんでるんだ」

飯塚「なんでアンタも訛ってんだよ。向こうにはろくにスタッフもいないんですよ?、誰がUFIを守るんですか。駄目だあかりちゃん、止めるぞ」

あかり「いや、それがUFI勝手にステージに向かっちゃったみたいで、電話に出ないんです」

飯塚「え?」

豊本「あれ?、いつのまにかモニターが中継に変わってるぞ」

   升野、スタジオから飛び出す。

升野「おい、そこ(扉)開けっ放しで喋ってるから、スタジオに全部丸聴こえだったぞ、俺慌てて中継に切り替えたんだよ」

江田島「え、スポンサーのくだりも?」

升野「その前に止めましたよ、なんとか」

江田島「じゃあもう全然平気」

飯塚「ブレないな、アンタ」

升野「ただ、脅迫状のくだりは流れたかもしんない」

飯塚「え?、ちょっと待ってください。会場のモニターにも、さっきの放送流れてますよね?、爆弾騒ぎが起きてるなんて聴いたら......」

   一同、テレビを注視する。

   テレビから流れる20万人のUFIコール。

飯塚「誰も、席を立とうとしていない」

あかり「でもUFIは?、一体どうなっちゃうんですか?」

豊本「ステージに出てきた。アイツら本気で歌うらしい」

あかり「UFI」

川島「おい、ちょっと待ってくれ。この端っこの方に映ってるこの客、このダセえスーツ。ゴリナのキャバクラの客じゃねえか」

角田「ちっちゃい荷物持ってねえか?、これが爆弾なんじゃねえのか?」

豊本「どんどん近づいてくるぞ」

升野「おいUFI気づいてないぞ、誰が連絡取れないのかっ」

飯塚「あっ!......アイツら」

   飯塚、携帯をかける。

飯塚「あ、もしもし。最前列にいるの、お前らか?」

升野(テレビ見て)「最前列?」

飯塚(通話)「おう、そうだ。ドロ人形先生だ」

升野「コイツら、ドロパチ先生の教え子の、元ヤンカップルじゃん」

飯塚(一同に)「アイツら、俺の言ってたこと覚えててくれて、昔の族の仲間引きつれてUFIのこと守りに来てくれたらしいんですよ」

角田「おいおいおい、犯人の奴無理やりステージに上がろうとしてるぞ」

   テレビから聴こえる聴衆の悲鳴。

川島「やっぱりあのスーツ間違いない、あの客だ。おいゴリナ逃げろ、走れっ」

升野「ゴリナ完全に膝に来てる」

飯塚(通話)「いいかお前らーっ、ピンクと水玉の奴とっつ構えろ、ブチ殺せーっ」

   テレビから聴こえる聴衆の歓声。

豊本「ああっ、ヤンキーたちが、犯人を取り囲んでっ」

飯塚(通話)「行け行け行けっ、ドロ軍団の意地見せたれやっ、おいコラっ、ドロパンチだオラっ」

一同「おおー」

飯塚(通話)「ドロキックだオラっ」

一同「おおー」

飯塚(通話)「よーし最後だ、バック泥ップだオラアっ」

一同「おおー」

   一同、テレビに向かって拍手。

飯塚(通話)「よくやった、お前らー」

   升野、飯塚に駆け寄る。

升野「グレート・ティーチャー・ドロ塚っ」

江田島「いやあ大したもんだ。流石は国民的トップアイドルですね」

川島「よーし、UFIの20万人ライブIN呪い米祭り、スタートだ」

   暗転。

 

   UFIの『WE ARE UFI』

   最初のフレーズが流れる。

 

 ♪ We Are UFI

   ひとつになって頑張ろう

   だって仲間なんだから


We are UFI !!!!

