アニメ映画の採点 その2

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「映画の採点」第7弾、「アニメ映画の採点」としては第2弾となります.

前回こちら.

 

pikusuzuki.hatenablog.com

 

10年分の見逃しアニメ映画を落ち穂拾いしようと始めて、流石に前回と合わせて40本も見ればそれなりにフォロー出来るだろうと思ったのですが、まだまだ終わりそうになく.

採点はアニメ映画内での相対的なものなので、若干甘め.甘めと言いつつ今回平均点低いのですが、つまりは長年スルーしてきた作品群で、あまり積極的に見たかった訳ではないタイトルが多いのでイコール日本のアニメ映画が凄く駄目、ということでもないのです.と思いたい.

 

『劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』

【採点】B

【監督】大森貴弘・伊藤秀樹

【制作国/年】日本/2018年

【概要】緑川ゆき原作、人気アニメシリーズ『夏目友人帳』初の劇場版。夏目の心中に様々なものが去来していた.嘘をつかれたまま別れた友人との再会、レイコを知る妖怪、レイコを知る人間との出会い.そんな中、タキが記憶を失い、ニャンコ先生が3つに分裂する奇事が発生.夏目はことの正体を探ろうとするが…

【感想】

 シリーズを総括しつつ夏目、レイコそれぞれの人生に触れつつ、(的場一門除く)オールスター映画にしつつと、いつもの『夏目』を一廻り大きな円(縁)で包んで改めて描きだす丁寧な劇場版.複雑に絡まってるように見えた筋が気付けばスッキリしている村井さだゆき脚本が光るけれど、もっと暴れてくれても良かったような.原作が持つ「妖が出現した時のゾワッとくる感じ」をアニメでも味わってみたいなぁと100回くらい言ってる.

 

『劇場版 はいからさんが通る 後編~花の東京大ロマン~』

【採点】

【監督】城所聖明

【制作国/年】日本/2018年

【概要】伊集院少尉の生存を諦めきれない紅緒は、正体が元日本兵だと噂の馬賊を確かめに満州へ向かう.しかしその正体は伊集院の戦友・鬼島だった.日本に引き返した紅緒は、次第に出版社の上司で女嫌いの青江冬星と惹かれ合う.そんな折、伊集院にそっくりな男がロシアからの亡命貴族として日本にいることが判明し…

【感想】

 前作から監督が交代、脚色は引き続き古橋監督.一作目が明らかに尺に合わない詰め込みっぷりで、だからこそ異常なほどメリハリのある(あり過ぎる)アニメの楽しさでつっきるピーキーな面白さがあったものを、今回は割りと話そのものはすんなり飲み込める一方、「ただあらすじを眺めている」といった地味さが否めず.何より紅緒の「はいからさん」といった響きに相応しい快活さが、冒頭の満州を最後にあまり感じられなかったのが物足りない.

 

『パンドラとアクビ』

【採点】

【監督】曽我準

【制作国/年】日本/2019年

【概要】『モンスターストライク』に登場するパンドラと、『ハクション大魔王』に登場するアクビが共演する特別篇二本.保安官と盗賊団がいる西部劇の街、精霊と怪獣の噂がある街、2つの街をパンドラとアクビが旅していく.

【感想】

 タイトルを飾るにしては知名度怪しくないかというキャラたちだけど、タツノコプロのもっと有名なキャラたちが本編には沢山混ざっている.スタジオは違えど、クレジットされる見覚えある会社名からしてTRIGGERの一連の「懐かしいタッチ」のアニメのあのラインで作られてるんだと思う.丸くて柔らかくて愛らしいキャラがよく動くが、あまりにこの世界、この物語へのとっかかりがなく、「アニメらしいアニメをやってる俺たち」というスタッフの自意識以外に感じ取れるものがない.

 

『えいがのおそ松さん

【採点】C

【監督】藤田陽一

【制作国/年】日本/2019年

【概要】同窓会に呼ばれたおそ松さん達.二十歳越えて職歴ゼロでニートかつ童貞、実家暮らし.その事実がバレた途端同級生たちにバカにされ、悔しさから荒れる6人だったが、翌朝目ざめると高校時代の自分たちがいる「思い出の世界」に飛んでしまう.誰かの未練によってここにいるとしたら、それは一体誰の…?

【感想】

 意欲作であることは間違いないのだけど、面白いかというと非常に微妙で、まず冒頭のおそ松さんたちが見下されるターンの時点ですでに「これいくつの設定?」「他の同窓生みんな成功者なの?」「属性いじりやり過ぎてて同窓生よりスタッフの見識の方が怪しく感じて乗りきれない」といった欠点が続出.例えばトト子を「謙遜しない美人」として描くのにブスをバカにするって、実はトト子のことも描けてない、ということに気付いているのかなとか.

 あとオチも、感動の為にそういうキャラの消費をするのは個人的に物語倫理が雑過ぎると思う.いくらでも濁しようはあったし、あと濁せてたとしても「もっとアナーキーなアニメだと聴いてましたが、普通ですね」となってしまう.

 それでも「アニメという偶像とファンの関係性」を描いた特殊な作品として作られた意義はある.

 

『劇場版 艦これ』

【採点】C

【監督】草川啓造

【制作国/年】日本/2016年

【概要】深海凄艦との戦いを繰り返す艦娘の吹雪たち.その最中、敵地で「謎の声」を聴くようになり、かつて沈んだ筈の仲間・如月が生還する.姉妹艦の睦月は喜ぶが、加賀は自分たちが繰り返してきた戦いの仕組みに気付いてしまう.そして吹雪はこの終わりなきサイクルの中心に、「自分」がいることを突き止め…?

【感想】

 話なんか作りようのないゲームを物語に仕立てる為、まずゲーム的な「設定」があり、その設定に気付いてしまうことでメタ的にキャラたちが絶望し戸惑うという話作りが面白い.それ以上突っ込むと原作の全否定になってしまうのでその手前で切り上げるのが物凄く消化不良ではある.想像以上に作画アニメで、手描きの爆炎の迫力に気持ちが上がる.話としては『アルペジオ』より断トツ空虚だが、アニメとして好みなのはこっち.

 

『劇場版Infini-T Force / ガッチャマン さらば友よ』

【採点】D

【監督】松本淳

【制作国/年】日本/2018年

【概要】タツノコプロ70年代作品『科学忍者隊ガッチャマン』『新造人間キャシャーン』『破裏拳ポリマー』『宇宙の騎士テッカマン』が揃ったタツノコアベンジャーズとして制作されたTVシリーズの劇場版.ガッチャマン生みの親南部博士、ガッチャマンNo.2の男「コンドルのジョー」を相手に、ガッチャマンたちは己の正義を追求する戦いに挑む.

【感想】

 『ガッチャマンクラウズ』との双子的存在であるというTVシリーズは気になるも未見(スタッフも異なる).とにかく和製CGアニメが苦手ですという身も蓋も無さを正直に告白した上で、アニメ見る時にある「作画が動くのを見る愉しさ」が得られない上に、せっかくヒーロー大集結の話なのに全然ユーモアが感じられずつまらないありふれたキャラが揃った以上の感慨はなく、また予算の都合か背景が限られているので印象が固い.話も頭に入ってこなかった.

 

『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME

【採点】

【監督】多田俊介

【制作国/年】日本/2017年

【概要】『黒子のバスケ』後日談番外編『EXTRA GAME』をアニメ化した作品.アメリカから極悪ストリートバスケチーム・ジャバウォックが来日する.その日本人への民族差別的な発言、挑発は度を超している.これを迎え撃つため、相田監督はキセキの世代に火神たちを加えた即席チームVORPAL SWORDSを結成.日米決戦が始まる.

【感想】

 民族差別的な台詞を雑に描いた他国のキャラに雑に吐かせるという民族差別に対してあまりに無防備で呆気に取られる.バスケシーンもTV版(2期だけ見ました)の方が迫力あって面白い.あと、このラストにするならもっと黒子と火神を前面に出した話作りが必要だったのでは.赤司と敵リーダーの「未来視合戦」というトンデモネタを視覚的に面白く工夫出来てない辺りが全て.

 

『劇場版 七つの大罪 天空の囚われ人』

【採点】D

【監督】阿部記之西片康人

【制作国/年】日本/2018年

【概要】国王の誕生日を祝うため幻の食材・天空魚を探しにきた七つの大罪.しかしメリオダスは誤解によって空を飛ぶ島「天空宮」に囚われてしまう.その頃、七つの大罪の前にはメリオダスそっくりな少年ソラーダが迷い込む.誤解が誤解を生む中、天空宮の禁忌の封印を解こうと「黒の六騎士」なる集団が暴れ出す.

【感想】

 王道少年漫画をストーリーテリングの巧みさで魅せていくタイトル、という印象だった『七つの大罪』、流石に映画では尺が足らず凡庸な話しか出来ず、決して満足はいかなかったヒロアカ劇場一作目に比べても作画的な見せ場はなく(平均すれば本作の方が丁寧だと思うけど)、A-1のアニメとしてもFGOのCM30秒に劣ってしまう.せめて話の独自性で勝負して欲しかった.何も悪くないけど、何も面白くない作品。

 

傷物語 Ⅱ 熱血篇』

【採点】B

【監督】尾石達也新房昭之

【制作国/年】日本/2016年

【概要】奪われた吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの体のパーツを取り戻す為、暦は三人のヴァンパイアハンタードラマトゥルギー、エピソード、ギロチンカッターと戦う事になる.しかしその決戦の場には悉く羽川翼が居合せ…?

【感想】

  シャフトの持続性をブッタ斬っていく演出は大変苦手なのだけれど、『傷』は作り込んだ舞台美術を活かすので空間が断絶しない.それだけで大分見易い上、今回は計三回もバトルシーンが挟まれるので楽しめた(もっと見たかったけど).話はお飾りに過ぎずお飾りの映像を全面に出してくる人を喰った作りで、羽川との会話シーンとかは正直しんどかったけれど、映画館で観たらなかなか没入出来たのではないかと思う.

 

傷物語 Ⅲ 冷血篇』

【採点】

【監督】尾石達也新房昭之

【制作国/年】日本・2017年

【概要】かくしてドラマトゥルギー、エピソード、ギロチンカッターを迎え撃った暦.無事に満足な五体を取り戻したキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと束の間の平和な時を過ごすが、「吸血鬼を助けた」、自分がしたことの真の意味を突きつけられる.

【感想】

  奇しくも、「日本の独りよがりのオリンピック」という時代を先読みしたような虚しい映像万博が展開するクライマックス.恐らく原作にそんな匂いはゼロなんじゃないかと思うが、尾石達也の映像遊びが偶然にも意味を帯びてしまった面白さ.おっぱい云々のくだりが相変わらず気持ち悪くてドン引きするも、人体破壊ショーバトルで取り返した.

 

『バジャのスタジオ~バジャのみた海~』

【採点】B

【監督】三好一郎

【制作国/年】日本/2020年

【概要】京都アニメーション自主制作アニメ『バジャのスタジオ』第二弾.アニメ会社「KOHATAスタジオ」で暮らしているバジャ、アヒルのオモチャのガーちゃん、アニメヒロインのココ、意地悪なギー.ここで働くカナコ監督たちスタッフに見つからないよう密かに遊んだりバトったりする一同だったが、ある日バジャはカナコが「海に行きたい」と嘆いているのを耳にする.

【感想】

 前作がちょっとアニメスタジオ賛美の自作自演的な空気だった一方、二作目にしてだいぶ複雑なメタ構造の話になってるのを可愛いアニメーションでうまいこと誤魔化されている.京アニのスケジュールにもそれなりの闇はあるが『SHIROBAKO』ほどめちゃくちゃな状況にまでは陥っていなさそう、という塩梅がリアル.

 まずバジャ(マスコット)、ガーちゃん(リアルおもちゃ)、ココとギー(アニメキャラ)と、存在する位相がバラバラなので『トイ・ストーリー』とは似て超非なる.

 正直前作は若干「誰に向けて作ってるんだろう」と首を捻ってしまったのだけど、二作目は面白かったです.

 脚本がクレジットされてないのがとても気になるけれど、三好監督の照れ隠しなのだろうか.

 

『MUNTO』

【採点】

【監督】木上益治(三好一郎)

【制作国/年】日本/2003年

【概要】天空に浮かぶ浮島たちの世界.地上で生きる現代人には心の力「アクト」が無い為に視認出来ないが、浮島でもアクトは枯渇しつつあった.結果、連合国はアクトを流出させている魔導島を襲撃、地上へ落とそうとする.魔導国の国王ムントは、地上に生きながらアクトの力を持つ少女ユメミに協力を求めようと旅立つ.

 自分だけが幼い頃から空に浮かぶ島を見ていたユメミは、その夢だと思っていた世界から訪れたムントに動揺し…

【感想】

  京アニプロジェクト第一弾として制作されたOVA.二年後に制作された続編『MUNTO 時の壁を越えて』と合わせて2009年のTVアニメ『空を見上げる少女の瞳に映る世界』の前半部分として再構成され、言わば第三作部分に該当するTVアニメの後半部分は『映画 天上人とアクト人最後の戦い』として劇場公開された.

 TVシリーズOVA二作目、劇場版も既に観賞済みで、およそ10年越しにやっと第一作を観賞できた(買いました).

 TVシリーズ見た時の「変な構成だなぁ」という謎がようやく解けた.

 空を見ていた少女と、空飛ぶ島の国王たる少年のガール・ミーツ・ボーイ.で、あるにも関わらず、物語序盤で最初の事件として描かれるのは、ユメミの友人で、少し頭の弱そうな少女スズメと隣り街の不良少年との駆け落ちの行方.

 このアンバランスがTVアニメの序盤としては謎であったが、一本のOVAのクライマックスとして見ると彼岸と此岸を渡るユメミの覚悟への後押しとして効果的だし、他に類似例が思い浮かばない味わいがある.事実、このアニメで今でも覚えてる場面ってここだけだったのだし.

 TVアニメにする際はやはりまずはユメミ視点でのみ物語を構成して、浮島が実在する!って驚きは後半にとっておくべきだったのでは? と思うけれど、OVAとしてはこれで正解だったんだなと、TVアニメ視聴時より楽しめた.

 

名探偵コナン 紺青の拳』

【採点】

【監督】永岡智佳

【制作国/年】日本/2019年

【概要】シンガポール名所、マリーナベイ・サンズで殺人事件が発生.やがてその地へと秘宝「紺青の拳(フィスト)」を求めて怪盗キッドが、強敵ジャマルッディンとの勝負を求めて京極真が、真を応援して園子と付き添いのコナン達が訪れる.自分の素性を蘭にさえ偽ることになったコナンは不自由な状態で殺人事件の謎を追い、キッドは秘宝強奪を目論むが、裏では連続殺人を遥かに凌ぐ巨大な陰謀が動き出していた.

