2021年1月17日(日)習志野文化ホールで開催された『俺ガイルFes.-FINAL-』の備忘録、もとい書き起こしとなっております。
現地参加した際、個人的に今後振り返る際忘れず記録しておきたい発言が複数あった為、いっそ書き起こした方が早いだろうと思い配信アーカイブチケットを改めて購入し、要約を文字にして採録いたしました。
既に配信終了しているので記事にしましたが、もしFes.をご覧になれず内容が知りたくて当記事訪問された方おられましたら、実際には二時間半に及ぶ長尺、ここから省略されたニュアンスは数知れません.当然イベントそのものの映像を見た方が数倍楽しめること請け合いですので、現在アナウンスこそありませんが、今後もし円盤特典等にてイベント内容がソフト展開した際には、是非ともそちらをお買い求めいただければ幸いです。
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『俺ガイルFes.-FINAL-』開演.
茶渡「はいはいはい」
江口「ねえ! この格好なに?」
茶渡「と言うわけで、開演前の諸注意など紹介する大役を仰せつかりました、『えぐちゃど』でございます」
江口「前説いる? だって本編じゃん。配信始まってんでしょ」
茶渡「まずいくつかお願いがありまして(中略)。このご時世ですから、接触確認アプリ『COCOA』が機能するように、BluetoothをONに設定していただくようお願いいたします」
(感染対策説明。マスクしたまま、声を出さず拍手だけ)
江口「反応は無かったら無いで寂しいんです。なんか動きがあった方が『聞いて下さったんだな』と思うので」
会場、拍手。
江口「助かります」
茶渡「そして俺ガイルの挨拶と言えば『やっはろー』ですけれども、今日は『やっはろー』の代わりに大きい拍手で返していただきたいと思っております。練習してもらいましょう。『やっはろー』の主、東山奈央さんからね、『こうです』と。『やっはろー』に合わせて、パン、パパンと手拍子を。最後に手、広げちゃってもいいですよ」
江口「合ったら気持ちいいですよね。じゃ、やってみましょうか。やっはろー」
会場、パン、パパン。
江口「合った!」
茶渡「すげえ、すげえ」
(ライブの諸注意)
茶渡「そしてですね、皆さんが出来るかどうか、開演前に試してみたいと思います」
江口「『開演前に』歌があるんですか!?」
茶渡「そうなんです。それではご登場いただきましょう、話題のスーパーアーティスト。MC、わたりーん!」
渡航、2021メガネで登壇。
渡航「ヘイヘイヘーイ。大丈夫? みんな。この前説でね、、、前説ってなんだ? この前説で、手拍子バッチリ練習していきましょう」
江口「チュートリアルです」
茶渡「では皆さんが感染対策を守れるのかどうか、MCわたりんの新曲で試してみたいと思います」
江口「ここで新曲? ここでしか歌いませんから、わたりんは」
渡航「じゃあ、歌うにあたって、、、邪魔だからメガネ外すね」
渡航、メガネを置く。
渡航「よし!」
江口「もう汗かいてない?」
渡航「もうね。さっきからずっと吐きそうで」
江口「めちゃくちゃ緊張してるって言ってたもんね」
茶渡「朝から言ってたもんね」
渡航「ううん。き・の・う・か・ら」
江口「いいですか?」
江口「その空気、なに?」
渡航「『君がいるから』」
江口「なに?」
一曲目.MCわたりん(渡 航)with MCえぐ(江口拓也)&MCちゃど(堀井茶渡)
『君がいるから』
渡航「イヤッホー------ウ!!! もう皆さんね、サイリウムから手拍子から拍手から、最の高」
会場、拍手。
渡航「もっとくれ。もっとくれ。もっとくれ」
茶渡「MCわたりん、ありがとうございました。
、、、それではね。まもなく開演となりますので」
江口「(笑)」
渡航「(笑)」
茶渡「ここまでは前説なので。それではね、前説を担当しました、『えぐ・わた・ちゃど』でした」
暗転。
二曲目.やなぎなぎ『芽ぐみの雨』
茶渡「皆さん、改めましてこんばんは。『俺ガイルFes.-FINAL-』始まりましたよ。やなぎなぎさんの『芽ぐみの雨』からスタートしました。今日は声援の代わりに身振り手振りでお願いしますね。そして配信をご覧の皆さんは、コメントを書き込んでくださいね」
スクリーンで配信視聴者からのリアルタイムコメントが流れる。
茶渡「自分のコメント流れちゃったなと思っても、後で皆さん見ますし、わたりんは全部見ると思います。それでは、メンバー集合!」
江口、早見沙織、東山奈央、佐倉綾音、小松未可子、中原麻衣登壇。
茶渡「それでは皆さん、一言ずつご挨拶をお願いします。江口さんから」
江口「比企谷八幡役の江口拓也です。本日はよろしくお願いします」
早見「雪ノ下雪乃役の早見沙織です。最後まで楽しんでいってください」
東山「では皆さん、拍手で。さっき言ったやつですよ。『やっはろー』」
会場、パン、パパン。
東山「わあ、完璧。盛り上がっていきましょう。由比ヶ浜結衣役の東山奈央です。よろしくお願いします」
佐倉「はい。会場のみなさん、こんにちは。そして配信のみなさん、こんにちはー」
佐倉、カメラに抜かれてる体ですまし顔。
小松「(低い声で)うわあ」
佐倉「久しぶりに皆さんにお会いすることが出来てとても嬉しいです。一色いろはの声を演じております、佐倉綾音です。今日はよろしくお願いします」
小松「皆さんお久しぶりです。戸塚彩加役小松未可子です。わたくし、ファースト以来のイベント参加となります、よろしくお願いします」
佐倉「会ったことないよね?」
小松「会ったことないの。私、一回もあやねると喋ったことない」
佐倉「私とあなたはあるよ!」
小松「今日は色んな初絡みも見られると思います。ファイナルということで寂しいですけど、最後までよろしくお願いします」
中原「私も、たぶん最初出て以来? だと思うんです。なので今日はずっと楽しみにしていました、雪ノ下陽乃役中原麻衣です。よろしくお願いします」