 

 

 

   歓声と共にフェイドアウト。

 

   背景デジタル時計。17時30分へと進む。

   照明点灯。

   長椅子に並ぶ升野とあかり。

あかり「いやー、それにしてもさっきの升野さんの一言、流石でしたね」

升野「いや、あれはもうあかりの絵があったからだよ」

あかり「ええ?」

升野「あれは本当面白かったもん、だって」

   イチャイチャしていると、スタジオから充希が出てくる。

あかり「そんなこと」

升野「絵の時点で成立してたもん、後はちょっと足しただけだから」

あかり「頭の回転早くないですか」

升野「いやいや、マジで?」

充希「あのー」

   角田、仕切りから出てくる。

角田「何きゃっきゃきゃっきゃやってんだよ、うっせえなあ。遊び場じゃねえんだぞ、ここは」

   2人、まだイチャイチャしている。

升野「短い時間で描いたでしょ?、ビックリしちゃった」

あかり「本当に?」

升野「流石、流石」

角田「おい、聴こえてないかコラっ」

升野「今度俺の似顔絵描いてよ」

角田「俺はここに存在し、話しかけてるよっ、おーいっ」

   2人、黙って角田を見る。

角田「なんだその目はっ」

   2人、イチャイチャに戻る。

升野「マジでさ、マジで今度」

あかり「えっ、えっ」

角田「確認して無視すんじゃねえよ、聞けオラっ」

あかり「どうしたんですか角田さん?、カリカリしちゃって」

角田「そりゃそうだろ、カリカリしてる理由がわかんないの?、ウソでしょう」

升野「だってUFIのライブも無事終わったし、犯人も捕まったし、後は今流れてる米狩り村大鬼ごっこが終わればエンディングでしょ?、何をカリカリすることがあんの」

角田「まだ終わってないでしょ、そのエンディングで歌う歌が出来てないでしょうよ。あと15分で発表なんだよ、なのに1つも出来てないよ、1つも」

升野「さっさと作れよ」

角田「いや作ろうにも歌詞が来てないんだよ、おいミッキーまだ歌詞来てないのかよ」

充希「はい、一枚も」

角田「俺そんな人気ないの?」

充希(即答)「そうです」

角田「そうですじゃねえよ」

升野「もう諦めてお前全部作れよ」

角田「じゃあもう、さっきの脅迫文ソングの続きを完成させて歌っちゃうぞ」

升野「なんでだよ、じゃあちょっとFAXないか見てきて」

充希「はい」

あかり「私が行きます」

   あかり、席を立つ。

   充希、あかりを制止。

充希「大丈夫です、私が行きます」

   充希、スタジオの中へ。

   上手から通話中の飯塚が現れる。

飯塚「もしもし。間に合わない?、うん、うん......え、それどういう事だよ」

   一同、飯塚を見る。

飯塚(通話)「わからない?、もう、とりあえずこっちからタクシー向かわせるから、そこ絶対動くなよ」

   飯塚、電話を切る。

升野「どうした?」

飯塚「いや、UFIが、ライブ終わってすぐに用意されたバスに乗ってこっち向かってたらしいんですけど、山道の途中で運転手が急にトイレ行きたいっつって、バス降りてから、連絡取れなくなったらしいんですよ」

あかり「どういう事?」

升野「いや、そういう事じゃん」

あかり「どういう事?」

升野「バカなのか」

角田「俺が教えてあげるよ」

あかり「ああっ、そういう事」

角田「このタイミングでわかったのか」

   江田島、上手から現れる。

江田島「いやー最高のライブでしたね、本当ありがとうございます。スポンサーが大喜びでね、生のUFIに会いたいつって局まで来ちゃいましたよ。最後、ビシっと決めましょうね」

升野「江田島社長、もう警察呼びませんか?」

江田島「何言ってるんですか。なんで警察呼ぶ必要があるんですか?、UFIの爆破騒動は、犯人が逮捕されて一件落着でしょう」

   2階の通路にサングラスをかけた川島が出てくる。

   当たるスポットライト。

川島「それが、ちっとも一件落着じゃなかったんですよ。先ほど私のところに連絡が入りましてね。あのライブ会場で捕まった男、アイツが犯人じゃない事がわかった」

   川島、気障にサングラスを外す。

升野「どういう事だ」

川島「詳しい事は、この男が説明する」

   川島、究極に気障な声で、

川島「おい、豊本っ」

   川島の隣りへとサングラスをした豊本、

   あぶない刑事柴田恭平みたいな物腰で登場。

豊本(モノマネで)「どうも、豊本探偵事務所の、豊本です」

飯塚「ショーパブか、そこはっ」

豊本(モノマネで)「関係ないね」

   飯塚と升野、笑っている。

豊本「私が調べたところによると、あの時捕まったあの男は、ただのUFIのファン。そして着ていたジャケットも、本人のものではないらしい。これを着ていればUFIに気づいてもらえるかもと言うことで、見知らぬ男に貰ったということだ」

