基本YouTubeでしか日本語ラップに触れない、それも積極的に掘り進めるのでなくホームに表示されたものくらいしか聴かない(見ない)アニオタが選ぶ日本語ラップ2020マイベストになります.苦情は受け付けません.
普段ラップ聴かない人にどれか一つくらい持ち帰っていただけたら幸甚です.
まず流石にここまで再生回数伸びてる曲を今更推してもしょうがないので除外した曲.でもいいよね.
BUDS MONTAGE / 舐達麻(prod.GREEN ASSASSIN DOLLAR)
Creepy Nuts / かつて天才だった俺たちへ【MV】
では順不同で10曲.
1.Moment Joon ー TENO HIRA
「数が足りません」ってなんだ 「道がありません」ってなんだ
いつもの言い訳の代わりに俺はマイクを摑んだ
君も見せてくれよ こぶし
スカイツリーじゃなくて君が居るから日本は美しい
今に始まった話ではないし、それを殊更取りあげることが本人たちにとって不本意であることは百も承知で、しかしラッパーのルーツの多様さ、全てひっくるめて「日本語ラップ」「ジャパニーズHIPHOP」の地図を描いていく抜けの良さが、このフィジカル面での断絶を余儀なくされる年において非常に解放感を与えてくれたのはこのカルチャーの誇らしい部分でしたが(反面陰謀論や偏見に毒される残念なロートルやイキリ小僧も散見されつつ)、
けれどそんなうわべだけの楽観論に水を差し発破をかけてくるMoment Joonがもっともリアルに感じました.でもMVもっと作って欲しい。
2.ralph ー Selfish(prod.Double Clapperz)
ralph - Selfish (Prod. Double Clapperz)
日本では無理? まぁ確かに
言い訳ばかりのお前らじゃ無理でも
俺ならできるmakeするシーン
準備してくれよ手のひら返し
この曲に出会った時の衝撃.
何より「大言壮語ぶちかまして事実上がっていく過程を見せる」というギャングスタの魅力を今年一番感じさせてくれた人.
この三人の並び!
Hideyoshi - Jitsuryoku ft. Leon Fanourakis & ralph (Official Video) [Dir. by Ken Haraki]
番外編.ブライアン ー 日本のラッパーって・・・下手じゃね? 真似できない踏み方をみせるぉ
日本のラッパーって・・・ 下手じゃね? 真似できない踏み方を見せるぉ
天才的なスキルを見せつつも、バトルでもライブでも音源でもない、今まで誰も同じ土俵で闘っていないからこの動画の主張そのものは的外れもいいところなんですけど、これで多くのラッパーが乗っかってアンサーすることで、家で出来るゲームをありがとう(by言×THEANSWER)が巻き起こって、それはそれは楽しかったのは事実なので今年の一曲(?)であることは間違いない.なんならもっと多くの人に乗って欲しかったですね.
個人的にはこのゲーム、ブライアンに欠けてる音楽的な魅力をdisではなくリスペクトの中で堂々示したブルーミオの圧勝という感想.
3.KennyDoes,テークエム、KOPERU、R-指定、KZ、ふぁんく、KBD、peko ー 梅田ナイトフィーバー'19
KennyDoes,テークエム , KOPERU, R-指定, KZ, ふぁんく, KBD, peko - 梅田ナイトフィーバー’19(prod. peko)
人もまばらなフロア 照らしてたミラーボール
下手くそなステップでお喋りだった俺達を
からかったあの子 重なった足跡も
いつまでも いつまでもずっと ずっとこのまま
甘酸っぱい青春ゾンビ.
おもっきりタイトルに「19」って入ってますけどMV自体は今年頭に上がってたし、CreepyNutsのお茶の間進出も嬉しい今年の曲として欠かせず.
晋平太が上げてたメイキング込みでのこの青春感.
KennyDoes,テークエム , KOPERU, R-指定, KZ, ふぁんく, KBD, peko - 梅田ナイトフィーバー’19(prod. peko)【MVメイキング】
J-POP寄りの曲調に輪をかけてベタベタなMVを合わせることで素直に曲を楽しめるのがまた良くて、stillchimiyaから離れたところでスタジオ石制作によるMVがあちこちで(愉快な方向で)炸裂してたのが楽しい一年でした.
般若 / イキそう [Pro. DJ BAKU / Dir. スタジオ石] Official Music Video ℗2020 昭和レコード
NENE - 地獄絵図 feat. NIPPS (Music Video)
4.DJ CHARI & DJ TATSUKI - GOKU VIBES feat.Tohji,Elle Teresa,UNEDUCATED KID & Futuristic Swaver
DJ CHARI & DJ TATSUKI - GOKU VIBES feat. Tohji, Elle Teresa, UNEDUCATED KID & Futuristic Swaver
I'm super saiyaaan
I'm super saiyaaan
Know my name TJ,call my name TJ
I'm super saiyaaan
これも再生回数結構いってるけれど、個人的にTohjiにだけはハマることはないと思ってたのに笑いながら体揺れてしまったので悔しい一曲.Tohji、動き含めて面白いのでこれもMVの力を感じた一曲ですね.あと後半の韓国人ラッパーのラップが意味わからないのにめっちゃ気持ちよい.
5.tofubeats ー RUN REMIX(feat.KREVA & VaVa)
tofubeats - RUN REMIX (feat.KREVA & VaVa)
走らされてる奴らから今日も
吐き出されてく溜め息まじりのCO2
大丈夫?
これは一生ずっと続く終わりの無い勝負
今年はトリックスターとしてあちこち顔を出しひっかき回したKREVA、ZORNの動きを追うのが楽しかったです.