【感想】

 『純黒の悪夢』以降(? それ以前のコナンをしばし見てないので違うかも)ハリウッド的というよりハリウッドでもやらないようなアニメ的嘘を用いたド派手アクションをいよいよ本格的に煽る演出で使い始め、『ゼロの執行人』でフィルムとしての演出密度を高めたコナン.初の女性監督を迎え、サービス精神とフィルムの統一感との両軸で攻めてくる.『ゼロ』と比べるとちょっと芝居場は弱いのだけど、「今後シンガポールを舞台にしたどんなハリウッド映画が出てこようが本作を越えさせない」という意地を感じさせる盛り沢山ぶり、邦画でこれだけのスペクタクルを見せてくれるなら大勝利でしょう.悪役の小物に「ナカトミ」を出してる割りにダイハード感は薄かったので、恐らく当初の脚本では更にホテル内部でもあれこれ派手なアクションがあったんじゃなかろうかと邪推.

 3分の1くらい英語台詞なので、イントネーションを重視したキャスティングになってるのも嬉しい.『PET』の中国語とか『ゴールデンカムイ』のロシア語とか、露骨に日本人の発話になっちゃってるとちょっと冷めたもんね.

 

 『劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹

【採点】

【監督】ヤマサキオサム

【制作国/年】日本/2014年

【概要】伝奇ファンタジーの世界で新選組を描いた人気乙女ゲーム劇場版後編.生きた屍のような「羅刹」を従える鬼たちと戦う新選組は、少女・千鶴を守る為自らもまた命短い鬼と化す.次第に一人又一人と息絶える中、千鶴は土方歳三を追って五稜郭へ向かう.

【感想】

 ちょっとずつ台詞の中身、或いは順番を入れ替えていくだけで大分違うんじゃないかという、そういう些細なニュアンスのバランスの崩れによってひたすらダイジェストめいた説明を聞かされている感覚になり、気持ちの流れが生じない.唐突に寝返り唐突にでも裏切ってませんでしたとなって唐突に死ぬ山南さん(その後の後くらいの場面で本当に寝返ったフリしてただけだと判る)、そんな山南さんの死を再会した仲間に即座に伝えない平助、の辺りの段取りのグダグダさが本作の全てを物語っている気がする.

 新選組が次々倒れる(史実では生き残ってる奴まで)様はどう描いてもエモい筈なのにそうならないのは勿体なくて、小林靖子がここにれば…と思ってしまった.

 

『劇場版 「SERVAMPサーヴァンプー」 Alice in the Garden』

【採点】B

【監督】中野英明

【制作国/年】日本/2018年

【概要】執事(サーヴァント)のヴァンパイア「サーヴァンプ」には七つの大罪を冠する者たちとそのマスターがいた.怠惰のマスター:真昼はある日、夏なのに雪が降っている不思議な現象の正体を探ろうと色欲のマスター:御園にも声をかけるが、屋敷から出てこない.御園の屋敷を訪れた真昼一行は、その空間に捉えられ、「色欲」の業を巡る御園の家の物語を知ることになる.

【感想】

 全然知らないアニメの劇場版をいきなり見る.話も設定も知らないし、今公式サイト見てどうもスノウリリィと御国というキャラを混合して見てたっぽいと気付いたけど、じゃあつまらないかというと雪の降る都市の冒頭から『劇場版×××Holoc 真夏ノ夜ノ夢』を思わせる屋敷の異界描写と作画で十分魅せてくれる.マイナスに働きがちな一時間という尺もちょうど飽きなかった.七つの大罪というけれど「色欲」は罪なのか? レッテルとしてばかりその言葉を機能させる危険性は? という話も悪くない(「色欲」にかられた男女の説明が足りないのでボンヤリしてたけど).

 

フレームアームズガール ~きゃっきゃうふふなワンダーランド~』

【採点】E

【監督】川口敬一郎

【制作国/年】日本/2019年

【概要】TVアニメの総集編.完全自立型の小型ロボット「フレームアームズ・ガール」を手に入れた女子高生あおと、様々なフレームアームズ・ガールは戦闘を繰り返して友情を築いてきた.そして今、不思議な箱の中身を覗いた一同は、小型ロボットなのに更にミニチュアサイズの戯画化されて、映画の中に映し出される自分たちの過去を眺めるのだった.

【感想】

 総集編映画の中でキャラたちが総集編映画鑑賞会をしている体a.k.aキャラクターコメンタリー.新規絵も入ってるらしい.ライブシーンもある.映画としてどうというより『フレームアームズガール』というTVアニメを履修している感覚.『武装神姫』を思い出しますね! 『武装神姫』をどれだけの人が見ていたか知りませんが.なのにこれと言って『武装神姫』からパワーアップしてるような印象はなく、面白くなかった(『武装神姫』もそんなに面白くはなかった).いっそ悪趣味なバトルロイヤルにすればまだ飽きずに見れたような.

 

PEACE MAKER 鐡 クロガネ 前篇 想道』

PEACE MAKER 鐡 クロガネ 後篇 友命』

【採点】B

【監督】きみやしげる

【制作国/年】日本/2018年

【概要】TVアニメ化された(『新選組異聞PEACE MEKER』の続編)『PEACE MEKAE 鐡』の劇場用アニメ化(TVアニメも同タイトルだが、厳密にはTVアニメ化した内容は前作の方らしい).市村鉄之助辰之助兄弟の視線から新選組を描きつつ、長州藩士の小姓・鈴なる男の新選組への執拗な憎悪も織り込む.劇場版は油小路事件後、仲間達を失った市村兄弟と山崎烝の迷走と別れを描く.

【感想】

 例の如く予備知識なしで観賞した為いきなり『進撃の巨人』がFinal Seasonから始まって、それも3rdシーズン後期のダイジェストが冒頭に着いてくる、ばりの訳のわからない映像が最初20分近く展開して大いに戸惑うも、固有名詞がわかってくると時系列が飲み込めてしまうので新選組って本当に便利.ただ『薄桜鬼』が「ビジネス新選組」だとすると、こっちは本当にガッツリ歴史を飲み込んで咀嚼して活劇に仕立てようという、骨太な新選組愛を持った原作なのだなと伝わってくる.

 物語の途中で始まって途中で終わるので映画になってないのだけど、WHITE FOXの作画は素晴らしい見応え.前篇も後篇も哀しい別れで終わってるので一応纏まりはあるし、前篇の哀しい別れに関してはその後の顛末が結局中途で終わってるので悔しいが原作読みたくなってくる.ここでも中田譲治土方歳三

 

『ちえりとチェリー』

【採点】C

【監督】中村誠

【制作国/年】日本/2016年

【概要】ストップモーションアニメ.脚本に故・島田満さん.幼い頃に父を亡くし、ぬいぐるみのチェリーとの妄想の世界で生きる小学6年生の少女ちえり.父の法事の為に母と実家へ帰っても妄想の世界を手放さず意固地になるちえりだったが、チェリーと共に土蔵を探検し、猫やネズミとの会話を楽しんでいる内に抜き差しならない事態に巻き込まれる.

【感想】

 今公式サイトのあらすじ読んでちえりが小6だと初めて知ったのだけど、小6にしてこれだけ幼いという特徴が単なる教条主義の為に小さくまとまってしまうのが寂しい.『怪物はささやく』よりはまだ妄想の中の冒険が現実の命を助けるという展開にしている分マシなんだけど、どちらも子供に寄り添っているようで寄り添っていないと感じてしまう.『妄想』の力が弱すぎる.チェリーもあまりに「そのまま」だしなぁ.

 

『BATON』

【採点】D

【監督】北村龍平

【制作国/年】日本/2009年

【概要】横浜 開国博Y150に合わせて制作されたロトスコープアニメ.岩井俊二が脚本を手掛け、北村龍平が監督.アニメ制作は海外で行われた(ストーリーボードアーティストとして長濱博史監督の名前がある.その内訳もメイキングで教えて欲しかった).人類が宇宙へ進出した時代.兵士たちの制止を振り切り宇宙ステーションから荒涼とした惑星へ跳び降りたアンドロイド.彼の残骸を拾った若い男女が見たものとは…?

【感想】

 「やあっ!」の掛け声と共にケイン・コスギが現れたり、大杉漣の顔がいくつも蠢いたり、00年代の日本映画のノリが懐かしくもキツい.全方位的に中途半端な内容ではあるけれど、明らかに本作の経験を踏まえて傑作『花とアリス殺人事件』はある筈なので、アニメ史的に無かったことには出来ない一作なのでは.お薦めはしません.

 

『俺ガイルFes.-FINAL-』イベント書き起こし

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俺ガイル.Fes.-FINAL-

 

2021年1月17日(日)習志野文化ホールで開催された『俺ガイルFes.-FINAL-』の備忘録、もとい書き起こしとなっております。

現地参加した際、個人的に今後振り返る際忘れず記録しておきたい発言が複数あった為、いっそ書き起こした方が早いだろうと思い配信アーカイブチケットを改めて購入し、要約を文字にして採録いたしました。

既に配信終了しているので記事にしましたが、もしFes.をご覧になれず内容が知りたくて当記事訪問された方おられましたら、実際には二時間半に及ぶ長尺、ここから省略されたニュアンスは数知れません.当然イベントそのものの映像を見た方が数倍楽しめること請け合いですので、現在アナウンスこそありませんが、今後もし円盤特典等にてイベント内容がソフト展開した際には、是非ともそちらをお買い求めいただければ幸いです。

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『俺ガイルFes.-FINAL-』開演.

 

   堀井茶渡、『2021メガネ』を掛けた江口拓也登壇。

 

茶渡「はいはいはい」

江口「ねえ! この格好なに?」

茶渡「と言うわけで、開演前の諸注意など紹介する大役を仰せつかりました、『えぐちゃど』でございます」

江口「前説いる? だって本編じゃん。配信始まってんでしょ」

茶渡「まずいくつかお願いがありまして(中略)。このご時世ですから、接触確認アプリ『COCOA』が機能するように、BluetoothをONに設定していただくようお願いいたします」

 

   (感染対策説明。マスクしたまま、声を出さず拍手だけ)

 

江口「反応は無かったら無いで寂しいんです。なんか動きがあった方が『聞いて下さったんだな』と思うので」

 

   会場、拍手。

 

江口「助かります」

茶渡「そして俺ガイルの挨拶と言えば『やっはろー』ですけれども、今日は『やっはろー』の代わりに大きい拍手で返していただきたいと思っております。練習してもらいましょう。『やっはろー』の主、東山奈央さんからね、『こうです』と。『やっはろー』に合わせて、パン、パパンと手拍子を。最後に手、広げちゃってもいいですよ」

江口「合ったら気持ちいいですよね。じゃ、やってみましょうか。やっはろー」

 

   会場、パン、パパン。

 

江口「合った!」

茶渡「すげえ、すげえ」

 

   (ライブの諸注意)

 

茶渡「そしてですね、皆さんが出来るかどうか、開演前に試してみたいと思います」

江口「『開演前に』歌があるんですか!?」

茶渡「そうなんです。それではご登場いただきましょう、話題のスーパーアーティスト。MC、わたりーん!」

 

   渡航、2021メガネで登壇。

 

渡航「ヘイヘイヘーイ。大丈夫? みんな。この前説でね、、、前説ってなんだ? この前説で、手拍子バッチリ練習していきましょう」

江口「チュートリアルです」

茶渡「では皆さんが感染対策を守れるのかどうか、MCわたりんの新曲で試してみたいと思います」

江口「ここで新曲? ここでしか歌いませんから、わたりんは」

渡航「じゃあ、歌うにあたって、、、邪魔だからメガネ外すね」

 

   渡航、メガネを置く。

 

渡航「よし!」

江口「もう汗かいてない?」

渡航「もうね。さっきからずっと吐きそうで」

江口「めちゃくちゃ緊張してるって言ってたもんね」

茶渡「朝から言ってたもんね」

渡航「ううん。き・の・う・か・ら」

江口「いいですか?」

渡航(マイクを堂本剛風に構え)「それでは聞いてください」

江口「その空気、なに?」

渡航「『君がいるから』」

江口「なに?」

 

一曲目.MCわたりん(渡 航)with MCえぐ(江口拓也)&MCちゃど(堀井茶渡

  『君がいるから』

 

渡航「イヤッホー------ウ!!! もう皆さんね、サイリウムから手拍子から拍手から、最の高」

 

   会場、拍手。

 

渡航「もっとくれ。もっとくれ。もっとくれ」

茶渡「MCわたりん、ありがとうございました。

 、、、それではね。まもなく開演となりますので

江口「(笑)」

渡航「(笑)」

茶渡「ここまでは前説なので。それではね、前説を担当しました、『えぐ・わた・ちゃど』でした」

 

   暗転。

 

二曲目.やなぎなぎ『芽ぐみの雨』

 

茶渡「皆さん、改めましてこんばんは。『俺ガイルFes.-FINAL-』始まりましたよ。やなぎなぎさんの『芽ぐみの雨』からスタートしました。今日は声援の代わりに身振り手振りでお願いしますね。そして配信をご覧の皆さんは、コメントを書き込んでくださいね」

 

   スクリーンで配信視聴者からのリアルタイムコメントが流れる。

 

茶渡「自分のコメント流れちゃったなと思っても、後で皆さん見ますし、わたりんは全部見ると思います。それでは、メンバー集合!」

 

   江口、早見沙織東山奈央佐倉綾音小松未可子中原麻衣登壇。

 

茶渡「それでは皆さん、一言ずつご挨拶をお願いします。江口さんから」

江口「比企谷八幡役の江口拓也です。本日はよろしくお願いします」

早見「雪ノ下雪乃役の早見沙織です。最後まで楽しんでいってください」

東山「では皆さん、拍手で。さっき言ったやつですよ。『やっはろー』」

 

   会場、パン、パパン。

 

東山「わあ、完璧。盛り上がっていきましょう。由比ヶ浜結衣役の東山奈央です。よろしくお願いします」

佐倉「はい。会場のみなさん、こんにちは。そして配信のみなさん、こんにちはー」

 

   佐倉、カメラに抜かれてる体ですまし顔。

 

小松「(低い声で)うわあ

佐倉「久しぶりに皆さんにお会いすることが出来てとても嬉しいです。一色いろはの声を演じております、佐倉綾音です。今日はよろしくお願いします」

小松「皆さんお久しぶりです。戸塚彩加小松未可子です。わたくし、ファースト以来のイベント参加となります、よろしくお願いします」

佐倉「会ったことないよね?」

小松「会ったことないの。私、一回もあやねると喋ったことない」

佐倉「私とあなたはあるよ!」

小松「今日は色んな初絡みも見られると思います。ファイナルということで寂しいですけど、最後までよろしくお願いします」

中原「私も、たぶん最初出て以来? だと思うんです。なので今日はずっと楽しみにしていました、雪ノ下陽乃中原麻衣です。よろしくお願いします」

   ※小松さんは2013年にティファ有明で開催された一期イベント『総武高校文化祭2013』の話を、中原さんは2015年に今回と同じく習志野文化ホールで開催された二期イベント『俺ガイルFes!』の話をされていると思われます。

 

茶渡「そして司会進行は私、戸部翔役堀井茶渡です。よろしくお願いします。では皆さん、お席の方に」

中原「なんかすごい、残骸が」

 

   わたりんライブの紙吹雪など残骸を拾って遊ぶ一同。

 

茶渡「何かあったんでしょうかね?」

江口「夢でも見てたのかな?」

小松「『芽ぐみの雨』から始まったんですもんね?」

 

   一同、着席。

 

茶渡「俺ガイルがいよいよ完結を迎えてしまいましたね。TVアニメが始まったのは2013年の4月からでしたが、小説が発売されたのは2011年の3月なので、約10年の歳月をかけて完結いたしました」

江口「長いなぁ」

茶渡「江口さん、早見さん、東山さん、小松さんは、2011年11月に発売されました小説第3巻特装版にドラマCDが封入された時から声を担当しておりますが、当時の思い出、俺ガイルと出会った時の印象はいかがでした?」

江口「そうですねぇ。9年前、、、」

小松「私、忘れられないのが、このドラマCDで初めての現場だっていう石川界人くんに会った

江口「あー!」

東山「そうだ! カラオケ店員の役やってましたよね? 懐かしい!」

江口「『いらっしゃいませ』」

小松「それが初めての現場だって」

佐倉「界人くんにそんな時期があるんだ?