飯塚「どういうことだよ」

江田島「んなもん知ったこっちゃないよ、私はね、最後、スポンサーにUFIの生ライブ見せるって約束しちゃったんだよ」

飯塚「スポンサースポンサーってスポンサーがなんなんすかっ、今UFIがピンチなんだよっ」

   川島と豊本、階段を降りて来る。

川島「UFIはね、アンタのスポンサーの為に仕事をしているんじゃないんだ。UFIが仕事をしているのは、愛するファンの為だ。そして金の為だっ」

飯塚「なんで最後にそれ言ったんですか」

川島「UFIは、我々アットマーク川島の大切なメンバーだ、これ以上こんな番組に付き合わせるわけにはいかない」

江田島「何を言ってるんだおい、あと少しで終わるんだぞ。今ここでやめたら、チンチロにならないだろうっ」

川島「もうチンチロ以上だ。考えてもみろ、この番組でいくつおかしなことがあった?、これ以上UFIを、いやゴリナを、危険な目に遭わせるわけにはいかないんだ」

飯塚「ゴリナはそんな危険な目に遭ってないっす」

   スタジオから充希が出てくる。

充希「やっぱ角田さんのFAX一枚も届いていませんでした」

   充希、場の空気を読む。

充希「すみません。私みたいのが口出していい空気じゃないですね」

   充希、引き返そうとして、呼び止められる。

川島「ちょっと待ってくれ。今からする話は、君にも聞いて欲しい」

あかり「どういう事?」

川島「そもそも、あの男が犯人だという決め手になったのは、あのダセえスーツだ。つまり、あれをあの男に渡し、犯人に仕立てあげようとした人間がいる」

飯塚「でもおかしいでしょう。社長のあのスーツの話聞いてたのは、俺と充希ちゃんだけですよ?」

充希「......」

川島「そうなんだよ。つまり、この事件の犯人は」

   川島、充希を見る。

川島「お前」

充希「......」

   川島、飯塚を見る。

川島「か、お前」

飯塚「え、なんで?、なんで疑ってんの俺を」

川島「聞いてたからね、スーツの話を」

飯塚「いや聞いてましたけど、さんざん一緒に長いことやって来て、俺疑うかね」

   川島、どうかなあ?、という顔。

飯塚「その顔やめろよっ、その顔っ」

川島「大丈夫、大丈夫」

飯塚「いやいやいや」

川島「おお?、ずい分慌てるんですねえ」

飯塚「信用してくださいよ」

角田「おいミッキー。お前まさか」

あかり「いや、でも流石にミッキーが犯人て事は。それに、ライブ会場で渡したって言ってましたけど、その時ミッキーはここにいたよね?」

升野「そんなの簡単だ」

川島「そうだ」

飯塚「どういう事ですか?」

   升野、前に出て川島と並ぶ。

升野「つまり」

   2人、同時に。

升野「共犯者がいた」

川島「空を飛んでいた」

飯塚「え。何て言ったんすか?、今」

川島「共犯者がいた」

飯塚「ウソつけよ。え、『空を飛んでいた』って言いました?、今言いましたよね『空を飛んでいた』って」

川島「言っていない」

飯塚「絶対言ってました」

川島「言っていない」

飯塚「絶対言ってましたって」

川島「言いましたけどーっ?」

飯塚「認めんのか。でも確かに、共犯者がいたと考えれば......」

あかり「ちょっとミッキー、ほら黙ってないでちゃんと否定してよ」

   あかり、充希を前に出す。

充希「......私が、やりました」

あかり「ミッキー?!」

充希「私がやりました。自分ひとりでやりました。共犯者はいません」

升野「いいや、ひとりで出来る筈が無い。今回の事件、俺は色々と引っかかる所があった。まず始めに、マラソンランナーが消え、県議会議員の車が壊れ、鬼相撲のチャンピオン、書道の達人、幸せカップル、そして局が用意した車にまで異変があった。こんなの1人で出来ることじゃない」