※小松さんは2013年にティファ有明で開催された一期イベント『総武高校文化祭2013』の話を、中原さんは2015年に今回と同じく習志野文化ホールで開催された二期イベント『俺ガイルFes!』の話をされていると思われます。
茶渡「そして司会進行は私、戸部翔役堀井茶渡です。よろしくお願いします。では皆さん、お席の方に」
中原「なんかすごい、残骸が」
わたりんライブの紙吹雪など残骸を拾って遊ぶ一同。
茶渡「何かあったんでしょうかね?」
江口「夢でも見てたのかな?」
小松「『芽ぐみの雨』から始まったんですもんね?」
一同、着席。
茶渡「俺ガイルがいよいよ完結を迎えてしまいましたね。TVアニメが始まったのは2013年の4月からでしたが、小説が発売されたのは2011年の3月なので、約10年の歳月をかけて完結いたしました」
江口「長いなぁ」
茶渡「江口さん、早見さん、東山さん、小松さんは、2011年11月に発売されました小説第3巻特装版にドラマCDが封入された時から声を担当しておりますが、当時の思い出、俺ガイルと出会った時の印象はいかがでした?」
江口「そうですねぇ。9年前、、、」
小松「私、忘れられないのが、このドラマCDで初めての現場だっていう石川界人くんに会った」
江口「あー!」
東山「そうだ! カラオケ店員の役やってましたよね? 懐かしい!」
江口「『いらっしゃいませ』」
小松「それが初めての現場だって」
佐倉「界人くんにそんな時期があるんだ?」
江口「誰しもね! 未だに言われますもん、界人くんに会うと。『あの時、声をかけて下さってありがとうございます』って」
佐倉「わあー、、、怖いですね」
江口「そう怖い。『ずっと覚えてるぅー』って思って」
小松「ねえー」
一同、無言。
茶渡「、、、え。界人の思い出だけ?」
江口「あと『先生こういう人なんだ』っていう。ディレクションもね、最初はわたりん積極的に入って。なんなら、わたりんが席に座ってたことなかった?」
早見「あ! 一回くらいあったかも知れないですね」
東山「ディレクションの席に?」
江口「そう」
佐倉「、、、遊んでたんですか?」
江口「仕事です!」
東山「そのドラマCDで歌とか歌わなかったっけ」
小松「一番最後に歌が」
東山「『Bright Generation』じゃなかった?」
ここで早見、記憶を辿り鼻歌を披露。
早見「~~~♪ じゃ、なかった?」
東山「そうだっけ」
早見「(笑)」
東山「『今日から始まる私のBrand new birthday♪』って、やつ」
茶渡「それです」
江口「だからこそのカラオケ回。歌うのに意味があるよって」
東山「だから界人くんいたのか」
茶渡「アニメ化決定した時、皆さんどう思われました?」
東山「ドラマCDがすごく面白かったから、アニメ化決定した時に『やっぱりそうなんだ』って」
早見「確かに。あっと言う間にアニメに足を進めたので、それくらい人気作品なのかなっていうプレッシャーもあったり」
東山「そうだね。会話がポンポンポンって」
江口「現場の熱量も高いですから。まあ、わたりんを中心にですけど。本当にOKが出るまで苦悩するんですよ、役者陣も」
東山「何テイクもね。だって、一期の時のアフレコって割りとてっぺん(深夜0時)近くまで」
江口「長かったですね。(佐倉に)『続』の時はあれでも巻いてるんですよ?」
小松「そうだった!」
佐倉「ええー?」
早見「一期は夜十時くらいまで」
小松「でも、男性陣そのあと呑みに行ってましたよね?」
茶渡「(笑)」
江口「呑みの席にはわたりんと茶渡さんはとりあえずいるから。あと近藤(葉山隼人役の近藤隆)さんとかね」
江口「そう、檜山さんが出番ある時は、毎回僕が『今日は行かないんスか?』って言うと『わかったよ、行くよ』って」
小松「嬉しそうに」
江口「面倒臭そうにしながら結局来てくれて」
茶渡「結局朝までいるっていう。檜山さん、次の日朝から仕事あるんだよ?」
江口「男子チーム、元気だったな」
茶渡「ここで少しずつですけれど、それぞれのキャラのシーンを見ていきたいと思います」
以下、それぞれのキャラの一期から『完』までのダイジェスト。
(途中登場の一色いろはは二期から)
陽乃のVTR。みんなで茶々を入れながら観賞。
中原「早口でね、台詞入れるのが大変で」
江口「いつもわたりんが感動してましたよ」
中原「でも一度も呑みにいけないまま、(世界が)こんな感じになっちゃったから、、、早く明けて、みんなと打ち上げいきたいね」
茶渡「一期から参加されてますけれど、陽乃の印象いかがですか?」
中原「本当つかみ所ないなって印象で、わからないままやってたと思います。
本当に彼女がわかったなって思ったのって、最後の最後かな。『完』の真ん中過ぎくらい。ずっと訊いていいのか、いけないのかわからなくて。『答え』を知ってから演じた方がいいのか、いけないのか。
それからお母さんと雪乃ちゃんとの間のバランス。一番怖いのはお母さんであって欲しいので」
江口「確かに最初の方は、雪ノ下姉妹本当に仲が良いのか悪いのか、好きなのか嫌いなのか曖昧にされてたから。最後の最後まで見ると、『こういう仲の良さってあるんだな』って」
中原「愛してるんだよね」
戸塚のVTR。みんなで茶々を入れながら観賞。
小松「私史上、一番可愛いキャラをいただきました。これでもかってくらい可愛さを意識したキャラクターは戸塚くんだけですね」
茶渡「女性キャラを差し置いて?」
江口「本当に?」
小松「可愛いを意識するキャラって本当に無いんですよ。どっちかと言えば気が強いとか、最近は年齢が上の役も増えてきてるんですけど。戸塚くんだけは可愛いを意識しようと思って、『完』はプレッシャーでした。可愛いは負けたくないですね」
いろはのVTR。みんなで茶々を入れながら観賞。
江口「やってんな、これは」
佐倉「やってますよ」
小松「何を!?」
佐倉「やってんすよ、これは。『あざとい』をやってます」
佐倉「色んなところで言ってるんですけど、一期からオーディションを受けて、全落ちして、結果この役に決まるっていう」
小松「そうなんだ?」