江口「誰しもね! 未だに言われますもん、界人くんに会うと。『あの時、声をかけて下さってありがとうございます』って」

佐倉「わあー、、、怖いですね」

江口「そう怖い。『ずっと覚えてるぅー』って思って」

小松「ねえー」

 

   一同、無言。

 

茶渡「、、、え。界人の思い出だけ?」

江口「あと『先生こういう人なんだ』っていう。ディレクションもね、最初はわたりん積極的に入って。なんなら、わたりんが席に座ってたことなかった?」

早見「あ! 一回くらいあったかも知れないですね」

東山「ディレクションの席に?」

江口「そう」

佐倉「、、、遊んでたんですか?」

江口「仕事です!」

東山「そのドラマCDで歌とか歌わなかったっけ」

小松「一番最後に歌が」

東山「『Bright Generation』じゃなかった?」

 

   ここで早見、記憶を辿り鼻歌を披露。

 

早見「~~~♪ じゃ、なかった?」

東山「そうだっけ」

早見「(笑)」

東山「『今日から始まる私のBrand new birthday♪』って、やつ」

茶渡「それです」

江口「だからこそのカラオケ回。歌うのに意味があるよって」

東山「だから界人くんいたのか」

 

茶渡「アニメ化決定した時、皆さんどう思われました?」

東山「ドラマCDがすごく面白かったから、アニメ化決定した時に『やっぱりそうなんだ』って」

早見「確かに。あっと言う間にアニメに足を進めたので、それくらい人気作品なのかなっていうプレッシャーもあったり」

東山「そうだね。会話がポンポンポンって」

江口「現場の熱量も高いですから。まあ、わたりんを中心にですけど。本当にOKが出るまで苦悩するんですよ、役者陣も」

東山「何テイクもね。だって、一期の時のアフレコって割りとてっぺん(深夜0時)近くまで」

江口「長かったですね。(佐倉に)『続』の時はあれでも巻いてるんですよ?」

小松「そうだった!」

佐倉「ええー?」

早見「一期は夜十時くらいまで」

小松「でも、男性陣そのあと呑みに行ってましたよね?」

茶渡「(笑)」

江口「呑みの席にはわたりんと茶渡さんはとりあえずいるから。あと近藤(葉山隼人役の近藤隆)さんとかね」

茶渡「檜山(材木座義輝役の檜山修之)さん」

江口「そう、檜山さんが出番ある時は、毎回僕が『今日は行かないんスか?』って言うと『わかったよ、行くよ』って」

小松「嬉しそうに」

江口「面倒臭そうにしながら結局来てくれて」

茶渡「結局朝までいるっていう。檜山さん、次の日朝から仕事あるんだよ?」

江口「男子チーム、元気だったな」

 

茶渡「ここで少しずつですけれど、それぞれのキャラのシーンを見ていきたいと思います」

 

   以下、それぞれのキャラの一期から『完』までのダイジェスト。

   (途中登場の一色いろはは二期から)

   陽乃のVTR。みんなで茶々を入れながら観賞。

 

中原「早口でね、台詞入れるのが大変で」

江口「いつもわたりんが感動してましたよ」

中原「でも一度も呑みにいけないまま、(世界が)こんな感じになっちゃったから、、、早く明けて、みんなと打ち上げいきたいね」

 

茶渡「一期から参加されてますけれど、陽乃の印象いかがですか?」

中原「本当つかみ所ないなって印象で、わからないままやってたと思います。

 本当に彼女がわかったなって思ったのって、最後の最後かな。『完』の真ん中過ぎくらい。ずっと訊いていいのか、いけないのかわからなくて。『答え』を知ってから演じた方がいいのか、いけないのか。

 それからお母さんと雪乃ちゃんとの間のバランス。一番怖いのはお母さんであって欲しいので」

江口「確かに最初の方は、雪ノ下姉妹本当に仲が良いのか悪いのか、好きなのか嫌いなのか曖昧にされてたから。最後の最後まで見ると、『こういう仲の良さってあるんだな』って」

中原「愛してるんだよね」

 

   戸塚のVTR。みんなで茶々を入れながら観賞。

 

小松「私史上、一番可愛いキャラをいただきました。これでもかってくらい可愛さを意識したキャラクターは戸塚くんだけですね」

茶渡「女性キャラを差し置いて?」

江口「本当に?」

小松「可愛いを意識するキャラって本当に無いんですよ。どっちかと言えば気が強いとか、最近は年齢が上の役も増えてきてるんですけど。戸塚くんだけは可愛いを意識しようと思って、『完』はプレッシャーでした。可愛いは負けたくないですね」

 

   いろはのVTR。みんなで茶々を入れながら観賞。

 

江口「やってんな、これは」

佐倉「やってますよ

小松「何を!?」

佐倉「やってんすよ、これは。『あざとい』をやってます」

 

佐倉「色んなところで言ってるんですけど、一期からオーディションを受けて、全落ちして、結果この役に決まるっていう」

小松「そうなんだ?」

佐倉「折本(かおり)役もオーディション受けてるんですよ? 結果いろはすになって。資料にちゃんと『あざとい』って書いてあるんですよ。こんなに『あざとい』を全面に出した女子って。しかもエグくもあるじゃないですか。だからどこまでやっていいのかなって。やり過ぎると、、、『犬も食わない』みたいな(笑)。でも絵が可愛いから。顔がいいから。結構やってっても許されるんだなっていうのが『続』でわかって、そこから『完』の一番重要なシーンに臨むことが出来たので印象深いっていうか。『続』ではモノローグとかないじゃないですか」

江口「そうですね」

佐倉「何考えてんのか全然わかんない子で。そこから『完』のモノローグ読んだ時はたまらない気持ちになっちゃって。この子、こんな「人間、人間シーン」だと思っちゃって。最初はそんな好きじゃなかったんですけど」

茶渡「ほう?」

佐倉「段々好きになって、最後まで見届けたら大好きになってしまって。男性的に見たらどうなんですか? ああいう『あざとさ』は」

茶渡「男性的に見たらコロっといくじゃないですか、我々は。江口さん?」

江口「回避無理でしょうね。しかも距離感がある中で冗談を言ってくれるっていう。その冗談も本当か嘘かわからない。バラエティに近い関係性を築いてくれる」

佐倉「芸人さんのラジオみたいな感じ」

江口「学生の頃にいたらヤバいでしょうね」

茶渡「ダメージ負ってるでしょうね、こっちが勘違いで二度と思い出したくないようなトラウマを」

佐倉「へえー。まあ、『都合の良い女』はいいですよね」

江口「言い方よ」

 

   結衣のVTR。みんなで煩悶しながら観賞。

   『完』プロムの楽屋の場面にて、

東山「ここで(八幡の)頬赤くなってくれてるのが嬉しい」

   マンガ喫茶の場面にて、

東山「ここ優しい」

佐倉「でも残酷だよね」

東山「お兄ちゃん気質が出ちゃうんだよね」

   

   VTR終わり。

 

江口「おーい」

茶渡「ヤバいね」

東山(涙ぐみ)「ヤバいですね。『完』は特に結衣が沢山涙を流して、アフレコ中、茶渡さんがマイクの前に座ってらっしゃるんですけど」

 

   茶渡、何度も謝罪のポーズ。

 

東山「涙を堪えようとして鼻の気道が狭くなっちゃって、スンスン、スンスンうるさくしてるのが」

江口「めちゃくちゃうるさいんスよ、この人。『う、うう~』って嗚咽が録ってるすぐ横から聞こえるから、(ブースから)『今ちょっと本番中なんですけど』って」

茶渡「本当に申し訳ない。でもテストの時ね」

江口「『ちょっと出てます』って、本番出てったね」

東山「でも江口さんも早見さんも、本番『うう~(嗚咽)』って」

早見「呻いてたね、、、」

江口「呻いてた」

茶渡「『完』、二日前にも見直したんですけれど、結衣に何度泣かされた事か。恐ろしい」

東山「『恋愛』って一口に言えないというか。『奉仕部の三人で一緒にいたい』って気持ちが大きいし。『全部貰う』とか結衣は言ってましたけど、ゆきのんのお家に行った時に、写真見つけるシーン」

早見「はあ~(悶絶)」

東山「原作にも書いてあるんですけど、『可愛いなって思った』って。普通恋敵だったらモヤモヤしたり、マイナスな感情が働くところ、『可愛いな』って感想がまず出てくるのが結衣らしいなって思ったし、掛け替えのない関係性だなと思ったし、だからこそ凄く痛かった、、、」

江口「(唸る)う~~~~ん」

早見「(嘆息)あ~~~もう。(感染対策のアクリル)パネルを取りたいくらいです」

茶渡「抱きしめてあげたい」

 

   パネルごしに手を叩き合う早見、東山。

 

東山「大好きだよー」

早見「大好きだよー」

江口「ソーシャルディスタンス」

茶渡「さあ、それでは雪乃のVTRを見てみましょう」

早見「はあ~。この流れで見ると、なんとも言えない気持ちになっちゃうな、、、」

 

   雪乃のVTR。

   雪乃が奉仕部の鍵を手にしている場面を見て、

江口「君の横顔に~♪」

早見「(『ダイヤモンドの純情』の)八幡バージョンだ!」

 

   VTR終わり。

 

早見「凄い気持ちになっちゃいますね。今も映りましたけど、雪乃、一番最初の時って寄せ付けない、それこそ(アクリルパネルのように)こういうディスタンスが」

東山「時代を先取りしてましたね」

早見「それが段々面倒臭くなっていって、愛おしくなっていって、収録の帰りになんとも言えないモヤモヤした気持ちになってしまって」

江口「俺ガイルのキャラクターって、そのキャラクターにしかない愛らしさとか唯一無二感があるから。表面的なだけじゃない、、、なんていうんですかね? 素敵な部分が」

東山「生きてるって感じする」

江口「そう! 生きてたら色んな感情が」

茶渡「そうだよ。記号じゃないんだから」

江口「湧き上がるものだけど、血が通ってるなって凄い思いますもん」

茶渡「本当に、雪乃もそうだし結衣もそうだし、一期から『完』まで通して最初の印象が全然変わる。勿論、作中で成長してるからっていう面もあるんですけれど、それに驚かされたな」

江口「人生もそうですよね。普通に関わっている分には表の部分しか見えないけれど、付き合っていったらどんどん裏の顔が見えてきて、その人にしか感じられない部分が出てくる。それが『物語』というか。『ドラマ』してるなって」

 

   最終回VTR。

   「彼女がいる人好きになっちゃいけないなんて法律ありましたっけ?」

 

東山「いろはにしか出来ない慰め方だよね」

小松「こんなこと言うの許されていいキャラっているんだな」

東山「ヒロインの一人なのにね」

 

   「がんばって」を見守るいろは・小町の場面を見て、

 

佐倉「ここの二人おんなじ顔してるんだよね。ここ、いいのよ。私ここ凄く推してんのよ、『いろこま』」

 

茶渡「改めて皆さん、最終回振り返っての感想いかがですか?」

江口「いやあ~~~、、、、、、、、、、、、グッときますね」

茶渡「うん、うん」

江口「年数もそうですし、こういう着地点も。最後に『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』って言えたっていうのも自分の中では感慨深いですし。早見さんも仰ってましたけど、本当に色んな感情を貰ったなっていう」

早見「うん」

江口「平塚(静)先生がね、『好き』だけじゃ語れない、色々な感情があって、それが『本物』なんだっていう、、、今まで我々を苦しめてきた『本物』っていう言葉? 『本物』ってなんだ?って思ってたけど! 一言じゃいえない事が本物なんだっていう『本物』探しの着地を見た気がして」

早見「そうですねー」

東山「平塚先生の一言一言が本当良くて。グチャグチャにして、全部ひっくるめて君が『スキ』だよのくだりもそうだし、陽乃さんが言った『共依存の呪い』を解いたのも平塚先生だったと思うし。「そんな一言でくくるなよ」みたいな。なんかね、、、原作にいっぱい付箋が貼ってあります」

江口「凄いですからね、奈央ちゃんの持って来た原作の付箋の量」

東山「渡先生からね、『ページ数以上に付箋が貼ってある』って」

 

茶渡「話は尽きないところでございますが、改めまして皆さん、ここまでの応援本当にありがとうございました」

 

   出演者一同、観客に礼。

   観客、拍手。

 

   幕間。

   再び江口、茶渡渡航の登壇。

   関連情報告知コーナー。

   ゲーム版『俺ガイル。完(諸々未定)』用OVA、一部先出し。

 

   ※配信には乗っていませんが、ここで結衣の「まあ、クズなんだよね」発言で会場拍手起こりました。

 

江口「奉仕部の小町、熱いっすね」

渡航「良い絵面だよ」

茶渡「内容的には、読んだことあるぞ? という方も」

渡航「その予感は大当たりです」

茶渡「それを見れちゃうという訳ですね」

 

   グッズ紹介。

   ※受注期間 ~1月31日(日)23:59まで.

 

茶渡「そしてもう一つ。最新情報です」

江口「来たあ」

茶渡「こちらです!」

 

   スクリーンにタイトル。

 

  新プロジェクト決定!

  やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 』

 

渡航「『完』を作ったからには、『結(けつ)』を作ろうと。『結』がどうなるのか、これはもう私の口からは申せません」

江口「意味深だなあー!」

茶渡「超気になるよー?」

渡航「皆さん、凄いもうモヤモヤしてね、、、? 考察しておいてください。『どういうことだろう』って」

江口「マジでどうなるの?」

渡航「どういった形でかはまだわからないんですけれども、皆さんの元へまた新しいプロジェクトをお届けする気で、私はここ最近ずっと不眠不休でございます」

江口「寝て」

茶渡「寝ろ」

渡航「楽しみにお待ちいただければと思います!」

えぐわたちゃど「よろしくお願いいたします」

 

   ライブコーナー開始.