あかり「でも、どうしてそんな多くの人が、UFIを?」

升野「犯人の目的がUFIではなく、番組の妨害だったとしたら?」

充希「どういう意味ですか?」

飯塚「何のために。彼女は局の社員ですよ、番組を妨害する理由がないでしょ」

   携帯が鳴り、豊本が出る。

豊本(通話)「もしもし、わかった」

   豊本、電話を切る。

豊本「やはりそういう事か。この話の発端となったスタッフ全員の食中毒事件。そんな大量の患者、どこの病院にも搬送されていない。つまり、そんな患者はいないという事だ」

充希「ウソです、だってみんな、あのお弁当食べて」

角田「いや、あの弁当だったら俺も喰いましたよ?」

   充希、茫然。

角田「いや、すげー腹減ってたからさ、もう食中毒とか関係ないと思ってさ」

   角田、仕切りの奥に入り、大量の弁当の空箱を手に戻ってくる。

角田「すげー沢山喰っちゃったよ。ぜーんぜん大丈夫、ただ美味いだけ」

升野「と言うことは、スタッフ全員が共犯者」

   江田島、充希に詰め寄る。

江田島「お前ら、どういうつもりだ」

充希「仕方なかったんです、こうするしか......私たちは、このみちのくササヒカリテレビが大好きでした。都会みたいに派手じゃないですけど、みんなに愛される番組を作り続けて来ました。しかし、この江田島社長に代わってからすべてが変わってしまいました。私たちの意見を無視して、スポンサーに媚びへつらった番組作り。挙句にこの人は、この局を身売りしようとしているんですよっ。今回の23時間テレビだってそうですよ、スポンサー接待のような番組を作って、身売りを潤滑にしようと。だから私たちはそれを阻止する為に、23時間テレビを妨害しようと」

升野「UFIをどうするつもりだ」

充希「UFIは無事です。しかし、この番組を終わらせるまで、UFIをお返しすることは出来ません」

江田島「ふざけた真似をしやがってっ」

充希「ふざけてるのはあなたでしょ。私はただ、みちのくササヒカリテレビを昔みたいに取り戻したいだけなんですよ」

川島「いい加減にしろっ……そんなやり方は間違ってる。いくら社長が裏切ったからって、自分の大好きなものまで裏切るだなんて、俺は許さない。会社の身売りに反対するのは結構だ。けどな、そんなの視聴者には関係ねえんだ。俺たちは、23時間テレビをやめない。放送を続ける」