佐倉「折本(かおり)役もオーディション受けてるんですよ? 結果いろはすになって。資料にちゃんと『あざとい』って書いてあるんですよ。こんなに『あざとい』を全面に出した女子って。しかもエグくもあるじゃないですか。だからどこまでやっていいのかなって。やり過ぎると、、、『犬も食わない』みたいな(笑)。でも絵が可愛いから。顔がいいから。結構やってっても許されるんだなっていうのが『続』でわかって、そこから『完』の一番重要なシーンに臨むことが出来たので印象深いっていうか。『続』ではモノローグとかないじゃないですか」
江口「そうですね」
佐倉「何考えてんのか全然わかんない子で。そこから『完』のモノローグ読んだ時はたまらない気持ちになっちゃって。『この子、こんな「人間、人間シーン」だ』と思っちゃって。最初はそんな好きじゃなかったんですけど」
茶渡「ほう?」
佐倉「段々好きになって、最後まで見届けたら大好きになってしまって。男性的に見たらどうなんですか? ああいう『あざとさ』は」
茶渡「男性的に見たらコロっといくじゃないですか、我々は。江口さん?」
江口「回避無理でしょうね。しかも距離感がある中で冗談を言ってくれるっていう。その冗談も本当か嘘かわからない。バラエティに近い関係性を築いてくれる」
佐倉「芸人さんのラジオみたいな感じ」
江口「学生の頃にいたらヤバいでしょうね」
茶渡「ダメージ負ってるでしょうね、こっちが勘違いで二度と思い出したくないようなトラウマを」
佐倉「へえー。まあ、『都合の良い女』はいいですよね」
江口「言い方よ」
結衣のVTR。みんなで煩悶しながら観賞。
『完』プロムの楽屋の場面にて、
東山「ここで(八幡の)頬赤くなってくれてるのが嬉しい」
マンガ喫茶の場面にて、
東山「ここ優しい」
佐倉「でも残酷だよね」
東山「お兄ちゃん気質が出ちゃうんだよね」
VTR終わり。
江口「おーい」
茶渡「ヤバいね」
東山(涙ぐみ)「ヤバいですね。『完』は特に結衣が沢山涙を流して、アフレコ中、茶渡さんがマイクの前に座ってらっしゃるんですけど」
茶渡、何度も謝罪のポーズ。
東山「涙を堪えようとして鼻の気道が狭くなっちゃって、スンスン、スンスンうるさくしてるのが」
江口「めちゃくちゃうるさいんスよ、この人。『う、うう~』って嗚咽が録ってるすぐ横から聞こえるから、(ブースから)『今ちょっと本番中なんですけど』って」
茶渡「本当に申し訳ない。でもテストの時ね」
江口「『ちょっと出てます』って、本番出てったね」
東山「でも江口さんも早見さんも、本番『うう~(嗚咽)』って」
早見「呻いてたね、、、」
江口「呻いてた」
茶渡「『完』、二日前にも見直したんですけれど、結衣に何度泣かされた事か。恐ろしい」
東山「『恋愛』って一口に言えないというか。『奉仕部の三人で一緒にいたい』って気持ちが大きいし。『全部貰う』とか結衣は言ってましたけど、ゆきのんのお家に行った時に、写真見つけるシーン」
早見「はあ~(悶絶)」
東山「原作にも書いてあるんですけど、『可愛いなって思った』って。普通恋敵だったらモヤモヤしたり、マイナスな感情が働くところ、『可愛いな』って感想がまず出てくるのが結衣らしいなって思ったし、掛け替えのない関係性だなと思ったし、だからこそ凄く痛かった、、、」
江口「(唸る)う~~~~ん」
早見「(嘆息)あ~~~もう。(感染対策のアクリル)パネルを取りたいくらいです」
茶渡「抱きしめてあげたい」
パネルごしに手を叩き合う早見、東山。
東山「大好きだよー」
早見「大好きだよー」
江口「ソーシャルディスタンス」
茶渡「さあ、それでは雪乃のVTRを見てみましょう」
早見「はあ~。この流れで見ると、なんとも言えない気持ちになっちゃうな、、、」
雪乃のVTR。
雪乃が奉仕部の鍵を手にしている場面を見て、
江口「君の横顔に~♪」
早見「(『ダイヤモンドの純情』の)八幡バージョンだ!」
VTR終わり。
早見「凄い気持ちになっちゃいますね。今も映りましたけど、雪乃、一番最初の時って寄せ付けない、それこそ(アクリルパネルのように)こういうディスタンスが」
東山「時代を先取りしてましたね」
早見「それが段々面倒臭くなっていって、愛おしくなっていって、収録の帰りになんとも言えないモヤモヤした気持ちになってしまって」
江口「俺ガイルのキャラクターって、そのキャラクターにしかない愛らしさとか唯一無二感があるから。表面的なだけじゃない、、、なんていうんですかね? 素敵な部分が」
東山「生きてるって感じする」
江口「そう! 生きてたら色んな感情が」
茶渡「そうだよ。記号じゃないんだから」
江口「湧き上がるものだけど、血が通ってるなって凄い思いますもん」
茶渡「本当に、雪乃もそうだし結衣もそうだし、一期から『完』まで通して最初の印象が全然変わる。勿論、作中で成長してるからっていう面もあるんですけれど、それに驚かされたな」
江口「人生もそうですよね。普通に関わっている分には表の部分しか見えないけれど、付き合っていったらどんどん裏の顔が見えてきて、その人にしか感じられない部分が出てくる。それが『物語』というか。『ドラマ』してるなって」
最終回VTR。
「彼女がいる人好きになっちゃいけないなんて法律ありましたっけ?」
東山「いろはにしか出来ない慰め方だよね」
小松「こんなこと言うの許されていいキャラっているんだな」
東山「ヒロインの一人なのにね」
「がんばって」を見守るいろは・小町の場面を見て、
佐倉「ここの二人おんなじ顔してるんだよね。ここ、いいのよ。私ここ凄く推してんのよ、『いろこま』」
茶渡「改めて皆さん、最終回振り返っての感想いかがですか?」
江口「いやあ~~~、、、、、、、、、、、、グッときますね」
茶渡「うん、うん」
江口「年数もそうですし、こういう着地点も。最後に『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』って言えたっていうのも自分の中では感慨深いですし。早見さんも仰ってましたけど、本当に色んな感情を貰ったなっていう」
早見「うん」