 

三曲目.由比ヶ浜結衣(CV.東山奈央)『Lの感情』

 

四曲目.雪ノ下雪乃(CV.早見沙織)『エブリデイ is パーフェクト』

 

五曲目.比企谷八幡(CV.江口拓也)『無様な青春を』

 

六曲目.一色いろは(CV.佐倉綾音)『今という未来へ』

 

七曲目.戸塚彩加(CV.小松未可子)『僕たちダイアリー』

 

八曲目.やなぎなぎユキトキ

 

九曲目.雪ノ下雪乃(CV.早見沙織)& 由比ヶ浜結衣(CV.東山奈央

    『Hello Alone』

 

十曲目.やなぎなぎ春擬き

 

十一曲目.雪ノ下雪乃(CV.早見沙織)& 由比ヶ浜結衣(CV.東山奈央

    『エブリデイ・ワールド』

 

   ライブ演出の雪舞うステージ。

   曲終えた昂揚とパネルから解放され、壇上でイチャつく早見、東山。

 

茶渡「あら。あらあらあら」

 

   一同、ステージ再登場。

   江口の全身に大量の『ぼっち』シールが貼られている。

 

江口「雪が、、、」

東山「雪も凄いけど江口さんも凄いんですけど!?」

早見「あれ!?」

江口「本当やめて貰っていいですか? 実はトークコーナー盛り上がっちゃって、『ぼっち王決定戦』っていうバラエティコーナー削ったんですよ。その為に作られた『ぼっち』シールが余っちゃったんですね? ええ。悪いのはみかこし・あやねるですね」

 

   佐倉、キョトンとした表情。

 

江口「『余ってるなら貼っちゃおうぜ』って言って、この二人(渡航茶渡)使って『そこ、そこ、そこ』って全身貼っていったんです」

東山「ポイントはどこになりますか?」

佐倉「まず横向いてもらっていいですか? パーカーとパンツの割り印として貼ったシールがお洒落。靴に貼ったシールもアシンメトリーでお洒落。そしてお尻に貼ったシールも、わたりんと茶渡さんそれぞれに貼ってもらって、一人ずつのお尻」

 

   江口、全身シール貼られた状態で横を向き、靴を見せ、尻を見せる。

 

早見「ランウェイ

佐倉「あと脇の下」

 

   江口、脇を見せ、片手上げてポーズ。

 

茶渡「カッコイイ」

佐倉「あとパーカーに記されたキャラ名の八幡のところに貼ったシールと、フードの下に貼ったシール。それから、そのまま顔洗っても紐ダランってならないように紐もシールで留めて、、、」

江口「この尺要らないから! いいコーナー始まるんだからここから」

茶渡「俺、なんか言いづらいんだけど、仕切り直しますよ? 『俺ガイル』シリーズは一旦終了となりますので、今まで自分が演じてきたキャラクターへの思いを、皆さんに綴ってきていただきました。そしてその手紙を読み上げてもらったあと、『俺ガイル缶』に詰めて、渡先生の自宅に飾ってもらおうと思います」

 

   とっ散らかった空気の中、ステージ中央に『俺ガイル缶』登場。

 

東山「俺ガイル完じゃなくて、俺ガイル缶なんだね?」

茶渡「それでは、まずは中原さんからお願いします」

中原「やりづらいわ!

茶渡「本当にごめんなさい」

中原「雰囲気作ってみてもらえると嬉しいです」

 

   会場にBGM。

 

中原麻衣さんから雪ノ下陽乃への手紙

 

『 陽乃さん 

 

  初めてあなたに出会ってから、そろそろ八年になりますね

  はじめは、あなたが何を考えているのか全然理解できなくて、

  絶対に友達になれないタイプの人だなって思ってました。

  でも、長い年月あなたと向き合ってきて、

  私の気持ちも徐々に変化してきました。

  あなたは、とっても可愛い人。

  大切な人にしか向けられない怖いくらいの愛情や、

  他人には理解できない天邪鬼っぷり、

  すべてが振り切っていて、見ていて気持ちがいいです、

  器用に見えて、実は不器用なだけなんだって気付いた時、

  そんなあなたが可愛くて仕方がないって感じている自分がいました。

  今では、あなたと出会えたことに本当に感謝しています。

  ありがとう。

  あなたがこの先どんな人生を歩んでいくのか

  とても楽しみです。 精一杯、幸せになってね。

  また、人生のどこかの時間を

  私と共有してくれる日が来ることを願っています。

 

                        またね 』

 

中原「まさかこんな流れで読むことになるとは」

江口「素敵」

早見「江口さん、その衣装で読むんですよ?」

江口「やだよー。時間巻き戻ってくれ」

早見「時を戻そう」

江口「時を戻そう」

 

小松未可子さんから戸塚彩加への手紙

 

『 彩ちゃんへ

 

  改めまして彩ちゃん 小松未可子です。

  実は俺ガイルのオーディションは

  彩ちゃん以外にも受けていたんだよ?

  そして彩ちゃんに決まって、結果を聞いた時は

  スフィアさんのLIVEの休憩中だったんだけど、

  トイレですっごい喜んだなぁ。

  そしてスフィアさんのLIVE最高だったなぁ。

  私史上最高に可愛い男子との出会いは、ここから始まった訳です。

  彩ちゃんを担当するに当たって、どう演じようか悩んだ時

  私の中学時代に実際にいた、めちゃカワ男子を思い出したんだ。

  ぐっちょんって言うんだけどね。

  それこそテニス部で、髪型も似ていて、華奢で、お肌の透明感凄くて、

  トニカクカワイイところが本当にそっくり

  ノートに猫みたいなゆるキャラの落書きしてくれるんだよ完璧かよ!

  私の中の、彩ちゃんの可愛い像は、

  そのぐっちょんからインスピレーションを受けています。

  そのぐっちょんも、もう32歳。

  Facebookで見たら、

  めっちゃヒゲの生えた男前になって結婚してました人生って凄いね!

  彩ちゃんがどんな大人になるのかとても楽しみ。

  大人になっても、声変わり、あんまりしないでね。

 

                      またね、彩ちゃん 』

 

江口「ぐっちょん、見てるかなぁ」

早見「彩ちゃんもそうなるのかな」

 

佐倉綾音さんから一色いろはへの手紙

 

『 親愛なる一色いろはさんへ

 

  もはや一人のキャラクターとしてではなく、一人の人間として

  あなたを受け止めてしまっている節があるかも知れません。

  それくらい、俺ガイルという作品の解像度は高く、

  沢山感受性を揺さぶられた作品でした。

  周りからの見え方は違うかも知れないけれど

  思考の本質は、あなたと私、少し似ている気がします。

  演じていて共感することも多々ありました。

  あなたの生き方だと、この先も悩んだり苦しんだりすることが

  多いかも知れないけれど

  これからもあざとく、気高く、進んでいってください。

  あなたの人生の一部を担うことが出来て、とても幸せです。

  大切な私の人生の一部になりました。

  いつか、

  (いろはの声になって)

 

  『あなたが私の声で、まあまあ幸せでした』

 

  って、飾らないあなたに言ってもらえる日が来たら、最高です。

  これからも、たまに混じり合いながら、共に生きていきましょう。

  八幡とか言う奴より良い男見つけような。

 

                   あなたの声帯 佐倉綾音より 』

 

   佐倉、手紙を缶に入れながら江口を一瞥し、

佐倉「あの男より

 

東山奈央さんから由比ヶ浜結衣への手紙

 

『 結衣

 

  結衣と初めて出会った時、私はあなたの事が

  大好きだなって思ったよ。

  一緒にいると明るい気持ちになれて、応援してあげたくなる。

  一生懸命なあなたがとても可愛くて、ただただ大好きでした。

  そして、長い月日を共にして今私が思うのは、

  結衣はとても凄い子だってことです。

  よく頑張ったね。

  いっぱい考えて、いっぱい涙を流してきた結衣を、

  私は心から尊敬します。

  これから色んな人に出会うだろうけれど、

  ヒッキーは結衣にとって、いつまでもたった一人の人なんだと思います。

  今は少し苦しいけれど、

  それくらい『好き』ってだけじゃ言い表せない人に出会ってしまったんだよね。

  でも、クッキーが上手く作れるようになったように、

  結衣はこれからも、誰も知らないところでだって頑張るんだと思います。

  そういう子はね、大丈夫だよ。

  ちゃんと神様が見ていてくれると思います。

  ヒッキーもゆきのんも、いろはちゃんも優美子たちも

  みんな感じてくれています。

  (少し涙をのんで)

  あなたはとても愛されている。

  大切な青春、大切な恋に一緒に向き合わせてくれてありがとう。

  結衣。幸せにならなきゃだよ。

 

  また『やっはろー』って言い合えますように。

                           奈央より 』

 

早見「なんかどんどん、どんどん降り積もっていきますね」

 

早見沙織さんから雪ノ下雪乃への手紙

 

『 雪ノ下雪乃さんへ

 

  こんにちは こうしてお手紙を書くのは、

  記念日に家族に手紙を書くようでなんだか少し不思議な気持ちです。

  雪乃さんと最初に出会ってから、もう十年の月日が経つのですね。

  第一印象は、才色兼備、孤高の人

  でも知れば知るほど、面倒臭くって、最高に可愛くて

  歓び、哀しみ、切なさ、悔しさ、いとおしさ

  時には目を向けるのに勇気が要るようなものも含めて、

  色んな感情の扉を、一緒に見つけていけた気がします

  私の声が、声帯が、

  雪乃さんの繊細で複雑な心をどれだけ形に出来たのか

  私としては、まだまだもっと足りないと思うところもあったけれど、

  それでも、あなたとシンクロ出来た一瞬一瞬は、

  魂が震えるような気持ちだったし、かけがえのない宝物です。

  ありがとう。 私の元には沢山の、あなたへの思いを語る、

  俺ガイルファンのみんなからのメッセ-ジが届いています。

  いつか、一緒に並んでそれを見られたらいいなぁと思います。

  そして、どうやらこれからも、嬉しいことにまだまだ、

  あなたと、俺ガイルと共にある日々は続くようです。

  今後ともよろしくお願いします。

 

  あなたが大好きよ。雪ノ下雪乃さん。  

                          また明日 』

 

江口拓也さんから比企谷八幡への手紙

 

『 比企谷八幡

 

  小寒の候、まだ来ぬ春が待ち遠しく感じられますが、

  如何お過ごしでしょうか。

  僕が俺ガイルに、八幡に出会って、もう十年。

  十年弱。九年? 八、九年経ちました。

  早いものです。時間が経つのってあっと言う間ですね。

  僕は八幡を演じることで、良かったなと思うところと、

  悪かったなと思うところがあります。

  良かったところは、客観的に物事を捉える術を教えてもらったところ。

  今でも人生に於いて、とても役だっています。

  悪かったところは、客観的に物事を捉え過ぎて、

  他人を信用しなくなったところ。

  その結果、ぼっちが加速したところ。

  ハッキリ言って、プラマイで言うと、マイナスです。

  でも、だからこそ、大切なことに気づけました。

  それは、そんなマイナス人間にも普通に接してくれる、

  善い人たちが判るようになったところです。

  僕に関わってくれる人は、みんないい人だ。

  だから、そういう人たちを大切にしよう。そう思えました。

  八幡は確かに面倒臭いし拗れているけれど、

  自分の心の半径に入った人間を物凄く大切にする、

  めちゃめちゃイイ奴です。

  わたりん、そんなイイ奴に僕を選んでくれてありがとうございます。

  これからもよろしくお願いします。

  最後に

 

  寒さ厳しい折、これからもご自愛ください。 』

 

茶渡「これで皆さんのお手紙が缶の中に入りました。渡先生、如何ですか?」

渡航「本当に、なんと言いますかね。こんなにキャストさんがキャラクターのことを愛してくれる作品は他に無いんじゃないかというか。ちょっとごめんなさい」

 

   渡航、込み上げる。

 

茶渡「わかるよ。これはリハしてないからね」

渡航「あのー、、、(江口を見て)何て格好してるんだお前は

佐倉「合ってましたけどね」

小松「『ぼっちが加速して』のあたりピッタリでした」

江口「確かに加速しとるわ、吃驚した」

渡航「本当に原作者冥利に尽きる、幸せな現場でした。この缶はですね、子孫代々、伝えていこうと思います、、、子孫が出来るかは別の話ですが、最悪自分の墓場にそのまま入れるつもりでおりますので」

茶渡「いいんだよ、それは。ではですね、そろそろお別れの時間が近づいてまいりましたが、ここでもう一曲、聴いていただきたいと思います。はやみん、奈央ちゃん、お願いできますか?」

 

   コソコソ話していた早見、東山、すでに込み上げてる涙を拭きつつ、

 

早見「いや。今、渡先生の表情を見て一緒にね?」

東山「ね」

早見「色々思い出して」

東山「胸がいっぱいで」

早見「ですが、いきますか」

東山「いきましょう。万感の思いを込めて届けよう」

早見「じゃあ、歌わせていただきます」

茶渡「それではよろしくお願いします」

 

   いつのまにかステージには早見、東山の二人きり。

 

早見「呼吸を整えないとなかなか」

東山「みんなの心の奥底に触れた。『本物』のね、気持ちを」

早見「グルグルしてる、今」

 

   ステージ暗転。スポットライト。

   早見、東山、向き合う。

 

早見「やっぱり『完』に於いてのこの曲は、一緒に歌いたいねっていうところで。じゃあタイトルを一緒に言って、始めましょうか」

東山「うん」

早見・東山「『ダイヤモンドの純度』」

 

十二曲目.雪ノ下雪乃(CV.早見沙織)& 由比ヶ浜結衣(CV.東山奈央

     『ダイヤモンドの純度』

 

   全員、ステージ再登壇。

 

茶渡「本当に時間が経つのは早いですね。ついに時間が来てしまいました。

 皆さん、『俺ガイルFes.-FINAL-』如何でしたか?」

 

   会場、拍手。

   登壇者一同、今までの応援へのお礼とメッセージ。

 

やなぎなぎ「今日、難しい状況の中、会場にいらした皆さん、そして配信でご覧頂いている皆さん、そしてキャストの皆さんと一緒に『俺ガイルFes.-FINAL-』を楽しめたこと、とっても光栄でございます。

 『俺ガイル』は私の音楽活動の主軸と言っても過言ではないくらい、長くご一緒させていただいて。国内は勿論海外でも、俺ガイルの曲を歌い出すと『わあー』って歓声をもらって、とても嬉しいことが沢山ありました。

 今日もすごく楽しいんですけど、原作者の方が歌うイベントってなんなんだろうって」

江口「(爆笑)」

 

   会場、拍手。

 

渡航「な、なんなんでしょうね(笑)」

なぎ「それだけ生み出した作品を愛して、そして皆さんを巻き込んでいることも素晴らしいことだと思います。

 作詞をさせていただく時、いつもリクエストをお訊きしていたんですけど、『やなぎなぎの思うままに』って言っていただいて、信頼していただいていることが嬉しくて。原作を読み込んで。俺ガイルから、自分の中には無かったインスピレーションを沢山頂きました。