充希「でも、もうUFIはいませんよ?」

川島「UFIがいないからなんだっ!......UFIがいなきゃいないでっ......どうすんだい?」

飯塚「でしょうね、でしょうね。なんにも出来ませんよ」

升野「それはどうかな。おい豊本、番組の評判をネットで調べてみろ」

豊本「おう、わかった」

   豊本、携帯を取り出す。が、見えない。

   カッコつけてかけていたサングラスを外し、眼鏡に付け替える。

飯塚「最初から掛けとけよ」

豊本「度入りのサングラスが欲しい」

飯塚「知らねえよ」

   豊本、携帯でネットをスクロール。

豊本「たしかに。ほとんどUFIに対するコメントだが、他にもあるぞ」

   升野、携帯を受け取る。

升野「『あのミイラみたいな県議会議員、怪我までしてるのにスピーチするなんて、最高』」

川島「ミイラ、俺か」

升野「『あの鬼相撲大会のチャンピオン、すげえ強くて最高でした』」

豊本「鬼相撲、俺だ」

升野「『あの鬼のような絵を描いた人、可愛い』『あの熱血先生も素敵でした』」

あかり「私も入ってる」

飯塚「熱血先生って俺か。(熱血先生風に)バカ野郎」

升野「『紙芝居の人超良かった』。俺だ」

角田「......え、終わり?。俺は?」

   升野、スクロール。

升野「結構下まで来てんだけど。ちょっと待って」

   升野、すっごいスクロール。

角田「え、そんな無い?」

升野「あ、あったあった。『オープニングのオニゾウくんと出ていたハゲの人、凄くハゲてますね』」

角田「他と違うっ」

升野「とにかく、俺たちアットマーク川島プロの人間は、今やこの地域の人たちにとって、立派な有名人だ」

角田「そんな事どうだっていいよ、それよりこれ(テレビを指し)、大鬼ごっこもうすぐ終わるぞ」

江田島「おいおいおい、もう放送するものないぞ」

あかり「......あります」

   あかり、長椅子に走り、バッグから充希のメタルテープを取り出す。

   テープを升野に渡す。

あかり「これ」

   升野、テープと歌詞カードサイズの台本を見る。

升野「あ、本当だ。これなら行ける」

   升野、棒立ちの充希の前に。

升野「おいAD。お前がずっと見たかった番組、俺たちが作ってやるよ」

充希「......」

升野「よし、みんな行こう」

   升野、スタジオの中へ入る。

   残りの一同、会議机のテレビの前に集まる。

   しばしの間。

   升野、焦って戻ってくる。

升野「え、行かねえの?、ビックリした。パーって走って振り返ったら俺一人しかいねえの、ビックリした。すっげえ恥ずかしかった」

川島「いや特に説明ないから」

升野「みんな行こう、みんなみんなみんな」

あかり「え?」

升野「いやお前がこれ(テープ)持って来たんだろ、行こう行こう行こう」

   升野、みんなを手招きしてスタジオへ。

   一同、顔を見合わせる。

升野「いや行こうってっ」

   升野、坐ったままの川島のもとへ。

升野「なんでこのタイミングで腰が重いんだよっ」

川島「説明を」

升野「番組作ってやるつったんだよ。流れ、そういう流れじゃん」

   升野、またスタジオへ向かう。

   一同、再びテレビに視線を集める。

   升野、戻って川島の頭をはたく。

升野「なんで改めてテレビ見てんだよ」

   升野、川島の手を引いて立たせる。

川島「だって怖いもん」

升野「怖くないよ。行けばわかるから」

   ようやく、充希と江田島を残してスタジオに入る川島プロ一行。

江田島「おい、お前らなんかに出来るわけないだろっ、何考えてるんだまったく」

  江田島、委縮する充希を睨む。

江田島「お前のせいだからな?」

   モニターチェック。

升野の声「えー、ただ今から、プログラムを一部変更し、このみちのくササヒカリテレビの原典となった、あの伝説の子供番組を復活させます」

充希「升野さん?」

カセットの音「『泣くなオニゾウ』。『好きなものは好き、の巻』」

   BGMが流れ出すと、2階の通路にオニゾウが陽気に躍り出てくる。

ナレーション「『ここは、鬼だけが住んでいる、鬼ヶ村にある、鬼の高校。今日もオニゾウくんと愉快な仲間たちが、何やら騒いでいるようですよ』」

鬼子の声「『うえーん、うえーん』」

オニゾウの声「『あれ?、誰かが泣いてる。この泣き声は、鬼子ちゃん』」

   パネルを手に、鬼耳を付けたあかりが出てくる。

江田島「え、生身でやんの?」

   声にジェスチャーを当てていく。

鬼子の声「『飼っていた子犬が、いなくなっちゃったの』」