江口「平塚(静)先生がね、『好き』だけじゃ語れない、色々な感情があって、それが『本物』なんだっていう、、、今まで我々を苦しめてきた『本物』っていう言葉? 『本物』ってなんだ?って思ってたけど! 一言じゃいえない事が本物なんだっていう『本物』探しの着地を見た気がして」
早見「そうですねー」
東山「平塚先生の一言一言が本当良くて。グチャグチャにして、全部ひっくるめて君が『スキ』だよのくだりもそうだし、陽乃さんが言った『共依存の呪い』を解いたのも平塚先生だったと思うし。「そんな一言でくくるなよ」みたいな。なんかね、、、原作にいっぱい付箋が貼ってあります」
江口「凄いですからね、奈央ちゃんの持って来た原作の付箋の量」
東山「渡先生からね、『ページ数以上に付箋が貼ってある』って」
茶渡「話は尽きないところでございますが、改めまして皆さん、ここまでの応援本当にありがとうございました」
出演者一同、観客に礼。
観客、拍手。
幕間。
関連情報告知コーナー。
ゲーム版『俺ガイル。完(諸々未定)』用OVA、一部先出し。
※配信には乗っていませんが、ここで結衣の「まあ、クズなんだよね」発言で会場拍手起こりました。
江口「奉仕部の小町、熱いっすね」
渡航「良い絵面だよ」
茶渡「内容的には、読んだことあるぞ? という方も」
渡航「その予感は大当たりです」
茶渡「それを見れちゃうという訳ですね」
※受注期間 ~1月31日(日)23:59まで.
茶渡「そしてもう一つ。最新情報です」
江口「来たあ」
茶渡「こちらです!」
スクリーンにタイトル。
『 新プロジェクト決定!
渡航「『完』を作ったからには、『結(けつ)』を作ろうと。『結』がどうなるのか、これはもう私の口からは申せません」
江口「意味深だなあー!」
茶渡「超気になるよー?」
渡航「皆さん、凄いもうモヤモヤしてね、、、? 考察しておいてください。『どういうことだろう』って」
江口「マジでどうなるの?」
渡航「どういった形でかはまだわからないんですけれども、皆さんの元へまた新しいプロジェクトをお届けする気で、私はここ最近ずっと不眠不休でございます」
江口「寝て」
茶渡「寝ろ」
渡航「楽しみにお待ちいただければと思います!」
えぐわたちゃど「よろしくお願いいたします」
ライブコーナー開始.
四曲目.雪ノ下雪乃(CV.早見沙織)『エブリデイ is パーフェクト』
九曲目.雪ノ下雪乃(CV.早見沙織)& 由比ヶ浜結衣(CV.東山奈央)
『Hello Alone』
十一曲目.雪ノ下雪乃(CV.早見沙織)& 由比ヶ浜結衣(CV.東山奈央)
『エブリデイ・ワールド』
ライブ演出の雪舞うステージ。
曲終えた昂揚とパネルから解放され、壇上でイチャつく早見、東山。
茶渡「あら。あらあらあら」
一同、ステージ再登場。
江口の全身に大量の『ぼっち』シールが貼られている。
江口「雪が、、、」
東山「雪も凄いけど江口さんも凄いんですけど!?」
早見「あれ!?」
江口「本当やめて貰っていいですか? 実はトークコーナー盛り上がっちゃって、『ぼっち王決定戦』っていうバラエティコーナー削ったんですよ。その為に作られた『ぼっち』シールが余っちゃったんですね? ええ。悪いのはみかこし・あやねるですね」
佐倉、キョトンとした表情。
江口「『余ってるなら貼っちゃおうぜ』って言って、この二人(渡航と茶渡)使って『そこ、そこ、そこ』って全身貼っていったんです」
東山「ポイントはどこになりますか?」
佐倉「まず横向いてもらっていいですか? パーカーとパンツの割り印として貼ったシールがお洒落。靴に貼ったシールもアシンメトリーでお洒落。そしてお尻に貼ったシールも、わたりんと茶渡さんそれぞれに貼ってもらって、一人ずつのお尻」
江口、全身シール貼られた状態で横を向き、靴を見せ、尻を見せる。
早見「ランウェイ」
佐倉「あと脇の下」
江口、脇を見せ、片手上げてポーズ。
茶渡「カッコイイ」
佐倉「あとパーカーに記されたキャラ名の八幡のところに貼ったシールと、フードの下に貼ったシール。それから、そのまま顔洗っても紐ダランってならないように紐もシールで留めて、、、」
江口「この尺要らないから! いいコーナー始まるんだからここから」
茶渡「俺、なんか言いづらいんだけど、仕切り直しますよ? 『俺ガイル』シリーズは一旦終了となりますので、今まで自分が演じてきたキャラクターへの思いを、皆さんに綴ってきていただきました。そしてその手紙を読み上げてもらったあと、『俺ガイル缶』に詰めて、渡先生の自宅に飾ってもらおうと思います」
とっ散らかった空気の中、ステージ中央に『俺ガイル缶』登場。
東山「俺ガイル完じゃなくて、俺ガイル缶なんだね?」
茶渡「それでは、まずは中原さんからお願いします」
中原「やりづらいわ!」
茶渡「本当にごめんなさい」
中原「雰囲気作ってみてもらえると嬉しいです」
会場にBGM。
『 陽乃さん
初めてあなたに出会ってから、そろそろ八年になりますね
はじめは、あなたが何を考えているのか全然理解できなくて、
絶対に友達になれないタイプの人だなって思ってました。
でも、長い年月あなたと向き合ってきて、
私の気持ちも徐々に変化してきました。
あなたは、とっても可愛い人。
大切な人にしか向けられない怖いくらいの愛情や、
他人には理解できない天邪鬼っぷり、
すべてが振り切っていて、見ていて気持ちがいいです、
器用に見えて、実は不器用なだけなんだって気付いた時、
そんなあなたが可愛くて仕方がないって感じている自分がいました。
今では、あなたと出会えたことに本当に感謝しています。
ありがとう。
あなたがこの先どんな人生を歩んでいくのか
とても楽しみです。 精一杯、幸せになってね。
また、人生のどこかの時間を
私と共有してくれる日が来ることを願っています。
またね 』
中原「まさかこんな流れで読むことになるとは」
江口「素敵」
早見「江口さん、その衣装で読むんですよ?」
江口「やだよー。時間巻き戻ってくれ」
早見「時を戻そう」
江口「時を戻そう」
『 彩ちゃんへ
改めまして彩ちゃん 小松未可子です。
実は俺ガイルのオーディションは
彩ちゃん以外にも受けていたんだよ?
