残り火の再燃 ー 『リバコメ!! × 少女☆歌劇レヴュースタァライト』感想

 

2023.3月21日(火・祝日) 川崎市高津市民会館ノクティホールにて。

『リバコメ!! × 少女☆歌劇レヴュースタァライト』昼・夜参加して参りました。

 

※昼の部/夜の部の記憶ごっちゃになっております

 

 

 駅前デパート上って「えー、ここ?」となる感覚、『リクエストによろしく』を上演した北千住1010シアターを思い出したとの呟きを見て激しく同意。

 

 

 どういうイベントなのか想像もつかずそわそわしていたところ、大画面にドーンと現れるリバくまくん、リバくまさん? 「Vチューベア」としてざっくばらんにリラックスした空気で仕切ってくださっておりました。

 アニメ流してる時以外画面にでかでか映ってるので、リバくまホストの番組にゲストが登壇しているといった雰囲気*1

 そして(実は新調した)聖翔の制服姿で! 佐藤日向さん・小泉萌香さん登壇。

 舞台#4終わってからもアミュボフェス2023で二人がStar Divineを披露されて感情が迷子になりましたが、今回もここで「!?」と奇妙な現実の亀裂が生じておりました。

 ばななは地毛のツインテで新鮮。

 

 お三方の軽快なトークで話は進み、いやリバくまの進行うまっ、と、どういう形態のイベントかもわかっていなかったので、恐らく同様だった他のお客さんと共に会場が温まっていく感覚が楽しかったです。

 

・しきりに「声出し解禁」を推してくる公式に対して、

ひ「皆さん思い出してください、コロナ以前のこういうイベントを、、、声なんて出しました?

 

・客の歓声が少ないので出て来てくれないもえぴへの声出し。

「もえぴ~」ってみんなで全力で叫べて楽しかった。

 ぴは声出し満喫しようと何度か呼びかけてくれて、それに応える会場の一体感も良かったですね。こう、一部のオタクだけ声デカいみたいな感じではなく。

 

 そして本編上映生コメンタリー。

 昼・夜共に後方席だったのはお前ほんまなんなん……と今年ひたすら遠くからもえぴを見てる事への怨み節でいっぱいではありますが、お二人がステージ上手席から斜めに向いて座っている事で、昼も夜も下手後方席としてはずっと「向き合ってる」ような状態となり、これはこれで*2

 

 まず流すのはリバコメのお決まりだという第一話『舞台少女』と、リクエスト第三位にあたる第二話『運命の舞台』。

 一話と二話と続けて流すこと(いや、「話数が続けて流れること」かな)自体がリバコメでは初めてだったとか。

 コメンタリー自体は、ひたすら佐藤さんが画面見て突っ込み入れていくという形式で、内容はあまりありませんでしたがw 意味深なばななの台詞や表情にもえぴ自身が茶々入れていくところ含め、全体に「オタクがよくやるやつ」をご本人たちがやっていく面白さがありました。

 純那の敗北に悔しさを覚えつつ「だから……なんだよ」と叱咤の声をかける佐藤さん。「なりたい」じゃだめ、「なる」と言い切った華恋が勝つとの言葉に小泉さんも深く首肯。

 第一話冒頭で「トマト破裂しないで良かった(ぴ)」や「感謝感謝、感謝ですよー(ぴ)*3」など、劇場版のミームがどれも本人たちの中でも定着してるのも嬉しかったですね。劇スって明らかにキャストよりファンの圧倒的大多数の方がより多く鑑賞しているというねじれた作品なので、キャストにもちゃんと愛されているという再確認が出来ました。

 

 何より、「舞台少女と一緒にアニメの始まりを見れる」という体験が、実際にはアニメ開始から三年遅れてスタァライトのファンになった身としては感慨深く。

 「一見、何も追いつけないように思えても、色々と少しずつ回収できる」という事はあるんだ、という事実を方々で噛みしめているこの一年です。

 