オニゾウの声「『ええ?、探してあげるよ。どんな犬?』」

鬼子の声「『じゃあ、口で説明するのは難しいから、絵で描くね?』」

   流れ出す絵描き歌に合わせ、あかりがパネルに絵を描き始める。

江田島「何が始まったんだ」

絵描き歌「♪ 大きいお椀がありまして

   はんぺん2つ ごま塩振って

   ランララ ランララ ランランララ

   あっと言う間にワンコちゃん 」

   あかりがパネルをめくると、

   『地獄大戦ヘルマゲドン』のケルベロス鈴木。

江田島「描けないよっ、今の歌詞じゃ描けないよっ」

オニゾウの声「『あ、この犬なら、僕、さっき見たよ。力自慢の鬼の富士がイジメてた』」

江田島「鬼の富士?、ええ?」

   チャンピオン王冠をかぶった豊本が踊りながら出てくる。

鬼の富士の唄「♪ 俺は最強 鬼の富士 」

江田島「ぴったり!」

鬼の富士の唄「♪ どんな相手もどんと来い

   必殺技は 必殺技は 」

   豊本、周囲の人間に次々目つぶしをくらわしていくジェスチャー。

鬼の富士の唄「♪ ラララララ 鬼の富士 」

鬼の富士の声「『ふはは、オニゾウ。お前の犬など、食っちまったよ』」

オニゾウの声「『お前、喰ったのか』」

江田島「犬とか食うなよ」

オニゾウの声「『クッソー、鬼の富士の奴め。オニパチ先生に言いつけてやる。鬼組のオニパチ先生―っ』」

   飯塚、登場するなり豊本にパンチ。

   続いてオニゾウをボコボコにし、また豊本を足蹴にする。

オニパチ先生の声「『てめえーっ』」

江田島「あんまりイジメるなよっ」

オニパチ先生の声「『ケンカなんかしてやがったのかっ』」

オニゾウの声「『痛い、痛いよオニパチ先生』」

オニパチ先生の声「『仲良くしないと、ぶっ飛ばすぞっ、いいか、鬼と言う字は、鬼と、鬼が、支え合って出来ているんだっ』」

江田島「いや、出来てない出来てない」

   BGM変わる。

鬼ミイラの声「『父さん?、憎しみは争いを生むだけだと、歴史が証明している』」

オニゾウの声「『その声は、鬼ミイラ?』」

   顔面包帯状態の川島登場。

江田島「完璧だ」

   川島、ロボットダンス風の動き。

鬼ミイラの声「『君たち。その辺でチンチロにしないと、悲惨な結末が待っているよ。ね?、紙芝居おじさん』」

   パネルを手に升野が登場。

   パネルをめくると、デッド塩谷の絵。

江田島「死んじゃってるよ」

オニゾウの声「『紙芝居おじさん、言いたいことは、怖いほど伝わったよ』」

オニパチ先生の声「『さあ、みんなで歌を歌って、仲直りだ。鬼渕トンボさーん』」

   長淵調の曲が始まって、角田登場。

   威勢よく腕を振り上げるが、

トンボの声「『はーい♪』」

   鬼渕トンボの声は、女性だった。

角田「?!」

トンボの声「『私が歌のお姉さん、鬼渕トンボよー』」

   驚く一同、顔を見合わせる。

江田島「おいおい、どうすんだよ」

トンボの声「『さあみんな、私の後について、歌うわよー』」

   角田、なんとかしなを作って装う。

   テープの音がフェードアウト。

江田島「音止まったっ?、音とまっちゃったっ」

   戸惑う一同。

角田「どうする、どうする?」

升野「歌え、歌えよ」

角田「女だったじゃん!」

升野「裏声出せ、裏声

角田「無理だよ」

   飯塚、オニパチ先生の演技で挙手。

飯塚「みんな、こういうのはどうだろう。いつもは、鬼渕トンボさんだけど、今日は特別に、別の歌のお姉さんにお願いするって言うのは」

升野「お、おお。なるほどね」

   飯塚、あかりを前に押し出す。

あかり「え、え......それならピッタリの人がいるわ。この番組を誰よりも好きで、誰よりも愛してくれていた、あの子」

充希「あかりん、それって......?」

川島「ああ。いつもは気弱だけど、いざという時は頼りになる。あの子ならピッタリだ」

升野「最後の最後くらい、役に立ってくれるんじゃないかな」

   充希、スタジオへ走り出す。

江田島「おい何する気だ、待てっ」

豊本「みんな、間もなく、新しい歌のお姉さんが到着するぞっ」

角田「よっしゃ。歌はさっきのあれでいいかしら?」

   充希、スタジオの中央へ走り出る。

角田「準備はいい? 3、4っ」

   角田、伴奏スタート。

   みんなで踊り、充希が歌いだす。

   驚くほど高い歌唱力。

   脅迫文の歌詞。

充希「♪ お前ら俺をちっとも認めちゃくれねえ

   何を言っても聞く耳持たねえようだな

   俺の怒りの爆弾で お前ら