 アニメ完結だよって聞いて、歌詞書き終えたらもう終わっちゃうと思って寂しかったんですけど、『芽ぐみの雨』にも書いた通り、物語は一度生まれたら、目に見える形じゃなくてもどんどん成長したり、続いたりするものだと思いますので、『ユキトキ』『春擬き』『芽ぐみの雨』と共に、皆さんの中で物語がどんどん続いていったらなと思います。

 本当に長い間関わらせていただいて、ありがとうございました」

 

中原「キャスト、原作者、スタッフ、お客さん、配信視聴者の皆さん、愛に包まれたイベントに参加出来たことが凄く幸せでした。

 お家に帰るまでがイベントです。私たちも気をつけて帰るので、皆さんも気をつけて帰って下さい。今日は本当にありがとうございました」

 

小松「一番最初のイベント以来の参加だったんですけど、十年ずっと続いていた作品という訳ではなくて、時々みんな離れて、また一瞬再会して、会う度にみんなが強く、絆が強くなっているのはとても素敵な作品だなと思いました。

 物語はどんどん複雑になってしまうけれど、そういう感情をみんなで共有、共感して、たまに『違うな』って思ったり、そういう色んな気持ちがあったからこそこうしてみんなが愛して、色んなものを見つけにここへ来てくれたのかなって思います。

 私もこうして一つの、間違った青春を非常に楽しく過ごさせていただきました。

 今後も彼らの人生は続いていきますので、何かまた、あるんでしょう。

 『結』ですか。何の『結』かさっき我々話していたんですけど、二つくらい解釈あるんですけど、、、言いません」

 

佐倉「十年続くって、本当に選ばれた作品だけが成し得るものだったりするのかなって思ってしまいます。その間を学生時代駆け抜けた、場合によっては追い越した人、もしくは最初から追い越してる人もいるかなと思うんですけど。もしくは最初は小学生だったのが完結をもって八幡と肩を並べる人がいるんだなって。

 私はあんまりのめりこみ過ぎると役者は危ないので、しないようにしようと思っているんですけど、「本当に実在してるかも」って。「この世界のどこかに彼女たちがいるのかも」って思うと本当にたまらない気持ちになるし、学生時代に『俺ガイル』に出会ってたら人生ダメになってただろうなって思うので。

 でも本当に人生を動かされた人もいるくらい、心のある作品だったなと思います。

 私は嬉しい『完結詐欺』だなって、『結』を思うようにして。

 だって『結』だっていつ出るかわかりませんもんね?」

茶渡「(渡航に)言われてるよ?」

佐倉「千葉に来て歌われたりしてますけど、マジ仕事しろ。いろは的にはね。皆さんで完結詐欺に巻き込まれながら、楽しい日々を紡いでいきましょう」

 

東山「1コーナー飛ばしてもみんな気持ちを語りきれなくて。こういうご時世だったので作品が完結しても打ち上げが出来なかったりして。スタッフさんにお礼を言う機会もなかなかなかった中、こういう機会を頂けて、一緒に盛り上がることが出来て、本当に幸せだなって思いました。

 舞台袖で『ユキトキ』を聴いて当時の気持ちを思い出したんですよ。

 私、声優活動十周年って言って去年駆け抜けてきたんですけど、俺ガイルと私のキャリアはずっと共にあったと言っても過言ではなくて。

 ユキトキ』を聴いていた時はこれからどんな、笑って、笑って、笑って笑って、の作品との日々が続くのかなと思っていたら、『続』『完』と来て、随分遠くまで感情が来たなって思って。難しいお芝居が続いたんですけど。台詞以上に空気感みたいなものが俺ガイル世界にはあると思っていて、それを演じることが出来るのは役者冥利に尽きるなって思いました。

 色んな最終回がありましたけど、みんなで盛り上がったり、泣いたり、色んな現場があるんですけど、最終回終わって、(早見)さおさんと固く握手をして、そういう風に終わる作品って俺ガイルだけだったんで、それが全てだなって。

 これからも人生の宝物にしていただけたら嬉しいなって思います。

 また『やっはろー』って言い合いましょう。ありがとうございました」

 

早見「十年っていう長さを雪ノ下雪乃さんと歩いてこれて、本当に幸せな気持ちです。『俺ガイル』のラジオをやっていると、メールを送ってくれるリスナーさんが本当に様々な世代の人、そして皆さんの十年の移り変わりを感じるなと思っていて。

 そして世界全体も、まさか、あの時はこんな風になるなんて誰も予想していなかったし、どんどん時代は移り変わっていって、私たち自身も変わるところ、変わらないところ、いっぱいあると思うんですけど、それでも『俺ガイル』の中には本物があるなと私は思っていて。

 確かに人間不信になることもある、自分の見たくないものを見せられることもある作品なんですけど、だけどもう一回、、、もう一回だけ、誰かを、人を、信じてみようかなって思える、そういう作品だと思うので」

 

   早見、涙堪え、

 

早見「あれ? こんな感じになるつもりでは無かったんですけど。これからも、皆さんが帰ってきたい、本物に出会いたいって思った時に、この作品に帰って来て下さい。また続きでお会いしましょう」

 

江口「渡航先生と僕同い年で、今まで見てきたものも同じで、近くで物を作ってる姿をずっと見てきたんですけど、物凄く愛があるんですよ、作品に」

 

   江口、涙堪え、

 

江口「これだけ愛を以て作品を書いてくれて、やなぎさんも曲を作ってくれて、アニメーターさんが描いてくれて、役者陣がぶつかり合えて、皆さんが応援してくれて、嬉しかったです。すいません、まとまりません。ありがとうございました」

 

渡航「俺ガイルFes.これが最後ということで、、、これで私も、普通の男の子に戻れます」

 

   渡航、涙堪え、

 

渡航「誰一人欠けても、こういう結果にはならなかったと思うので。演者さんも、スタッフさんも、そして皆さんも、君がいるから俺ガイル、という。その感謝の一念だけでございます。本当にありがとうございました」

 

   茶渡も若干涙堪え。

   ここで渡航にサプライズの花束とアクリルプレート贈呈。

 

渡航「ああ。こういう時に上手くリアクション取れない」

東山「本当に、宝物を生み出してくれてありがとうございました。お体、大切に。『結』待ってます」

 

   渡航から逆サプライズ。メインキャストへの手紙。

   渡航、メインキャスト三名、司会の茶渡も? ずっと涙腺緩んでいる状態。

 

渡航から東山奈央さんへの手紙

 

『 東山奈央

 

  今から十年ほど前 2011年の事です。

  最初にあなたの声を聴いた瞬間、手元の赤ペンで大きく丸を書いています。

  印象的だったのは、声音ににじむ明るい笑顔でした。

  このお手紙をしたためるにあたって過去のデータから発掘したオーディション当時の自分のメモ書きには、

  『一番イメージに近いかな。アホっぽくて嫌いじゃないぜ。しっとりもいける感が。前向き感、好きだなぁ』

  と、あります。どこの誰?って感じのコメントなのですが、個人的なメモなので。

  声とお芝居から受ける第一印象は明るく天真爛漫、けれどしっとりと思慮深く、下を向いてもまた前向きに歩き出す、そんな感じでした。

  実際にお会いして、そのイメージはますます強まっていった気がします。恐らく誰よりも一番多く質問をしに来た方なのではないでしょうか。

  アフレコが始まる前や休憩時間終わった後、いつもまっすぐな視線でそのまま倒れ込みそうなほど前のめりにお話するあなたはとても眩しく、また恐ろしい存在でした。質問されるたびに私は思いました。

  、、、もっと苦しめ、もっと悩め、もっと曇れと。

  もっと上手く僕がお伝え出来れば良かったのですが、足りないピースをいつもあなたが埋めてくれました。あなたほどひたむきにキャラクターと向かい合う人を他に見たことがない。なんなら怖い。

  でもですね、

  あなたの苦悩が由比ヶ浜結衣という少女を少しずつ大人にしていき、一緒に流してくれた涙が暗い影を落とし、だからこそ輝くような青春を照らし出したのだと思います。

  あなたが悩んで苦しんでくれたから結衣が存在しています。

  本当にありがとうございます。

  由比ヶ浜結衣という女の子をあなたに演じていただいて本当に良かった。あなたに託して本当に良かった。あなたを選んだ人は本当に天才だと思います。

  収録で私を泣かせた役者はあなた唯一人です。十年近くに渡り、本当にお疲れ様でした。

 

  またいつか、『やっはろー』と元気な声が聴けることを願って 』

 

渡航から早見沙織さんへの手紙

 

『 早見沙織様 

 

  かれこれ十年近くお仕事ご一緒させて頂く中、あなたには未だに驚かされ続けています。

  オーディションでこれ以上ないと確信したにも関わらず、1シーンごと、1テイクごとにその確信を更新していくあなたに、私は恐怖していました。

  オーディション当時の私の個人的なメモには、

  『バカウマじゃないですか。優しさをちゃんと出してくれそうなのがいいな。あの文章でちゃんと印象を摑んでる』

  率直な感想だった思います。驚きと納得、それ以上に恐怖が滲んでいます。

  オーディション用の台本や資料は限られた状態です。キャラクターの裏も、先もわからない状況です。なんなら俺もわかってなかった。

  だというのにその芝居を聴いた時、私の中にしか存在していなかった筈の雪乃像を読み解かれた。端的に換言すれば、このままではキャラクターが負けると思いました。記号的なキャラクター、単純な表現では太刀打ちできないと。その時、私の覚悟が決まったような気がします。

  雪乃へのリテイクは独特の緊張感があります。

  だって合ってるんだもん! 正解なんだもん、百点なんだもんと、そう思いながらもリテイクを出したくなる。あなたが七兆点を出す人だと知っているからです。

  朗らかな微笑みを浮かべながらも台本に視線を落とし、つぶさに文字を拾っていく姿に、私はいつも期待を寄せずにいられませんでした。第三期にいたっても尚、たった一言で鳥肌が立つ。その瞬間のなんという幸福なことか。

  あなたがいなければ、雪乃はあんなに素敵な女の子にならなかった。

  引き出したものを更に越えてくれるという、絶対の信頼がありました。

  雪ノ下雪乃の多くの魅力をあなたが引き出してくれました。

  きっと十年先も二十年先も何十年先も、私はあなたの芝居に驚かされ続けると思います。雪ノ下雪乃を生み出してくれてありがとうございました。

 

  また、冷たくも愛らしい芝居でもって、柔らかに罵倒していただける日を、心待ちにしています。 』

 

渡航から江口拓也さんへの手紙

 

『 江口拓也くんへ

 

  特にないです。

 

  、、、改まって何かを伝えるのはどうにも照れくさく、ちゃんと言おうととするととんでもなく長くなってしまいそうです。

  思えば君との距離感は、いつもそんな感じだった気がします。

  遊び場でも居酒屋でも家でも、どこかに遊びに行っても。

  最初の頃はもっと距離を詰めていったほうがいいのかと思っていましたが、いつしかあなたとはヌルっとした時間を過ごすようになっていました。そうした空気は気付けば仕事場でも感じるようになった気がします。

  それは江口拓也が座長として、この現場で作り上げてきてくれたものなのでしょう。君が現場の中心から60センチほど外れた場所で、まとめるでもなくまとめてきた雰囲気。それが十年たった今でも変わらず存在してくれていることが、私はとても嬉しい。時間が空いてもヌルッと『完』の収録が始まることが出来たのは、君のスタンスが変わらなかったからだと思います。

  正直に告白すれば、八幡役のキャスティングは本当に悩みました。

  江口か? 違うか いや江口か? そんな自問自答をしていました。

  アフレコが始まってからは江口拓也の芝居に悩むことになります。

  君は「いや、そうはならんやろ」、そんな芝居も平気でも持ってくる。「ちょっと変えて」というだけで何もかもを変えてきたりする。かと思えば一発でドンピシャの芝居を持ってくる。ドンピシャ過ぎて逆にテストの時の方がいい。なのに、聞こえないんじゃないかというくらい情けない声がハマった時は、泣きそうになる。

  一緒にやっていてこんなに楽しい役者もそうそういない。

  君が沢山間違えてくれたから、私はこの作品の正解を導き出すことが出来たのだと思います。 

  格好悪い芝居が、こんなに格好良い役者は他にいない。

  本当に、俺ガイルを、八幡を、一緒に作れて良かった。

 

  これからも座長として、まだまだ情けなくて格好悪いところを、沢山見せてください。 』

 

茶渡「それでは皆さん、本日は誠に」

一同「ありがとうございました!」

 

   一同、観客に向けて礼。お辞儀をして、去って行く。

   紙吹雪と雪の跡。

 

 

                   『俺ガイルFes.-FINAL-』閉演.

 

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Happy New Yell!!!配信感想

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Happy New yell

 

2021年1月9日(土)、10日(日)の2日に渡って行われたアイドルマスターシンデレラガールズのブロードキャスト&ライブをアーカイヴを眺めつつ振り返ります.

会場は幕張メッセ.時勢も鑑みて急遽無観客の配信ライブとなりました.

アーカイブ配信チケットの発売は1月18日(月)昼の12:00まで.配信は同日夜23:59まで(予定)

つまり今から購入しても、この週末見放題という訳です.

合わせて7時間は長いと思われるかも知れませんが、好きな曲や推しの出演シーンだけ繰り返し見続けることも可能と思えば、ほぼ無限と同義ですね.

また、多くの曲がLIVE用にアレンジされたLong Intro Ver.となっているのも貴重な聞き所となっております.

 

今回は初日、2日目と出演者総入れ替え.また従来ならメインを飾る作品の顔、所謂「信号機」トリオ(島村卯月大橋彩香さん、渋谷凛福原綾香さん、本田未央原紗友里さん)も不在パターンの為、MC、センターが代わる代わる行われる楽しさがありました.

 

全体のコンセプトはシンプルに「和」.音楽ジャンルを定めた7thライブに比べて統一感は緩め、とにかくまたファン(プロデューサー)のみんなに元気に歌って踊る姿を見せるぞ、という意気込みが第一義として念頭に置かれている王道のイベントとなったと思います.

今回は配信ならではの演出として、

・リアルタイムで送れるモニター上ペンライトの光

・地域別コメントでのキャストとのやりとり

などがありましたが、何より『AR演出』が今までにない試みとして非常に創造的に機能して、本公演にロックダウンのネガティブなイメージに留めない先進性を付与してくれました.

ただでさえ実際の会場の演出、セットと、AR演出とが混在するので、ここに観客も入っていたらよりレイヤーが複雑となり面白くなるだろうなとも.継続した試みとして観客入場が復活したとしても今後も見られたら嬉しいです.

 

ではごくごく簡単な振り返り兼紹介を.

P歴たかだか4年ちょいのにわかですので間違いは多々あるかと思いますが、目を瞑っていただいてもご指摘いただいても、いずれにせよ助かります.

 

DAY1

 

まずオリジナルのインストOVERTUREでバックダンサーさんの見せ場から開始.さり気ないですけど毎回OVERTUREがあることで「SHOWを演出されている」実感が増すのでとても好きな演出です.

 

では以下、セトリに合わせて.

 

1.Happy New Yeah!(全員)

そりゃそうでしょう! 景気良い曲から始まり.