そして彩ちゃんに決まって、結果を聞いた時は
スフィアさんのLIVEの休憩中だったんだけど、
トイレですっごい喜んだなぁ。
そしてスフィアさんのLIVE最高だったなぁ。
私史上最高に可愛い男子との出会いは、ここから始まった訳です。
彩ちゃんを担当するに当たって、どう演じようか悩んだ時
私の中学時代に実際にいた、めちゃカワ男子を思い出したんだ。
ぐっちょんって言うんだけどね。
それこそテニス部で、髪型も似ていて、華奢で、お肌の透明感凄くて、
トニカクカワイイところが本当にそっくり
ノートに猫みたいなゆるキャラの落書きしてくれるんだよ完璧かよ!
私の中の、彩ちゃんの可愛い像は、
そのぐっちょんからインスピレーションを受けています。
そのぐっちょんも、もう32歳。
Facebookで見たら、
めっちゃヒゲの生えた男前になって結婚してました人生って凄いね!
彩ちゃんがどんな大人になるのかとても楽しみ。
大人になっても、声変わり、あんまりしないでね。
またね、彩ちゃん 』
江口「ぐっちょん、見てるかなぁ」
早見「彩ちゃんもそうなるのかな」
『 親愛なる一色いろはさんへ
もはや一人のキャラクターとしてではなく、一人の人間として
あなたを受け止めてしまっている節があるかも知れません。
それくらい、俺ガイルという作品の解像度は高く、
沢山感受性を揺さぶられた作品でした。
周りからの見え方は違うかも知れないけれど
思考の本質は、あなたと私、少し似ている気がします。
演じていて共感することも多々ありました。
あなたの生き方だと、この先も悩んだり苦しんだりすることが
多いかも知れないけれど
これからもあざとく、気高く、進んでいってください。
あなたの人生の一部を担うことが出来て、とても幸せです。
大切な私の人生の一部になりました。
いつか、
(いろはの声になって)
『あなたが私の声で、まあまあ幸せでした』
って、飾らないあなたに言ってもらえる日が来たら、最高です。
これからも、たまに混じり合いながら、共に生きていきましょう。
八幡とか言う奴より良い男見つけような。
あなたの声帯 佐倉綾音より 』
佐倉、手紙を缶に入れながら江口を一瞥し、
佐倉「あの男より」
『 結衣
結衣と初めて出会った時、私はあなたの事が
大好きだなって思ったよ。
一緒にいると明るい気持ちになれて、応援してあげたくなる。
一生懸命なあなたがとても可愛くて、ただただ大好きでした。
そして、長い月日を共にして今私が思うのは、
結衣はとても凄い子だってことです。
よく頑張ったね。
いっぱい考えて、いっぱい涙を流してきた結衣を、
私は心から尊敬します。
これから色んな人に出会うだろうけれど、
ヒッキーは結衣にとって、いつまでもたった一人の人なんだと思います。
今は少し苦しいけれど、
それくらい『好き』ってだけじゃ言い表せない人に出会ってしまったんだよね。
でも、クッキーが上手く作れるようになったように、
結衣はこれからも、誰も知らないところでだって頑張るんだと思います。
そういう子はね、大丈夫だよ。
ちゃんと神様が見ていてくれると思います。
ヒッキーもゆきのんも、いろはちゃんも優美子たちも
みんな感じてくれています。
(少し涙をのんで)
あなたはとても愛されている。
大切な青春、大切な恋に一緒に向き合わせてくれてありがとう。
結衣。幸せにならなきゃだよ。
また『やっはろー』って言い合えますように。
奈央より 』
早見「なんかどんどん、どんどん降り積もっていきますね」
『 雪ノ下雪乃さんへ
こんにちは こうしてお手紙を書くのは、
記念日に家族に手紙を書くようでなんだか少し不思議な気持ちです。
雪乃さんと最初に出会ってから、もう十年の月日が経つのですね。
第一印象は、才色兼備、孤高の人。
でも知れば知るほど、面倒臭くって、最高に可愛くて
歓び、哀しみ、切なさ、悔しさ、いとおしさ
時には目を向けるのに勇気が要るようなものも含めて、
色んな感情の扉を、一緒に見つけていけた気がします
私の声が、声帯が、
雪乃さんの繊細で複雑な心をどれだけ形に出来たのか
私としては、まだまだもっと足りないと思うところもあったけれど、
それでも、あなたとシンクロ出来た一瞬一瞬は、
魂が震えるような気持ちだったし、かけがえのない宝物です。
ありがとう。 私の元には沢山の、あなたへの思いを語る、
俺ガイルファンのみんなからのメッセ-ジが届いています。
いつか、一緒に並んでそれを見られたらいいなぁと思います。
そして、どうやらこれからも、嬉しいことにまだまだ、
あなたと、俺ガイルと共にある日々は続くようです。
今後ともよろしくお願いします。
あなたが大好きよ。雪ノ下雪乃さん。
また明日 』
『 比企谷八幡へ
小寒の候、まだ来ぬ春が待ち遠しく感じられますが、
如何お過ごしでしょうか。
僕が俺ガイルに、八幡に出会って、もう十年。
十年弱。九年? 八、九年経ちました。
早いものです。時間が経つのってあっと言う間ですね。
僕は八幡を演じることで、良かったなと思うところと、
悪かったなと思うところがあります。
良かったところは、客観的に物事を捉える術を教えてもらったところ。
今でも人生に於いて、とても役だっています。
悪かったところは、客観的に物事を捉え過ぎて、
他人を信用しなくなったところ。
その結果、ぼっちが加速したところ。
ハッキリ言って、プラマイで言うと、マイナスです。
でも、だからこそ、大切なことに気づけました。