   木端微塵に吹っ飛ばしてやる

   俺の怒りの爆弾で お前ら

   跡形もなく消し去ってやる OH」

角田「さあ、続きを聞かせてやれ充希ちゃん」

充希「♪ だけど そんな世の中見たくない

   好きなものは好きと言える未来を目指して

   いつか笑顔になれるから

   好きなものは好き そう言える未来へ 」

   充希、角田とハイタッチ。オニゾウとハグ。

   拍手の中、暗転。

升野の声「入った?、CM入った?」

豊本の声「いや、まだ時間空いてるみたいだぞ」

充希の声「そう言えば、ライブの前にCM流しまくった時、間違ってこのあと流すCMの入ったテープ落として壊しちゃって。どうしましょうか」

飯塚の声「どうしましょうかじゃねえよ!、まだ妨害しようとしてるの?、ただのドジなの?」

充希の声(即答)「ただのドジです」

川島の声「こうなったらお前ら、鬼ミイラ主演でもう1度やるぞ」

あかりの声「ええ?」

角田の女声「望むところよ。私もこの役クセになりそう。私は鬼子。昼は主婦、夜はキャバ嬢」

飯塚の声「設定変わり過ぎだろっ」

 

   照明点灯。

   会議机で川島とあかり、中央でしゃがんだ飯塚、

   長椅子で角田がくたびれ、オニゾウが突っ立っている。

川島「いやー盛り上がったな、『泣くなオニゾウ』大反響だよ」

角田「やったなオニゾウ」

   角田、オニゾウの頭をはたく。

   あかり、FAXを読み、

あかり「どれも大評判ですよ」

角田「そっかあ」

   充希がスタジオから出てくる。

充希「皆さん」

川島「おう。盛り上がったな」

充希「はいっ、えへへ」

飯塚「だいぶメチャクチャでしたけどね」

   充希、頭を下げる。

充希「皆さん本当、ありがとうございました。私たち、ずっと逃げてました。どうせ無理なんだ、どうせ駄目なんだ、とか思って。でも、ちゃんと自分の見て欲しいものとか聞かせたいものを届けなきゃいけないなって、思い出しました」

あかり「ミッキー」

充希「だから、私、ちゃんと伝えます」

   あかり、察して立ち上がる。

   升野と豊本がスタジオから出てくる。

升野「いやー、UFIギリギリ間に合ったな」

豊本「我々豊本一族の力を使えば、こんなもの容易い」

充希「升野さんっ」

升野「あ?」

充希「私。升野さんが好きですっ」

升野「......えーと、え?、それは、君が、僕の事を、好きと言う事かな?」

充希「そうです」

升野「好き、には色んな解釈あると思うんだけど、その好きと言うのは、恋愛感情という意味での、好きと言う事かな?」

充希「そうです」

升野「それ間違いないのね?」

充希「はい」

升野「君が、僕に、好意を持っている。恋愛感情的に好意を持っていると言うことで、間違いないね?」

充希「そうです」

升野「それを今、伝えてくれたんだね?」

充希「そうです」

升野「わかりました。じゃあ今から気絶します、わー」

   升野、その場に卒倒して気絶。

飯塚「え、伝えたい事って、それ?」

充希「色々あったんですけど、でも、これもそうです」

あかり「ミッキー、気絶しますって言って気絶しちゃうような、こんな人でいいの?、後々後悔するよ?」

   角田、嬉しそうに割って入る。

角田「いやいやよくやったよ、ミッキー。勇気を出した」

   充希、角田をスルーしてあかりの前へ。

充希「いいんです。私、自分の気持ちを伝えたかっただけですから。それに、あかりさんも升野さんのこと好きなんでしょ?」

あかり「え、なに言ってんの?」

   角田、態度豹変。

角田「おい余計なこと言ってんじゃねえ、なに言ってんだお前はっ」

充希「え、違ったんですか?、てっきり嫉妬してんのかなとか思っちゃった」

あかり「まあ正確に言うと、嫉妬してたって言うか、升野さんは私のペット的な存在で、ムカつく事もあるけど、可愛いっていうか。だから、自分のペットが人になつくと、なんだかなーみたいな」

   升野、パッと体を起こす。

升野「おいっ、ふざけんな、誰がペットだ」

   あかり、舌を鳴らし手を差し出す。

   升野、ペットのように吸い寄せられるが、すぐ手をはたく。

升野「何してんだよ」

角田「俺はペットでもいいっ」

飯塚「ハウスっ」

   角田、長椅子にハウス。

   上手から江田島が現れる。

江田島「はい、どうも御苦労さまでした。(充希に)お前らのやった事は小さな反抗だったみたいだな。お陰さまでね、スポンサーが23時間テレビ非常に気に入ってくれて、身売りの話が上手くいきそうだよ」