 本人たちも思い入れたっぷりの様子で、もえぴの「これ全話やりたい」発言に激しく首肯。

 

 面白かったけどこういう感じかーと思っていたら、ここからが長かった。

 Q&Aのコーナー、結構色々質問が用意されて、またリバくまも聞き上手なので、収録当時の話、そして二人が純那・ななとどう向き合ってるかといった話などなど心地良くほいほい引き出される。

 ・声優経験の無いチームは最初の収録の前にリハーサルで仮の収録を行い、「こういう芝居がこういう風にアニメに乗るんだ」と仮の完成品をまず見て、その感覚をフィードバックして改めて本番に挑めたという話

 ・大場ななの役作りにおいて、あの見た目なら高い声だろうと感じた小泉さん自身のディレクションが採用されている話

 ・どんな武器を使いたいか?

ひ「弓はやだ。本当に大変なんです、(殺陣指導の)いっちーさんが、ずーっと、純那が十本の矢を広げて持つ構えを舞台で再現しようとしてくるが、イヤだとあらがい続けている。一本でも大変なんだから 素手がいい!」

リバくま「武器の中を素手で?」

ひ「じゃ、盾を持って、横殴りに相手の横腹をドバァ! --あ、じゃあもう片方の手にはハサミを持って、これで上掛けの留め具を素早くシャキン! 斬る場所間違えたら劇場版の血ブシャアー!」

ぴ「私は、ともかく一本がいい! 二本刀持つのもうやだ! 大変! 普通がいいんです、華恋とか真矢様が持ってるような普通の武器。ひかりのは短くて踏み込むのちょっと大変そう」

 

 そして本編映像を再び流し、その後同じ場面を再現する生アフレココーナー。

 事前告知なかったこのコーナーこそむしろハイライトでは。特に小泉さんのように当時アフレコ初体験だった人が5年経って改めてアフレコに挑むのは、その「差異」が圧倒的に光る訳で。

 二人ともとにかく端的に情感を込めるニュアンスが圧倒的に上手くなっており、同時にその差異が当時の初々しさを「届かないキラめき」に留めて、こちらも再演を望むばななになってしまう。

 リバくまにその差異を絶賛された後のぴの「(当時と)『音』が違ったかな」発言面白かったですね。この日、「台詞」の話してても「音」と表現している時が目立ち、彼女が言葉をどう捉えているのか伝わって来ました。

 

 そして夜の部。

(どうでもいいのですがこういうイベントの時、昼夜間で軽く食事しようかなー、間にメモ書こうかなー、持ち込んだ作業しようかなーと迷ってる間に終わってしまいます。)

 

 昼の部と同じ進行でいくことを踏まえた笑いで進行し、通しの客をダレさせないリバくま、どこまでも達者。何者なの。

 

 

 コメンタリーは、リクエスト第二位:第七話『大場なな』 

         リクエスト第一位:第九話『星祭りの夜に』

 

 昼の部のようにまた総ツッコミ合戦でいくのかと思ったのですが、99期生の同期たちがリタイアしていく様に思わず静かに見入ってしまうところ始め、二人が「今見て改めて感じる感慨」に浸って沈黙する場面が何度もあり、「一緒にアニメ見てる……」という実感がパなかったです。

 昼の部から『星のダイアローグ』に合わせて左右に揺れる二人が可愛かったのですが(自然とそうなっちゃう感じ)、第7話の『Fly Me To the Star』インストには「歌ってくれ~(ぴ)」とはしゃぎながらも、第9話では聞き入り、見入り、小声でハミングしたり、横揺れしたり。

 遅まきながらスタァライトに触れた民として絶対にリアルタイムのキャストの空気は味わえない訳ですが、それでもこうして本編で大好きな「Fly Me To the Sterの余韻」という要素を純那、ななと共に浸り味わえたこと、かけがえない時間でした。

 スクリーンに流れるめばち絵とそのサイドで聖翔制服で揺れる二人。その光景を必死に目に焼き付けていました。

 

 面白かったハイライト。

 