それは、そんなマイナス人間にも普通に接してくれる、
善い人たちが判るようになったところです。
僕に関わってくれる人は、みんないい人だ。
だから、そういう人たちを大切にしよう。そう思えました。
八幡は確かに面倒臭いし拗れているけれど、
自分の心の半径に入った人間を物凄く大切にする、
めちゃめちゃイイ奴です。
わたりん、そんなイイ奴に僕を選んでくれてありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
最後に
寒さ厳しい折、これからもご自愛ください。 』
茶渡「これで皆さんのお手紙が缶の中に入りました。渡先生、如何ですか?」
渡航「本当に、なんと言いますかね。こんなにキャストさんがキャラクターのことを愛してくれる作品は他に無いんじゃないかというか。ちょっとごめんなさい」
渡航、込み上げる。
茶渡「わかるよ。これはリハしてないからね」
渡航「あのー、、、(江口を見て)何て格好してるんだお前は」
佐倉「合ってましたけどね」
小松「『ぼっちが加速して』のあたりピッタリでした」
江口「確かに加速しとるわ、吃驚した」
渡航「本当に原作者冥利に尽きる、幸せな現場でした。この缶はですね、子孫代々、伝えていこうと思います、、、子孫が出来るかは別の話ですが、最悪自分の墓場にそのまま入れるつもりでおりますので」
茶渡「いいんだよ、それは。ではですね、そろそろお別れの時間が近づいてまいりましたが、ここでもう一曲、聴いていただきたいと思います。はやみん、奈央ちゃん、お願いできますか?」
コソコソ話していた早見、東山、すでに込み上げてる涙を拭きつつ、
早見「いや。今、渡先生の表情を見て一緒にね?」
東山「ね」
早見「色々思い出して」
東山「胸がいっぱいで」
早見「ですが、いきますか」
東山「いきましょう。万感の思いを込めて届けよう」
早見「じゃあ、歌わせていただきます」
茶渡「それではよろしくお願いします」
いつのまにかステージには早見、東山の二人きり。
早見「呼吸を整えないとなかなか」
東山「みんなの心の奥底に触れた。『本物』のね、気持ちを」
早見「グルグルしてる、今」
ステージ暗転。スポットライト。
早見、東山、向き合う。
早見「やっぱり『完』に於いてのこの曲は、一緒に歌いたいねっていうところで。じゃあタイトルを一緒に言って、始めましょうか」
東山「うん」
早見・東山「『ダイヤモンドの純度』」
十二曲目.雪ノ下雪乃(CV.早見沙織)& 由比ヶ浜結衣(CV.東山奈央)
『ダイヤモンドの純度』
全員、ステージ再登壇。
茶渡「本当に時間が経つのは早いですね。ついに時間が来てしまいました。
皆さん、『俺ガイルFes.-FINAL-』如何でしたか?」
会場、拍手。
登壇者一同、今までの応援へのお礼とメッセージ。
やなぎなぎ「今日、難しい状況の中、会場にいらした皆さん、そして配信でご覧頂いている皆さん、そしてキャストの皆さんと一緒に『俺ガイルFes.-FINAL-』を楽しめたこと、とっても光栄でございます。
『俺ガイル』は私の音楽活動の主軸と言っても過言ではないくらい、長くご一緒させていただいて。国内は勿論海外でも、俺ガイルの曲を歌い出すと『わあー』って歓声をもらって、とても嬉しいことが沢山ありました。
今日もすごく楽しいんですけど、原作者の方が歌うイベントってなんなんだろうって」
江口「(爆笑)」
会場、拍手。
渡航「な、なんなんでしょうね(笑)」
なぎ「それだけ生み出した作品を愛して、そして皆さんを巻き込んでいることも素晴らしいことだと思います。
作詞をさせていただく時、いつもリクエストをお訊きしていたんですけど、『やなぎなぎの思うままに』って言っていただいて、信頼していただいていることが嬉しくて。原作を読み込んで。俺ガイルから、自分の中には無かったインスピレーションを沢山頂きました。
アニメ完結だよって聞いて、歌詞書き終えたらもう終わっちゃうと思って寂しかったんですけど、『芽ぐみの雨』にも書いた通り、物語は一度生まれたら、目に見える形じゃなくてもどんどん成長したり、続いたりするものだと思いますので、『ユキトキ』『春擬き』『芽ぐみの雨』と共に、皆さんの中で物語がどんどん続いていったらなと思います。
本当に長い間関わらせていただいて、ありがとうございました」
中原「キャスト、原作者、スタッフ、お客さん、配信視聴者の皆さん、愛に包まれたイベントに参加出来たことが凄く幸せでした。
お家に帰るまでがイベントです。私たちも気をつけて帰るので、皆さんも気をつけて帰って下さい。今日は本当にありがとうございました」
小松「一番最初のイベント以来の参加だったんですけど、十年ずっと続いていた作品という訳ではなくて、時々みんな離れて、また一瞬再会して、会う度にみんなが強く、絆が強くなっているのはとても素敵な作品だなと思いました。
物語はどんどん複雑になってしまうけれど、そういう感情をみんなで共有、共感して、たまに『違うな』って思ったり、そういう色んな気持ちがあったからこそこうしてみんなが愛して、色んなものを見つけにここへ来てくれたのかなって思います。
私もこうして一つの、間違った青春を非常に楽しく過ごさせていただきました。
今後も彼らの人生は続いていきますので、何かまた、あるんでしょう。
『結』ですか。何の『結』かさっき我々話していたんですけど、二つくらい解釈あるんですけど、、、言いません」