   オニゾウ、江田島に走り寄る。

江田島「なんだなんだ?、おい」

   オニゾウ、江田島をぶん殴る、

江田島「痛たあっ、おい、何すんだっ」

   オニゾウ、客席に背を向け、江田島に向けて着ぐるみの頭部を外す。

   ハゲた男の後頭部が見える。

江田島「か、会長!」

飯塚「会長?」

江田島「この、みちのくササヒカリテレビの会長だ」

   会長、頭部を戻す。

飯塚「はっ!」

   会長の声(テープのナレーションと同じ)がする。

会長の声「オニゾウ。それは開局以来、この会社のトップの仕事だ」

飯塚「なんでだよ」

会長の声「私は、テレビの仕事を愛していた。それゆえ経営はあまり得意ではなくてな。切れ者の江田島にすべて任せっきりにしたのが、間違いだったのかも知れん。しかし、今日君たちを見ていて教わったよ。好きならば逃げずに、戦えばいい。私は決めた。この会社は、身売りなどしない」

江田島「いや、でも」

会長の声「江田島。わしともう一度、やり直そうじゃねえか。この会社を今一度、立て直そう。俺たちなら出来る」

江田島「......会長」

   江田島、泣いて会長にすがる。

飯塚「いつまでオニギリ被ってるんすか?」

   角田、会長にすり寄る。

角田「いやいやいや、会長とはつゆ知らず数々の失言、大変失礼致しましたーっ」

会長の声「なに、お前の行いに腹を立てるような私ではない」

角田「流石心がお広い。ま、そんな変な事してないですもんね。じゃ、これか

らは友達と言うことでいきましょうか」

   角田、会長の肩を叩く。

   会長、その手を払い、パンチ。

角田「あ痛ってえ、何すんだオラっ」

   再び向かいかけた角田の髪を升野が後ろに引っ張る。

角田「あ、それは駄目」

升野「会長だって言ってんだろ」

角田「動かないで、ゆっくりやって」

   升野、髪で角田をコントロールして歩き出す。

升野「おいキャリーバッグみたいだぞ」

   明るいエンディングが流れ出す。

   角田キャリーバッグ、升野からあかり、あかりから充希へパス。

   ようやく解放される角田、大げさな顔してみんなにアピール。

角田「もっと大事にしてーっ」

   一同、思わず笑う。

角田「もっと、もっと、大事にしてーっ、冗談じゃないよっ」

   角田。スタジオの中へ。

   充希、オニゾウの前へ。

充希「おじいちゃんっ、私もっと頑張るね」

飯塚「おじいちゃん?、おじいちゃんなの?」

充希(即答)「そうです。私、会長の孫なんですよ」

飯塚「じゃ最初からそう言えばいいじゃん。おじいちゃんに、身売りしないでって」

充希「......そっか」

飯塚「そっかじゃねえよ」

   角田、戻ってくる。

角田「おい、ゴリナがゴールしてるぞ?」

飯塚「あ、忘れてた」

豊本(テレビ見て)「ゴリナのゴールがテレビで中継されてるぞ」

   一同、会議机のテレビを囲む。

飯塚「さすが升野さん、ちゃんと指示出してたんですね?」

升野「いや俺、なんの指示も出してないよ?」

飯塚「じゃ、誰が」

充希「あっ、うちのスタッフ達が映ってる」

飯塚「なんで?」

   BGM、ややメロウに。

川島「駆け付けたんだろう。当たり前だ、自分たちのテレビ局でこんな面白いものがやってるんだ、テレビマンとして血が騒がないわけないだろう。結局こいつらさ、自分たちのテレビ捨てること出来なかったんだよ」

   川島、席を立つ。

川島「よーし、23時間戦い続けたUFIに、『お疲れ様』言ってやるか」

飯塚「そうっすね」

   一同口々に「疲れたー」と余韻に浸り、江田島は会長を先導して、

   スタジオの中へ入っていく。

   画面が徐々に暗転していく。

   スタジオから慌てて戻ってくる一同。

川島「おいおいゴリナ、ゴール出迎え無かったってブチ切れてんじゃないかよっ」

   一同、逃げて上手へはける。

   画面、暗転。

 

                   了

 


ウレロ☆未公開少女