・昨夜の『くままま』で今が令和4年だと思ってたはるちゃんに続き、今が令和6年だと思ってた日向にぴと会場爆笑。「みんな『くままま』も見てるんだー」っていうのも嬉しかった。

・お便り読まれた男性が「今日はスタァライトを観るきっかけになった好きな人と来れてるかも」で文面〆ていて、二人が探すと中央前列に彼女と来ている。

 会場大いに沸くが、ここで彼氏が黄色のペンラを振ってはしゃぎ、

ひ「ああ、萌香ちゃんのファンなんだ~」

ぴ「日向のも振って!」

 隣りの彼女がすぐペンラを緑に、

ひ「はるちゃんの色!」

ぴ「青も振って~」

ひ「ああ、𝒉𝒂𝒓𝕞𝕠𝕖のファンなんだ~」

 

・ひ「本日はね、最前と言いつつ前方端の人が見えづらいという。ステラボールかな? というステージで見えなかった人ごめんなさい」

 ぴ、ここで死角だったお客さんに向けて制服でカーテシ-。

 

・ぴ「あのクマ、喋り過ぎだよね……」

 

・(眞井登場で)ひ「あーっ、怖いなーっ」

 

・(キャラと同じ学校にいたら?みたいな質問に)

ひ「普通の人が100やるところを私は300やらなくては届かないと思って努力するところ、純那ととても似てると思う。だから、そばにいたら絶対仲良くならない。近親憎悪」

ぴ「ななちゃんを尊敬してるので頼りにしちゃう。お菓子作るのもななちゃんの真似」

 

・中学時代にななが孤立していく場面で、ぴ「氷雨え~~~

 

 などなど。アフレコの繊細さも昼の部から更に増して、あの頃の記憶や芝居の数々を追想する中で、もえぴが「『スタァライト』、まだいけるな……」と実感を持って声に出していた様に胸熱。

 

 少し話戻って、劇スオケコンで『舞台少女心得 幕間』が流れるくだりで、聖翔OBたちの写真がスクリーンに映る時、あたかもそこに「すべての私たち」が映り込んでいるかのような、現実が引き延ばされたエモを催すのですが、それと同様に。

 スクリーンで見る第九話の、あの豊かな寂しさ。何故、ななが再演にこだわるのか、校内の点描で映される名もなき舞台少女たちの姿によってひしと伝わってきて(脳内では、めばち先生のイラストで描かれた名も無き少女たちの記憶になっている)、

 登壇されているお二人もジッ、、、と見入っていて、それはたぶん「ここからいなくなった人」「かつてみんながいた空気」にも思いを馳せているのかなと推測され、得も言われぬエモで息を呑みました。

 

 前方で見てたフォロワーさんによると7話冒頭と9話ED、もえぴ涙ぐんでたそう。

 涙まではわかりませんでしたが、ずっと対角線上の視界でそんな地毛ツインテばななぴを見守ること出来て、幸福なひと時でした。

 

 流石に見返したばかりなのでしませんが、今後一話、二話、七話、九話を見返す時に、不意にこの日の二人のリアクションを思い出せたりしたら、、、いいなぁ。

 

 先月末に終わりの空気を見せていたスタァライトが、分けてもキャストさんの中でその残り火を再燃させていく、その過程をじかに目撃出来たという、実は事前にはほぼ期待値も何もなく「?」の気持ちで軽々しく臨んだイベントだっただけに、その収穫のあまりの大きさにホクホクしておりました。

 

 リバコメ×スタァライト、キャストの組み合わせも様々に変えつつ、まだまだ可能性があるのではないでしょうか。

 というかスタァライトのみならずとも、リバコメ自体に可能性が沢山。

*1:今までVチューバ-のイベントに現地参加する意味とかよくわかってなかったのですが、リバくまさん見てるとそれも面白いかもなとなり

*2:そろそろもう少しお顔の表情見たいな、、、もうずっと見てないな、、、という事で舞台トワツガイはP席ゲットです

*3:これはくまままでだっけ