と同時に、大晦日デレステに実装された振り袖衣装ハピネス・エールのお披露目.

ショルダースリット越えて生腕が全部出て袖と乖離し(なんて言うんですか、これ)デザイン性が高いからか、いつになく「全員衣装が全員に」似合っていて振り袖最高だなの一言です.

と同時に、今回恐らくは多忙な中駆けつけてくれたのだろう照井春佳さんの数少ない出番としても貴重な全体曲.

 

MC.りあむの中の人の「つってね」が耳を離れない.

 

2.花簪 HANAKANZASHI(ルゥ・ティン、立花理香、中澤ミナ)

「和」と言えばということで、本公演全体の雰囲気を宣言するような選曲.

羽衣小町+雪美で京都親善大使?の三人らしいです.

りっか様がますます色気を帯びて艶やか.

 

3.命燃やして恋せよ乙女 (河瀬茉希、大空直美洲崎綾、花谷麻紀、飯田友子

1曲目からの流れで.

つかさ社長さん、飯田王子のイケボが左右から攻めてきて、その隣りにウィスパー系の智恵里とこずえ.そしてセンターでどんな系統の曲でも安定させてくれる美波.何気に「フォーメーション」の意図が明確に可視化された曲で、以降の曲も「それぞれの声質と立ち位置」を考えて観賞していくと面白いんじゃないでしょうか.

口上での「こずえ、おとめ?」が強力.

個人的にボイス総選挙でつかさ社長をプッシュし続けてたので、もう完全に社長のイケボが全国のPさんに行き渡った感があって感無量でした.

 

4.プライスレス ドーナッChu♡(都丸ちよ)

ドナキチのソロ曲お披露目.ARでドーナツが浮かんで今回のソロパフォーマンスの方向性が見えてくる.

都丸さんのパフォーマンス見たの初めて?な気がするんですけど、ハスキーでいて崩れた法子の声のまま歌って踊ってかつ無邪気に振舞うという高難易度をこなして、なんていうかひたすら可愛い.

 

5.ギュッとMilky Way深川芹亜牧野由依

昔から存じている牧野さんと声つく前から推していた日菜子のユニット、未だにその存在自体が混乱しますね.いや「牧野さんと日菜子のユニット」ではない.

 

6.オレンジタイム(桜咲千依、松田颯水

「カワイイボクと142's」というユニット名が表す通り、センターの輿水"イーロン・マスク”幸子に合わせて、普段メタル系楽曲を歌う小梅と輝子が思いっきりkawaiiに振れた一曲を、不在のセンター幸子(竹達彩奈)の位置を空けた状態で歌うエモさ.

小梅のかわいらしさは勿論のこと、普段バラエティの一幕だとしてもkawaiiをやらされたら照れ隠しでふざけちゃうんじゃないかなと思う松田さっつんさんが、照れることなく表情一つ角度一つとっても完全にkawaiiを完成させていてそのギャップにギュッときます.

 

7.Snow*Love(牧野由依、都丸ちよ、高田憂希大空直美朝井彩加

アイマス内外問わずヒゲドライバー作品でかなり好きな一曲で、冬の公演にちゃんとフィーチャーされてありがたい.

 

8.Sing the Prologue♪ (河瀬茉希、富田美優、梅澤めぐ、花谷麻紀、深川芹亜立花理香

新たなボイス組3人が参加しての一曲.

24時間特番でサプライズお披露目の時はまだあかりんごが緊張を隠しきれていませんでしたが、今回はちゃんと切れがあってあの曲再びへの良い予感.

 

9.ススメ☆オトメ ~jewelry parade~(河瀬茉希、富田美優、梅澤めぐ、桜咲千依、松田颯水、都丸ちよ、飯田友子洲崎綾

JUNGOさん(アイマス演出家)の記憶から忘却されている疑惑が持ち上がっていたデレステ定番曲、数年ぶりのフル尺ステージ披露とのこと.自分はパフォーマンスで見たのは初めてだと思います.

ずっとアイマスtofubeats来てほしいとリクエストしてるんですけど(先に電音部にきちゃいまいしたが)、『ススメ☆オトメ』の放つ異様な懐かしさって、tofuの『水星』以降J-POPシーンで絶えず創られ続けてる気がする、関ジャムで最近よく目にするワード「Just the Two Of Us進行」の側面も大きいのかなと、それでついtofuを連想してしまうのかなと.

脱線しましたが、とかく実家のような安心感.

 

10.夢をのぞいたら(星希成奏、中澤ミナ、牧野由依、生田輝、花谷麻紀)

アイマスコンポーザーで一番好きなのは誰かと訊かれたら佐伯youthKさんなので、総選挙楽曲という点含めて2019年のアイマスの思い出として一番印象濃い気がする一曲.

「ここにいる私たちにしかわからない不安もあると思うけど」から始まりながら

「君も君も君も全部 絶対居なくちゃダメなのよ」に至って

「君も君も君も全部 ひとつになる定めなのよ それなら そうさなんにも怖くない」

この情勢下生配信で見ているならではの込み上げてくるものがありました.

 

11.Sunshine See May(高田憂希鈴木みのり

安定の山紫水明.

やがて君になる』から高田さんが気になっているので、よしのんの為かつ高田さんの為にあるみたいなハビネス・エールが似合い過ぎてどうしましょうね.小動物みたいで可愛い.

 

12.Secret Daybreak(洲崎綾飯田友子

安定のデア・アウローラ.

水中の古代神殿が舞台.

最早どれがセットでどれがARでどれがプロジェクションマッピングなのかわからない.もっとわからなくしていってほしいですね!

 

13.Claw My Heart(朝井彩加

眼帯付けてますます美玲に寄って格好良くなっていく朝井さん.最初のうちはまだ『ユーフォ』のイメージだったのに、この数年で一番変化を感じます.

 

14.美に入り彩を穿つ(ルゥ・ティン、立花理香

超超ド安定の羽衣小町.

というか、毎回披露されてない? そんなに沢山デレライ見てきた訳じゃないんですけど、毎回この曲を見ている気がする.でも「和」テーマに挟まれて、ハピネスエールで、ようやく完成した気もしますね、 

 

15.ダイアモンド・アテンション(高田憂希鈴木みのり、都丸ちよ、生田輝、松田颯水、桜咲千依、大空直美

アニソンっぽい曲はむしろパフォーマンス込みで輝く.ライブで魅力倍増しでした.

 

16.Take me☆Take you(星希成奏、富田美優、梅澤めぐ)

ちゃんとりあむもあかりあきらと揃えてあげる優しさ.

この三名合わせて「ユニット名簿集中」でいいんですよね?

良かったね、りあむ.

後お前普通に歌も踊りもめっちゃスキル高いな??? 

そういうとこだぞ???

 

17.愛の讃歌照井春佳

ほぼほぼこの讃歌のために参加した照井さん.

全体曲でもかなり緊張した面持ちでしたし、忙しい中でそれでもこの曲は披露したくて練習したんだろうなと窺えて、演出も余計なことをせず「このぱるにゃすを見ろ」という素朴さが好感.

何より照井さんがめっちゃ綺麗なお姉さんになっていて驚くし、ちゃまの歌声で蕩けます.「ウフッ♪」を聞き逃さないで.

 

18.世界滅亡orKISS(深川芹亜

シンプルな演出に徹した愛の讃歌からのギャップで、この日最大の演出盛り盛りの見せ場.

7分間に及ぶARミュージカル.新しい方向性という点でも凄い見応え.

王子様に憧れるあまり王子様ばりに活躍したり日菜子自身が王子様になってしまったり、最近の日菜子のキャラのいじり方もとても好きですね.ウテナからの女の子.

 

19.太陽の絵の具箱(大空直美、中澤ミナ、花谷麻紀、高田憂希

CD発売順では2曲目だけど昨年GOLD RUSH!の第一弾として実装された曲.

後々の同シリーズ楽曲群を知った上で振り返ると、穏やかなようで実は野心的な一曲だったんだなという発見が.

この日、キャストで面白かったのは中澤さんで、こんなに陰気なままステージ上がる人今までいたかなと.森久保みたいにキャラかっていうと別に雪美そういうキャラとも違うし、マイペースぶりがみんなの中で良いスパイスになっていて良かったです.

 

20.あらかねの器(鈴木みのり

宇宙歌姫オンステージ.滅茶苦茶上手い.知ってた.「伸びの果て含めて声の全部がちゃんとくっきり聞こえてる」人なんですよね.これにはウィンダミア人のルンもピカッと光ります.

 

21.Athanasia(立花理香・生田輝・桜咲千依)

昨春ロックダウン下でデレステに実装された、終焉と継承の曲.

あの頃はこのまま世界終わるんかなというくらい、描かれる美しい黄昏が状況と合致してしまって怯んだものですが、なんとか生き延びている今、改めて聞き入り魅入る.

普段はトップスタァ目指してスタァライトしている生田さんのメリハリある動きの切れが好きです.

 

22.君のステージ衣装、本当は… (洲崎綾飯田友子、中澤ミナ、ルゥ・ティン、朝井彩加牧野由依、星希成奏)

そしてAthanasiaでエモくなってるところへこの聞き覚えのないセンチメンタルなメロと歌詞.ミニアニメしんげきのEDとして実装されてたんですね、それを知らなかったので断片的に聞き取れる言葉の何もかもが切なさとして押し寄せてきて「ヤバい泣くが? メンタル雑魚過ぎか?」って.そう思ってたら、このあとにMC担当する大空直美さんが泣いちゃっててわかりみでした.

恐らく二日目の感想でも同じことを言いますが、次のイベントでデレステ実装される時につくPVは2Dアニメーションでしょう.その前に、本作の「振り袖でカーテシーする振付け」の鮮やかさ、美しさを目に焼き付けて欲しい.ルゥちゃんの舞、「アンコールの中の君が霞んでく」の中澤さんに魅せられて、歌詞とリンクしてヤバかったです.

 

23.Brand New!(河瀬茉希、富田美優、梅澤めぐ)

とうとう来たなこの時がぁとMC漢ばりに待ってた一曲.

以前のお披露目時に(イヤモニの不調かも)明らかに歌が先走ってしまった梅澤さんの成長が顕著に感じられる他、社長のイケボに隠れつつ富田さんのイケボも安定してて、何気にサイドが格好良くてセンターあかりんごが可愛いというバランスが綺麗.

アイマス内に留まらず去年一番聴いた曲の一つ.

 

24.青の一番星(ルゥ・ティン、高田憂希鈴木みのり

花簪、美彩ときたら当然こうきますよねの一曲.

青に染まり、振り袖で、扇子を手にして、両サイドに山紫水明.

何よりこの日のパフォーマンスずっと「和」という領域展開を得て羽衣小町、ルゥちゃんとりっか様の場を支配する霊圧(a.k.a安心感)がすごかったので、『花簪』『美彩』に続いていよいよ『青の一番星』の完成形を見た思いがします.

 

25.OTAHENアンセム(星希成奏、生田輝、深川芹亜朝井彩加松田颯水

「今日はオタクくんの大好物を持ってきたよー」で始まり最後にはARでウンコを降らすの言葉の意味が変わるのでヤバいと思うんですが、とにかくウンコを降らせました.

オタクコールを他のアイドルが担当したり、ウンコが降ったり、ウンコが降ったり(ウンコ降ったな)、「お願い死んでくれ」「誰もが死んでくれ」「お願い死にたくない!」と身も蓋も無いことを歌い上げる、このりあむの明るい露悪性に、どこかカタルシスがあって清々しい気分になれました.

実際にアイドルだけあって、どんなに派手に動いても声がよく通って崩れない星希さんの「喉から音源」ぶりも素晴らしい.

 

以降はPa曲を新鮮な面子で歌ったり、全体曲に流れたり、二日目と共通の流れが起こります.

曲目と出演者を見たらそれだけで楽しさは伝わるかと. 

 

26.絶対特権主張しますっ!(洲崎綾大空直美、桜咲千依、立花理香

 

27.情熱ファンファーレ(牧野由依、ルゥ・ティン、朝井彩加松田颯水鈴木みのり飯田友子

 

28.GOIN'!!(花谷麻紀、生田輝、河瀬茉希、富田美優、梅澤めぐ、星希成奏、都丸ちよ、深川芹亜、中澤ミナ)

定番曲を、フレッシュな面子で歌う.「まだまだやっていくぞ」という意思表示を感じました.

 

29.Wish you Happiness!!(全員)

 

30.青空エール(全員)

みんなで歌う曲をオリジナル歌唱メンバーが知らなくて草です.

 

31.お願い! シンデレラ(全員)

 

 

DAY2

 

1.Happy New Yeah!(全員)

 

2.義勇忍侠花吹雪(田澤茉純・新田ひより・嘉山未紗

一日目に「和」として場を霊圧で支配したのが羽衣小町だとすると、二日目は可惜夜月とミス・フォーチュン、和に似合うユニットが二組揃ってより統一感がありましたね.

特にいきなり可惜夜月の三人にスポットが当たるというのが、脇役…と言うと失礼にあたるのは重々承知の上で、でも敢えて.イメージとしてずっと作品を影から支えてきた脇役が一気にメインに躍り出た興奮がありました.

二日目、ずっとあやめ殿こと田澤さんが目に焼き付いていたんですよね.衣装、くのいちキャラ、眼差しが見事にリンクする.

 

3.命燃やして恋せよ乙女(高橋花林、三宅麻理恵、会沢紗弥、原田彩楓杜野まこ

初日に続いて、口上での5人それぞれの「乙女」語りに注目です.ウサミン…!

 

4.Never Ends(藍原ことみ渕上舞松井恵理子

王者の風格.総選挙人気上位者三名に花屋さんの楽曲、何もかも強すぎて.ことみん舞さんが良い、それはもう触れずとも当たり前なんです.知ってる.加えてまつえりのスタイル(髪型含めて)が今回あまりに格好良い.この日のアーカイブ、まつえりのパフォーマンスは特に繰り返して何度も見てます.すべてが絵になる.

これまたアイマス内外問わず昨年トップクラスで聴いた曲.

 

5.ほほえみDiary(金子有希、新田ひより)

癒やしのインディゴ・ベル.

元々山田尚子作品でねこさんのファンだったので、デレステ入った時はあーちゃんの『お散歩カメラ』がお気に入りで延々プレイしていたのですけど、そのソロ時の雰囲気を保ったままユニット曲に昇華して歌鈴のキャラも拡げる、なかなかにくい曲ですね.

ひよりさんも歌鈴ままって感じでハワワ…してて良き.

 

6.幸せの法則~ルール~(天野聡美・森下来奈)

癒やしのミス・フォーチュン.

出ているだけでずっとありがたい空気を発するという、二次元キャラだから成立する存在感を実在の人が、それも二人揃って醸し出しているバグ.

ラナちゃんがそうであることは重々存じておりましたが、この日あやめ殿と並んで「今まであまり注目してこなかったけれどつい目がいってしまう人」が天野さんでした.すごく繊細な単位のニュアンスで常時「ほたるらしさ」を再現されていて凄い.