特にRUNは既成曲で、KREVAが参加することで俄然意味が高まるという点でその強さを実感.「ダビデみたいに考える」は普通に間違えたそう.
KREVA 「タンポポ feat. ZORN」MUSIC VIDEO
KREVA 「Fall in Love Again feat. 三浦大知」MUSIC VIDEO
6.ZORN / Life Story feat.ILL-BOSSTINO
ZORN / Life Story feat. ILL-BOSSTINO【Official Music Video】
いいかい シナリオを書き上げたらすぐにキックするべきだ
見様見真似でいいからやってみな
それだけでした これだけで来た
何より俺だけってわけじゃなかったからここまで出来た
KREVAなら「RUN REMIX」そしてZORNならこの曲.
ZORNのバースが「労働と人生やっていくぞ」になっているのに、BOSSのバースの始まりが「どんな仕事も最後クビ」なのがジワジワきます.
どんな曲のギャングスタ構文も嫁とか子供とか味噌汁とか「生活の話」で落とすZORNのリリックがネタ切れすることなくあらゆる場面で異彩を放って良いスパイスになるし、それを真っ向受け止めて太い「人生」の歌に変えたBOSSも頼もしい.
ZORN/Rep (Remix) ft.MACCHO NORIKIYO
ZORN / Have A Good Time feat. AKLO 【Official Music Video】
THA BLUE HERB "バラッドを俺等に"【OFFICIAL MV】
7.Awich ー Bad Bad
Awich - Bad Bad (Prod. Chaki Zulu)
この世界の終わりもtogether
君となら怖くはないから
you can trust me
酸いも甘いも見たわ
Mステ出演以上にビックリした、『人間発電所』を使ったトラックの心地よさ.今後元ネタに負けないくらいクラシックになってほしい一曲.滅茶苦茶聴いてます.
フィメールラッパーも着実に存在感を増して、また多様化していて、男性ラッパーが軽くネタにする雑なフィメールラップdisがもはや「どこの誰の話?」ってレベルで的外れになってきてますね.
Zoom - valknee, 田島ハルコ, なみちえ, ASOBOiSM, Marukido, あっこゴリラ
chelmico「Disco (Bad dance doesn't matter)」【Official Music Video】
8.PUNPEE ー Wonder Wall feat.5lack
PUNPEE - Wonder Wall feat. 5lack
それでもいつもの様にまたお洒落して 遊び疲れ眠るだろう
仮に2で割って最高 そうなれなくても
ふわり 疎遠になるかも 終われない日々のうた
年老いた自分が過去を振り返るアルバム『MODERN TIMES』のコンセプトを更に裏打ちするように、家族ヒストリーを音源とMVに仕上げる.それが様になってて格好イイけど既存のどの格好良さにも当てはまらない.別に格好良くなくてすらいい.
兄弟ラッパー共演(というかこの二人は元々一緒のユニットだけど)で堂々家族への感謝を告げる点、ちょっとMummy-DとKOHEI JAPANの坂間兄弟が念頭に置かれてたら嬉しい.
9.JJJ ー STRAND feat.KEIJU(Prod by KM)
JJJ - STRAND feat. KEIJU (Prod by KM) 【Official Music Video】
deathも有りで繋ぐSTRAND
大師の門、頭上迫る雷雲19時現在
駅前に葛藤書き留める
誰の言葉じゃない、俺が決める
もお素直にトラックが良過ぎる.ずっと浸れる.
10.STUTS ー Mirrors feat.SUMIN,Daichi Yamamoto & 鎮座DOPENESS
STUTS - Mirrors feat. SUMIN, Daichi Yamamoto & 鎮座DOPENESS (Official Music Video)
Lemonade 甘く酸っぱい
それぐらい君を見分けたい
手に余るほどのemotion ay
こぼれ落ちるslowmotion
これが多分今年一番聴いた曲.
「次は誰と誰が一緒になって曲を出すか」も日本語ラップの醍醐味の一つですが、STUTSとDaichiと鎮座は個人的にこれ以上ないとこありました.
別に10曲決めてから書き始めた訳じゃないので、以下は普通に今年ベスト級に好きだけどこぼれた楽曲群.
こういうのも有りなんだ! ってなった
2020年夏の寂しい空気をこんなに凝縮した曲とMVも無い.
FNCY - みんなの夏 (Prod. : grooveman Spot) ZEN-LA-ROCK / G.RINA / 鎮座DOPENESS
レジェンドの共演 このくだらなさ
スチャダラパーからのライムスター - Forever Young (Music Video Version)
レジェンドの復活 この聴きやすさ
SOUL SCREAM / Love, Peace & Happiness [Official Video]
逮捕されても巧いことを言えたら勝ちなのだ
漢 a.k.a. GAMI feat. RYKEY / Period.
HIPHOPというより現代アートと称した方がしっくりくる何か
KID FRESINO - No Sun (Official Music Video)
笑うしか出来ないし「I REP 実家」はパンチライン.
般若 / SORIMACHI [Pro. CHIVA from BUZZER BEATS / Dir. TOMOYA EGAWA] Official Music Video ℗2020 昭和レコード
あと唾奇、BIM、kZm、¥ellow Bucks、vividvoooy、田我流、環ROY、RAU DEF、OZworld、LEX、JinDogg、BAD HOP、NORIKIYO、ANARCHYとかとか聴きました.
浅瀬でちゃぷちゃぷ遊んでる自覚は抜けないけれど、これ以上掘るのも正直面倒臭いので、これからもイイ感じに気楽に遊んでいきます.