佐倉「十年続くって、本当に選ばれた作品だけが成し得るものだったりするのかなって思ってしまいます。その間を学生時代駆け抜けた、場合によっては追い越した人、もしくは最初から追い越してる人もいるかなと思うんですけど。もしくは最初は小学生だったのが完結をもって八幡と肩を並べる人がいるんだなって。
私はあんまりのめりこみ過ぎると役者は危ないので、しないようにしようと思っているんですけど、「本当に実在してるかも」って。「この世界のどこかに彼女たちがいるのかも」って思うと本当にたまらない気持ちになるし、学生時代に『俺ガイル』に出会ってたら人生ダメになってただろうなって思うので。
でも本当に人生を動かされた人もいるくらい、心のある作品だったなと思います。
私は嬉しい『完結詐欺』だなって、『結』を思うようにして。
だって『結』だっていつ出るかわかりませんもんね?」
佐倉「千葉に来て歌われたりしてますけど、マジ仕事しろ。いろは的にはね。皆さんで完結詐欺に巻き込まれながら、楽しい日々を紡いでいきましょう」
東山「1コーナー飛ばしてもみんな気持ちを語りきれなくて。こういうご時世だったので作品が完結しても打ち上げが出来なかったりして。スタッフさんにお礼を言う機会もなかなかなかった中、こういう機会を頂けて、一緒に盛り上がることが出来て、本当に幸せだなって思いました。
舞台袖で『ユキトキ』を聴いて当時の気持ちを思い出したんですよ。
私、声優活動十周年って言って去年駆け抜けてきたんですけど、俺ガイルと私のキャリアはずっと共にあったと言っても過言ではなくて。
『ユキトキ』を聴いていた時はこれからどんな、笑って、笑って、笑って笑って、の作品との日々が続くのかなと思っていたら、『続』『完』と来て、随分遠くまで感情が来たなって思って。難しいお芝居が続いたんですけど。台詞以上に空気感みたいなものが俺ガイル世界にはあると思っていて、それを演じることが出来るのは役者冥利に尽きるなって思いました。
色んな最終回がありましたけど、みんなで盛り上がったり、泣いたり、色んな現場があるんですけど、最終回終わって、(早見)さおさんと固く握手をして、そういう風に終わる作品って俺ガイルだけだったんで、それが全てだなって。
これからも人生の宝物にしていただけたら嬉しいなって思います。
また『やっはろー』って言い合いましょう。ありがとうございました」
早見「十年っていう長さを雪ノ下雪乃さんと歩いてこれて、本当に幸せな気持ちです。『俺ガイル』のラジオをやっていると、メールを送ってくれるリスナーさんが本当に様々な世代の人、そして皆さんの十年の移り変わりを感じるなと思っていて。
そして世界全体も、まさか、あの時はこんな風になるなんて誰も予想していなかったし、どんどん時代は移り変わっていって、私たち自身も変わるところ、変わらないところ、いっぱいあると思うんですけど、それでも『俺ガイル』の中には本物があるなと私は思っていて。
確かに人間不信になることもある、自分の見たくないものを見せられることもある作品なんですけど、だけどもう一回、、、もう一回だけ、誰かを、人を、信じてみようかなって思える、そういう作品だと思うので」
早見、涙堪え、
早見「あれ? こんな感じになるつもりでは無かったんですけど。これからも、皆さんが帰ってきたい、本物に出会いたいって思った時に、この作品に帰って来て下さい。また続きでお会いしましょう」
江口「渡航先生と僕同い年で、今まで見てきたものも同じで、近くで物を作ってる姿をずっと見てきたんですけど、物凄く愛があるんですよ、作品に」
江口、涙堪え、
江口「これだけ愛を以て作品を書いてくれて、やなぎさんも曲を作ってくれて、アニメーターさんが描いてくれて、役者陣がぶつかり合えて、皆さんが応援してくれて、嬉しかったです。すいません、まとまりません。ありがとうございました」
渡航「俺ガイルFes.これが最後ということで、、、これで私も、普通の男の子に戻れます」
渡航、涙堪え、
渡航「誰一人欠けても、こういう結果にはならなかったと思うので。演者さんも、スタッフさんも、そして皆さんも、君がいるから俺ガイル、という。その感謝の一念だけでございます。本当にありがとうございました」
茶渡も若干涙堪え。
ここで渡航にサプライズの花束とアクリルプレート贈呈。
渡航「ああ。こういう時に上手くリアクション取れない」
東山「本当に、宝物を生み出してくれてありがとうございました。お体、大切に。『結』待ってます」
渡航から逆サプライズ。メインキャストへの手紙。
渡航、メインキャスト三名、司会の茶渡も? ずっと涙腺緩んでいる状態。
『 東山奈央様
今から十年ほど前 2011年の事です。
最初にあなたの声を聴いた瞬間、手元の赤ペンで大きく丸を書いています。
印象的だったのは、声音ににじむ明るい笑顔でした。
このお手紙をしたためるにあたって過去のデータから発掘したオーディション当時の自分のメモ書きには、
『一番イメージに近いかな。アホっぽくて嫌いじゃないぜ。しっとりもいける感が。前向き感、好きだなぁ』
と、あります。どこの誰?って感じのコメントなのですが、個人的なメモなので。
声とお芝居から受ける第一印象は明るく天真爛漫、けれどしっとりと思慮深く、下を向いてもまた前向きに歩き出す、そんな感じでした。
実際にお会いして、そのイメージはますます強まっていった気がします。恐らく誰よりも一番多く質問をしに来た方なのではないでしょうか。