 

7.Snow*Love(武田羅梨沙多湖・津田美波・金子有希・高森奈津実・嘉山未紗

 

8.Sing the Prologue♪(村中知千菅春香杜野まこ・会沢紗弥・田澤茉純渕上舞・長島)

 

9.ススメ☆オトメ~jewel parade~(村中知田辺留依藍原ことみ嘉山未紗・森下來奈・三宅麻理恵松井恵理子原田彩楓

 

10.ステップ&スキップ(天野聡美・会沢紗弥・高橋花林)

そんなほたる、いつもながら森久保になりきってカメラを見てくれない花林ちゃん、そしてデレライで鮮烈な登場を果たし、今じゃツイッター芸人としてユーモアセンスを発揮し過ぎるくらい発揮しながら華やかな美人さんになった会沢さん.曲自体もドチャクソ好きなのもあるんですけど、本当にアイマス関係なくこういうアイドルユニットですと言われても通用する三人だと思いました.

 

11.Shinobi 4.0 忍者のすゝめ(田澤茉純

そんな、本日ずっと気になってるあやめ殿の眼差し過剰摂取です.

 

12.Needle Light(田辺留依長島光那

実はゲーム実装時すごく苦手な曲だったんですけど、ライブで見るこの曲は大好きなんですよね.演出も「メガネ」!

 

13.躍るFLAGSHIP(津田美波渕上舞

ひたすら聴き続けてたのにデレステ未実装な音源が! ここで!

取り乱してすいません、もはや取り返しつきませんと二度目のMC漢登場.

DAY1で三部作の『不埒なCANVAS』『イケないGO AHEAD』が来なかったのでこれはこないかもと思っていたのですが.

曲の構成が一点に向けて盛り上がっていく形なので、ひたすらライブ映えです.

しゅがはを入れて三人で改めて披露したいと津田さん仰ってました.仰ってました!

「待っててね」

 

14.Joker(杜野まこ村中知千菅春香・高森奈津実)

この曲が本日の目玉と思っていましたが、上がりに上がっていた『躍るFLAGSHIP』の後でというのは反則が過ぎますね.リアタイ初見時の記憶がほぼ無いです.

みんながみんな声量持ち、かつ強キャラなので、ここにやはり歌唱巧者の下地紫野さんまで混ざったらどうなるのだろうと完全版を見たくなる.

「Ember Last」の看板が下りてくるMV演出がARで完全に再現出来ていたのも嬉しい.

因みに振り付け師の先生のアイデアで、ダンスにここにはいない中野有香のポーズが取り込まれているとのこと.

まこさんの鋭い眼差しも格好イイ.

 

15.ダイアモンド・アテンション(金子有希・松井恵理子嘉山未紗・武田羅梨沙多湖・天野聡美・原田彩楓高橋花林)

 

16.きゅん・きゅん・まっくす(藍原ことみ津田美波・高森奈津実・新田ひより)

志希にゃんのキュートに振り切ったパフォーマンスが稀少です.

それと初日のつかさ社長、二日目のみくにゃん、どんなに大勢で歌っていても、声量に加えてキャラの歌い方の癖が強いのでハッキリ声が聞き取れるのが面白き.

 

17.春恋フレーム(長島光那

この2日間、ソロ曲初お披露目したアイドル達の中で、一番楽しげで軽快だったのが長島さん.トークコーナーにて「お客さんが入ってこそ本当のお披露目」だと思っていることが判明したので納得でした.メンタル強い.

 

18.思い出じゃない今日を(武田羅梨沙多湖)

推し沢山いる人間なんですけれどもTOP3を挙げるとしたら茜、つかさ社長、そして柚でして.

この曲も実は『世界滅亡orKISS』に少し似て物語を丸丸聴かされているようなエモさがあるのですが、このあとのトークコーナーでの武田さんが打ち明けた心情はちょっと涙なしに聴けなかったですね.恐らく他の声優さんたちの中にも多かれ少なかれそういう気持ちがあるんだろうなと.

 

19.初夢をあなたと(森下来奈)

ハピネス・エールの和服美人ぶりがハンパじゃないラナちゃん.

まだ発表されて間もない曲ですが、全ソロ一曲目の中でもトップクラスに好きかも知れない.

 

20.印象(天野聡美・田澤茉純原田彩楓

オリジナルメンバー揃っての初披露.

最初に聴いた時あまりに地味過ぎる気がしたのですが、最近じわじわ沁みてくるようになってきました.

会沢さん同様、ライブデビューの瞬間をライビュで見ている原田さんが今ではライブを「支える」側に回って頼もしいことが感慨深かったです.

 

21.オルゴールの小箱(高橋花林・武田羅梨沙多湖・渕上舞千菅春香松井恵理子・金子有希・会沢紗弥)

これまた『ススメ☆オトメ』同様空気のように「あって当たり前」だった曲なので改めて真剣に歌われると不思議な感覚になりますね.みんなが俺の目を見て「君が好きだ」と言ってくれるので俺の方が好きだが? ってなりますし、森久保ここではカメラ見るんだ? という衝撃が.

そして、言うまでもなく知ってたちっすーさんの歌の巧さが格好イイ系じゃなくしっとり系バラードで聴ける醍醐味.この日の公演のミソの一つとして、涼さんや軍曹がイメージのない曲を沢山歌ってくれる、という点は大きかったです.

 

22.君のステージ衣装、本当は…(藍原ことみ三宅麻理恵・新田ひより・田辺留依津田美波・高森奈津実・森下来奈)

初日と同じ感想になってしまうんですが、この曲のエモさは何…

ウィスキー飲みながら延々リピッてしまうのですが.

ドレスのカーテシーがたまらないし、初日のルゥちゃん、そして二日目のウサミンの裾をつまんだままクルッと回転する振付けが凄い好きで.ウサミンはこういう曲もやれるんですよ!っていう、どこかもわからないけどどこかに主張したくなる.

一日目の中澤さんに続いて、二日目は田辺さんの「アンコールの中の君が霞んでく」に心臓わしづかみにされます.田辺さんもまた滅茶苦茶歌巧いからな.

トークコーナーでキャストもみんなこの曲エモいと話題にしていた事が明らかに.

そして一人一人歌詞の解釈が違った、と.

 

冗談抜きでPの皆さんには

君のステージ衣装、本当は…』のステージパフォーマンスだけでチケット買う価値(若しくはソフト買う価値)アリ

と伝えたいです.

 

23.One Life(千菅春香長島光那杜野まこ

そして格好イイ全フリの涼さん曲.

余談ですがSpotifyで昨年聞いた曲TOP5にちっすーさんの『絶滅危惧少女』が入っております.

初日のみのりさんと二日目のちっすーさんの歌ウマおばけをぶつけたらどうなるんだろうという恐ろしい想像をしてしまいました.

そこに楓さんも混ぜたらもう誰も追いつけない.

 

24.弾丸サバイバー(村中知

一日目の核兵器がりあむだったように、二日目の核弾頭が軍曹.

りあむはARで観客にウンコを降らせた訳ですが、軍曹はARで観客を皆殺しにします.

これ観客入っていた場合、「ライビュで見ている人はわかって現地の人にはわからない」状況が生まれるんだなと思うと、それって凄く面白そうだなと.

ワートリの主演声優がこんな濃いキャラで公演中ガッツリ演じきってくれてるのがありがたい.

 

25.オタク is LOVE!(松井恵理子田辺留依三宅麻理恵

この曲実はそこまで得意ではなかったんですけど(オタク賛美に引いてしまうオタクなので)、パフォーマンスでこそ輝く.

あと本公演で唯一? パフォーマンス中に観客に呼びかけて演出で巻き込んでいくくだりがあったのも見所です.

 

26.絶対特権主張します!(高橋花林・渕上舞・高森奈津実・藍原ことみ長島光那

特権! 特権! 特権! 特権です!

 

27.情熱ファンファンファーレ(津田美波千菅春香・金子有希・杜野まこ村中知三宅麻理恵

ファンファンファン ファンファンのファン!

 

28.GOIN'!!!(会沢紗弥・森下来奈・嘉山未紗・武田羅梨沙多湖・田辺留依田澤茉純原田彩楓・新田ひより・天野聡美)

 

29.Wish you Happiness!!(全員)

 

30.青空エール(全員)

 

31.お願いシンデレラ(全員)

 

最後の挨拶、珠美役の嘉山さんが、順番にしてほとんど最後だったかな? 

やっぱりここに観客がいないという事は寂しい、ということを涙ながらにハッキリ述べられて、それはこの最後のタイミングだからこそ言えたことだし、そしてまた言うべきことだったし、とても勇気のいることだったと思うんですけれど、現地になど一度も行けたことがない自分が言えることじゃないんですけど、凄く救われました.

 

退場時、ずっと笑顔でMCをしていた津田さんが、最後にお辞儀して去って行く際に涙を堪えていた姿も目に焼き付いてます.それは感動とか達成感とか、そういったポジティブな感情だけの涙ではなかったように思う.でも焼き付けます.忘れない.

 

18日23時59分ギリギリまでアーカイヴ拝見可能ですよ.

本公演は映像ソフト化が決定したので今しか見れない訳では勿論ないし、月曜までだとそんなに見れないからいいやという人には当然推奨しませんが、

 

二次元のアイドル達は永遠かも知れないけれど、そのアイドルを演じる彼女たちの今は今しかないので、

 

それからマジでみんなの振り袖姿が可愛いので(特に津田さん和服美人過ぎてずっと映るたびに「え、津田さん和服美人過ぎる」と吃驚してました.津田さん和服美人過ぎる)、

 

今からでもチケット買って、この2021年の新春ライブをアーカイブで堪能する、そんな週末も悪くないじゃないかな? と提案したく、拙速な乱文恐縮ですが、感想綴らさせていただきました.

 

2020年劇場鑑賞映画100タイトル ベスト50とワーストまで

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2020年、コロナ禍のロックダウンで二ヶ月間映画館へ足を運べない日が続いたにも関わらず、振り返れば劇場鑑賞作品ちょうど100タイトルもありました(『FateHFⅢ』と『2分の1の魔法』は二度観賞してるので、回数だけなら102回 ).

これは個人的に例年より多い数字.

大作映画の公開延期が相次ぎ、普段ならミニシアターまで足を運ばないと観賞できない、どころか、ものによってはビデオスルーされるかどうかも怪しいマイナーなタイトルがスクリーンの穴埋めに大量に輸入され、ほとんど闇鍋気分で知らない映画に身を委ねる新しい映画体験を出来たと思います.

イオンシネマのワンデーフリーパスポートを存外活用出来たのも功を奏しました.利用する前は一日何本も映画見れないよと思うのですが、当日いざ購入してみると不思議と楽しくなって何本でも観れてしまうのです.再び施行される日があれば皆さんも是非ご利用してみて下さい.

 

観賞した100タイトルの概観としては、月並ですが「バラエティ豊か」.決して水準が高いとは言えない、と言うかハリウッドという中心線が抜けたことでむしろ水準が存在しない無秩序な表現がただ「映画」という枠組みに無理やり収まっているだけに過ぎず、実際は広大な宇宙にてんでバラバラに点在している印象です.

 

ベストを選ぼうにもそれぞれ体験のベクトルがバラバラ過ぎて同じ評価軸を持ちようがないので、単に10本選ぶよりも簡易であれ個別に感想つけて記録しておこうと思いました.

 

細かい数字よりも、大まかな4ブロックで別れています.

実質1位から4位までですね.

 

1位~50位  = ベスト.全部1位!

51位~70位 = 普通に楽しめました.

71位~90位 = 一長一短アリ.

91位~100位 = ごめんなさいワーストです.

 

 

1位~50位 = ベスト.全部1位!

 

1位.透明人間

真相がわかるまでのあの怖さ.真相がわかってからの「あああそうくる」という感動.

そこから先の展開の読めなさ.事態が動くときの昂揚感.

何より全編を覆う撮影、演技、音響の一体感.ありがとう.

 

2位.鵞鳥湖の夜

映画の世界に迷い込み、耽溺し、酩酊する魅惑.

鵞鳥瑚に惚れ込みながらもロケ地の距離的に鵞鳥瑚での撮影が不可能だとわかったので武漢市を鵞鳥瑚に見立てて撮った、という本末転倒なメイキング秘話を知ると、よりこの世界のいかがわしい見世物感が増す.

そしてそこにはもう帰れないのだ.行きたくもないあんな恐ろしい場所なのに、その世界は時代の趨勢の影に消されていくだろう.そのことがうら寂しく、けれど新しく開かれた世界が女性達を出迎える.

 

3位.薬の神じゃない!

くすぶっている駄目人間たちが、私欲の延長上で社会正義を成す.そのリアリティと娯楽性のバランス.本作は中国映画だが、ここ十数年間韓国映画が得意としていた部分を、ひと味変えてより地に足をつけた描写力で、そして非常に高い完成度で魅せる.

カタルシスだけで全てを浄化出来ないくらい現実に則したしんどさも刻まれていくだけに、最後のロマンチックな飛躍で涙腺を刺激されてしまう.顔に人生刻まれた俳優陣といい、総じてレベルが高い.

 

4位.ナイブズアウト/名探偵と刃の館の秘密

スター・ウォーズ』から解き放たれたライアン・ジョンソンが、自身の大好きな古典的ミステリーに映画の形で挑戦し、ちゃんと良く出来た王道ミステリーとして成立している.当たり前に完成しているので当たり前に受け止めてしまうけれど、この王道っぷりは異常なレベルでは.100年前からある古典かのように堂々振舞っている.それでいて正に現在の話にもなる.完成度もさることながら、その心意気に感動してしまう.

彼のフィルモグラフィでもここまで何からも逃げなかったのは初めてではないか.

 

5位.喜劇王

久々に観たチャウ・シンチー作品.香港映画界の系譜の意地.合間合間に知らないオッサンの女装コントを延々と見せつけられつつ、ここまで一本の映画で喜怒哀楽の振り幅を描くことが出来るのかと驚愕する.明らかに昨年映画館で一番感情を弄ばれた映画.ネタバレなしで見て欲しい.

 

6位.ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(MX4D上映)

人生で最も劇場で鑑賞し、恐らく映画史でもっともアトラクション型を極めた作品が、文字通りのアトラクションに進化して帰ってきた.噴水と煙つきのスターツアーズ.エヴァのコックピットに揺られて、確かに使徒と戦ったんですよ! 俺が! 同じ劇場にいたみんなと! そしてその臨場感を持続させる為、ショットの連鎖が、音が、舞台の構造が、劇伴のタイミングが、台詞の抑揚までもが、如何に緻密に構成されているか.改めて吃驚する.

 

7位.サヨナラまでの30分

『37セカンズ』と合わせて、技術的な面に於いて日本映画にまとわりつく見えない壁を打破したエポックメイキングな一作.それでいてここ十年ほどの日本映画史を(アニメ/実写問わず)引き連れていて、「過去の記憶を引き連れている」ということ自体がカセットテープの両面を描くテーマとも重なる.心に爽やかな一陣の風が抜けていった.