アフレコが始まる前や休憩時間終わった後、いつもまっすぐな視線でそのまま倒れ込みそうなほど前のめりにお話するあなたはとても眩しく、また恐ろしい存在でした。質問されるたびに私は思いました。
、、、もっと苦しめ、もっと悩め、もっと曇れと。
もっと上手く僕がお伝え出来れば良かったのですが、足りないピースをいつもあなたが埋めてくれました。あなたほどひたむきにキャラクターと向かい合う人を他に見たことがない。なんなら怖い。
でもですね、
あなたの苦悩が由比ヶ浜結衣という少女を少しずつ大人にしていき、一緒に流してくれた涙が暗い影を落とし、だからこそ輝くような青春を照らし出したのだと思います。
あなたが悩んで苦しんでくれたから結衣が存在しています。
本当にありがとうございます。
由比ヶ浜結衣という女の子をあなたに演じていただいて本当に良かった。あなたに託して本当に良かった。あなたを選んだ人は本当に天才だと思います。
収録で私を泣かせた役者はあなた唯一人です。十年近くに渡り、本当にお疲れ様でした。
またいつか、『やっはろー』と元気な声が聴けることを願って 』
『 早見沙織様
かれこれ十年近くお仕事ご一緒させて頂く中、あなたには未だに驚かされ続けています。
オーディションでこれ以上ないと確信したにも関わらず、1シーンごと、1テイクごとにその確信を更新していくあなたに、私は恐怖していました。
オーディション当時の私の個人的なメモには、
『バカウマじゃないですか。優しさをちゃんと出してくれそうなのがいいな。あの文章でちゃんと印象を摑んでる』
率直な感想だった思います。驚きと納得、それ以上に恐怖が滲んでいます。
オーディション用の台本や資料は限られた状態です。キャラクターの裏も、先もわからない状況です。なんなら俺もわかってなかった。
だというのにその芝居を聴いた時、私の中にしか存在していなかった筈の雪乃像を読み解かれた。端的に換言すれば、このままではキャラクターが負けると思いました。記号的なキャラクター、単純な表現では太刀打ちできないと。その時、私の覚悟が決まったような気がします。
雪乃へのリテイクは独特の緊張感があります。
だって合ってるんだもん! 正解なんだもん、百点なんだもんと、そう思いながらもリテイクを出したくなる。あなたが七兆点を出す人だと知っているからです。
朗らかな微笑みを浮かべながらも台本に視線を落とし、つぶさに文字を拾っていく姿に、私はいつも期待を寄せずにいられませんでした。第三期にいたっても尚、たった一言で鳥肌が立つ。その瞬間のなんという幸福なことか。
あなたがいなければ、雪乃はあんなに素敵な女の子にならなかった。
引き出したものを更に越えてくれるという、絶対の信頼がありました。
雪ノ下雪乃の多くの魅力をあなたが引き出してくれました。
きっと十年先も二十年先も何十年先も、私はあなたの芝居に驚かされ続けると思います。雪ノ下雪乃を生み出してくれてありがとうございました。
また、冷たくも愛らしい芝居でもって、柔らかに罵倒していただける日を、心待ちにしています。 』
『 江口拓也くんへ
特にないです。
、、、改まって何かを伝えるのはどうにも照れくさく、ちゃんと言おうととするととんでもなく長くなってしまいそうです。
思えば君との距離感は、いつもそんな感じだった気がします。
遊び場でも居酒屋でも家でも、どこかに遊びに行っても。
最初の頃はもっと距離を詰めていったほうがいいのかと思っていましたが、いつしかあなたとはヌルっとした時間を過ごすようになっていました。そうした空気は気付けば仕事場でも感じるようになった気がします。
それは江口拓也が座長として、この現場で作り上げてきてくれたものなのでしょう。君が現場の中心から60センチほど外れた場所で、まとめるでもなくまとめてきた雰囲気。それが十年たった今でも変わらず存在してくれていることが、私はとても嬉しい。時間が空いてもヌルッと『完』の収録が始まることが出来たのは、君のスタンスが変わらなかったからだと思います。
正直に告白すれば、八幡役のキャスティングは本当に悩みました。
江口か? 違うか いや江口か? そんな自問自答をしていました。
アフレコが始まってからは江口拓也の芝居に悩むことになります。
君は「いや、そうはならんやろ」、そんな芝居も平気でも持ってくる。「ちょっと変えて」というだけで何もかもを変えてきたりする。かと思えば一発でドンピシャの芝居を持ってくる。ドンピシャ過ぎて逆にテストの時の方がいい。なのに、聞こえないんじゃないかというくらい情けない声がハマった時は、泣きそうになる。
一緒にやっていてこんなに楽しい役者もそうそういない。
君が沢山間違えてくれたから、私はこの作品の正解を導き出すことが出来たのだと思います。
格好悪い芝居が、こんなに格好良い役者は他にいない。
本当に、俺ガイルを、八幡を、一緒に作れて良かった。
これからも座長として、まだまだ情けなくて格好悪いところを、沢山見せてください。 』
茶渡「それでは皆さん、本日は誠に」
一同「ありがとうございました!」
一同、観客に向けて礼。お辞儀をして、去って行く。
紙吹雪と雪の跡。
結。#oregairu #俺ガイルfes pic.twitter.com/MlqslOeOvG
— 鈴木ピク (@pumpkin_crack) 2021年1月17日
『俺ガイルFes.-FINAL-』閉演.