 

8位.囚われた国家

綺麗なラストシーンへ向けて一直線に向かっている物語なのだけど、個人的にはそのラストシーンは無くても構わない.宇宙人の支配が進行する街の片隅で反逆者たちが殺風景の中を移動していく、その映像の移ろいそのものに心地良く鼓舞される.「経過」こそが素晴らしい一作.

二ヶ月ぶりに劇場鑑賞した映画が本作で本当に良かった.

 

9位.青くて痛くて脆い

あまりに卑小な大学生の自意識の問題を、あたかもスパイ映画か何かのように大胆に演出されて訳のわからない笑いが止まらない、2020年最大の大穴作品.「ここ」に焦点を当てて映画として、それもエンタメ映画として成立させるという奇跡.誰か個人の野心によるというより、偶々生まれた快作なんじゃないかと思う.これだけ多彩な映画を観賞出来た年に本作をそんな評価して良いのかと迷うのだけど、横断歩道のクレーンショットが決まっていることが最後の一押しとなってまぁいいかとほだされた.

 

10位.ティーン・スピリット

こちらは『青くて痛くて脆い』と違って決め手となるショットさえ特になく、ドラマはキャラメルとかを包んである食べられる紙よりよっぽど薄い.ついでに画面が暗くて何が映ってるのかもよくわからない.褒められる箇所なんて何一つ無いと言っても過言ではない.

それでもこの映画、ただ一点「ティーンのスピリット」だけは全編に投影されていた.こんな風に不安で朧気に世界が見えていることは確かにあると共感し没入出来たので、忘れられない一本.「青くて痛くて脆い」はむしろ本作の為にある言葉では.

 

11位.ストックホルム・ケース

映画を観る、映画と共犯関係になるということ.

 

12位.ひつじのショーン UFOフィーバー!

台詞など無く、パロディだらけなのにこの完成度.

 

13位.空に住む

マンションポエムの文句なき具現化.青山真治最高傑作.

 

14位.レ・ミゼラブル

ドローンがこんなに印象に残る映画もなく、この魔境「団地」は世界中に溢れている.

 

15位.思い、思われ、ふり、ふられ(実写)

典型的な少女マンガであり乍ら、撮影ひとつでここまで多くの陰影が浮かび上がる.

 

16位.スパイの妻

切り上げ時は間違っている気がするが、そこまでの切れ味は完璧.

 

17位.ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語

「過去であり現在である」という主題が今の流行りだとして、その最高峰.

 

18位.魔女見習いをさがして

アニメ映画では珍しい、どこに連れて行かれているのかわからない変な話術.

 

19位.劇場版ポケットモンスター ココ

運動によって画面を誘うのだという原理主義的な意思による脚本の小さな手間暇が一貫してて凄い.

 

20位.フォードVSフェラーリ

ノスタルジィが過ぎる気もするが、存在しない郷愁を植え付けられて抗えない.

 

21位.ブラッドショット

時期が功を奏してULTIRA環境で観賞出来たのだけれど、普段何気なく流し見しているB級映画とは、環境さえ整えば実は凄い傑作だらけなのではという発見をくれた.

 

22位.レイニーデイ・イン・ニューヨーク

いつものように小粋でこじんまりしたウディ・アレンでありながら、何か残る印象が違って見えたのはコロナ禍だからか.しかし緑が鮮やか.

 

23位.ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(MX4D上映)

ヤシマ作戦をピークにして、ずっとコースターに運ばれて運ばれて最後に滑降する、まるで最初から4D体験の為に作られていたんじゃないかと錯覚してしまう.

 

24位.少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド

総集編.だけど凡百の劇場版アニメより余ほど「映画を観ている」快感があった.

 

25位.風の谷のナウシカ

劇場初観賞.前シーンの反転攻勢だけで紡がれる流れ.宮崎駿の天才ぶりを改めて.

 

26位.はちどり

鑑賞中はどうにも画角が小さい気がしていたが、振り返ると余りに巨大な印象が残る.

 

27位.パラサイト 半地下の家族

瞬間的な沸点で言えば2020年最大級の面白さ.ただ終盤はポン・ジュノの手垢が目立つ.

 

28位.ムルゲ 王朝の怪物

歴史劇+怪獣映画という珍しいジャンルをこうも軽快に乗りこなせる地肩の強さ.

 

29位.2分の1の魔法

2020年もっとも美しいクライマックス.ピクサーの「スカし」の美学の頂点.

 

30位.映画 クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者たち

水島努降板以降で初めて黄金期に比肩しうるところまで持ってきた快作.

 

31位.37セカンズ

後半の展開で物凄い疑問点が一個浮かんだのがノイズだけど、でもエポック.

 

32位.わたしは金正男を殺してない

己の無邪気と無知を糾弾されたような気がして忘れられない.

 

33位.Mank/マンク

依然フィンチャーは絶好調.にも関わらずこの順位という豊作ぶりです.

 

34位.シチリアーノ 裏切りの美学

死者カウントテロップと刑務所融合型裁判所.大巨匠の映画なのに発明だらけ.

 

35位.悪人伝

バイオレンスとアクションを駆動させる為だけに全てが淀みなく機能する.

 

36位.劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel. Ⅲ spring song

絵としては単調になりがちな展開に空間の構造的緩急で視線を誘導する創意工夫.

 

37位.ジョゼと虎と魚たち

全てのセクションが自分にとって心地良い「理想の邦画」を描いてくれた.

 

38位.滑走路

希望と絶望と未来と過去がワンショットに収まる、そしてはみ出していくラストショット.停止ボタンは絶対に押せない映画館と、人間の目が二つしかないことが、こんなにも残酷に思えたことはない.

 

39位.エクストリーム・ジョブ

観客の人情への共感を誘う大衆娯楽映画として昨年度屈指の出来.愛おしい.

 

40位.リチャード・ジュエル

イーストウッド以外に誰がこの主人公をここまでスリリングに切り取れるのか.

 

41位.his

映画的快楽を奪われた法廷という場が痛ましく胸に残る.

 

42位.犬鳴村

怖くは無いが、Jホラーのアドベンチャー的興味を大いに満たしてくれる.

 

43位.ルース・エドガー

白黒つけない作りはズルいとも思いつつ、あまりに時代と合致してしまった.

 

44位.SKIN/スキン

覗いてみよう、極右の生活.一度逃げ出せば地獄が待っている.

 

45位.ドミノ 復讐の咆吼

巨匠の巨匠たる個性がただのトンデモにしか見えない哀れと滑稽さ.だが愉しい.

 

46位.ザ・ピーナッツバターファルコン

「あの人」が会っていきなり自分の役割を汲んでくれた瞬間に涙腺ドバー.

 

47位.カラー・アウト・オブ・スペースー遭遇ー

意味もなく、全てがぐっちゃぐちゃになって終焉を迎える.這い寄るニャル子さん

 

48位.羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(吹替版)

字幕版を昨年観てるので新味は薄いが、しかし複雑な余韻は増した.

 

49位.ファヒム パリが見た奇跡

特別なことは何もしてない、ただ良い映画.そして善き人の映画.

 

50位.パリのどこかで、あなたと

映画を「見守る」という映画.相対するのではなく、寄り添う映画の形.

 

51位~70位 = 普通に楽しめました.

 

ストレイ・ドッグ

無骨で愛想の無い映画があってもいい.そうだろう? 時を戻そう.

 

ワンダーウーマン1984

現実に負けないくらい映画もしっちゃかめっちゃかになってくれる嬉しさ.

 

思い、思われ、ふり、ふられ(アニメ)

ズバ抜けた要素は無いが、欠点も何も無いのだ.

 

WAVES/ウェイブス

なんか小バカにされ過ぎてて「え、これそんな駄目…?」って少し落ち込んだ…

 

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

話の陳腐さに引いた腰が、凄い美術が提示されるその都度にそちらの世界に引き戻される、の攻防を2時間繰り返されて結構圧倒された.

 

ミッドサマー

確かに観光映画だと思う.『ヘレディタリー/継承』を観た人を、その先の世界へと案内している観光映画.

 

ロマンスドール

年の初めに観たのであまり覚えていないが、良かったことだけは覚えている.題材で叩かれているのは流石に違うだろうと思った.

 

1917 命をかけた伝令

行き過ぎた長回しはゲーム観てる気分になっちゃうところはあります.

 

ジョジョ・ラビット

タイカ・ワイティティは好きなのだが、軽さを活かす為の重さとのギャップが演出上弱いような気はした.

 

劇場版 SHIROBAKO

反復と差異はわかるが、TVシリーズとまるで違う事が起こって欲しかったし、TVシリーズの頃からそうなんだけど劇中作られるアニメにあまり興味が沸かない.『限界集落過疎娘』が観たかったなぁ.

 

TENET/テネット

公開してくれた事、挑戦してくれた事が嬉しい.

 

ブラック&ブルー

出来は良くない.演出も稚拙.けれど推し.そんなアイドルみたいな作品.

 

ライド・ライク・ア・ガール

「淀みない」は褒め言葉にもなる一方、どこかで淀んで欲しかったとも.しかし女性映画の快作としてもっと評判になっても良かったのでは???

 

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

アメリカンコメディチームの流れが途絶えずアップデートまでされている歓び.ただ個人的にそこまで爆笑するポイントが無かったのはコメディとして弱いかなと.

 

映画 プリキュアラクルリープ みんなとの不思議な一日

「タイムループを起こす黒幕の正体」がアイデア賞モノだし、幼児向けと捉えると最善の出来かも知れない.昨年のプリキュア映画が凄まじい傑作だったので評価控えめ.

 

この世界の(さらにいくつもの)片隅に

確かにこの挿話も映画で観たいとは思っていた.でも構成はオリジナルの方がスマートだったりするので難しい.

 

ACCA 13区監察課 Regards

あまりにお洒落なタッチが続くので無の心で観て、無の心になり過ぎた.

 

千と千尋の神隠し

新しい発見が無さ過ぎた.大傑作ですが.

 

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

311の記憶生々しい2012年観賞時の余韻はもう味わえないのだなという発見.でも本当に好きな心の一作です.

 

71位~90位 = 一長一短アリ.

 

ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!

いや最高ですよ.恐らく宇宙イチ幸せなラスト.

 

事故物件 恐い間取り

映画なのにバラエティ番組のような、バラエティ番組なのに映画のような.

 

FUNAN フナン

重たい史実を重たい史実のまま提示される意義と物足りなさと.

 

マルモイ ことばあつめ

日本人として真摯に受け止めるべき題材.だが演出に後一歩のエッジが欲しい.

 

パブリック 図書館の奇跡

これまたとても意義深い映画.なのだけど演出にあと一歩のエッジが(ry

 

どうにかなる日々

映画として何か感想を抱くにはやはり何か足りていない印象.

 

15年後のラブソング

とても緩くて印象に残らないが、それが欠点とも感じないのでズルい.

 

mellow

田中圭ともさかりえとのやりとりだけで最高.可愛いだけで出来ている.

 

劇場版 ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌

やー。。。。。。っと、見返すことが出来た嬉しみ。。。。。。(>_<)

 

ようこそ映画音響の世界へ

トリビアとしては面白いが、それは映画なのだろうか

 

ボルケーノ・パーク

素晴らしく中身が無くて好きです.

 

ラストレター

緩慢だが、庵野秀明の出番さえ霞む「あの二人」の使い方、そして校舎のシークエンスは強烈.

 

ディック・ロングはなぜ死んだのか?

悪意によって作られてある、ベストに選ばれることを拒否してる作品.

 

コンフィデンスマンJP プリンセス編

前半、なんなら中盤の終わりくらいまでも確かに面白かったんですよ.

 

宇宙でいちばんあかるい屋根

丁寧だけれど、何も刺さらなかった.でも振り返ると印象的な絵は確かにある.

 

バッドボーイズ フォー・ライフ

彼岸の匂いがする不思議なフィルムだった.

 

ジェクシー! スマホを変えただけなのに

明らかにここから盛り上がる、という部分で切り上げる謎.

 

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY

ハーレイ・クインは最高にキュートなので他には何も要らないけれど.

 

アルプススタンドのはしの方

体育会系的マチズモにすべて回収されていくようで、居心地が悪かった.

 

キャッツ

レ・ミゼラブル('12)』よりは面白かった.

 

チャーリーズ・エンジェル

全体に「線が細い」という感がありましたね.

 

俺たち替玉ブラザーズ!

ヴェトナムコメディに対する免疫が無かったので刺激的でした.

 

91位~100位 = ごめんなさいワーストです.

 

91位.キルバード 森に潜む反逆者

俺の理解力が足りないのか映画がサービス不足なのか.いや悪い出来ではない.でも消化不良感がハンパなかった.

 

92位.魔女がいっぱい

後半は好きなんですけど、前半ちょっと枯れ過ぎてやしないか.

 

93位.リトル・ジョー

やりたいことはわかる.でもこれは流石に寝る.

 

94位.ランボー ラスト・ブラッ

『エイリアン3』的な意味でなら楽しめるけれど、そんなにハードル下げたくなかった.

 

95位.デッド・ドント・ダイ

これが全国シネコンでかかったあの異常な週は忘れない.1位とか取らなかったっけ.死者が撮った、映画のフリをした亡霊が、亡霊と化した地球でかかっている.まるで人類が映画に乗っ取られたような… ただそれが例えば『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ』であったなら詩的で素敵ですけど、本作は流石に…

ジャームッシュならなんでも許すと思うなよ.

 

97位.劇場版 鬼滅の刃 無限列車編

逆張りと思われそうで嫌なんですけど、大ヒットは本当に喜ばしいことだと思うんですけど、それでも原作の印象を塗り替える瞬間が最後まで一度も現れなかった.映画と相対したいのに、全てが目の前を素通りしていくようなもどかしさ.いや、あったはあった.石田彰の声がした瞬間.石田彰の一声に2時間のアニメが負けるんですよ.それは駄目でしょうと.

ufotableの勝負はここからだ.

 

98位.劇場版 Fate/Grand Order 神聖円卓領域キャメロット 前篇 Wandering;Agateram

俺の頭の中のFGOはこんな退屈じゃないので. 演出家にはやっぱり「嘘をつく」「ハッタリをかます」度胸が欲しい.

 

99位.アンチ・グラビティ

人生初めての映画館貸し切り体験をした思い出の一作なのでお気に入りです.

つまり、99位まではワーストと言いつつ観て良かった映画なのです.

 

100位.風の電話

自分の体調が最悪だったという特殊条件も合わさってのことですが、個人的に心底嫌いだと感じた一本.洒落臭いシネフィル的リテラシー、現実の悲劇の上にあるドキュメンタリズムも人質にしつつ、説明臭さも説教臭さも辛気くささも持ち合わせる.

誠実なツラした傲慢な映画だと感じました(そこまで言うほどなのかどうかは疑問になってきましたが、観賞時の不愉快さが今も消えない).

シネフィルが「映画らしさ」を甘やかしていくとこういう映画が生まれるという事は肝に銘じていこうと思いました.

そういう因縁の映画と出会えることも、結局楽しいんですけどね.

 

自宅鑑賞映画ベストは以下の感じ.今年は劇場鑑賞作品に絞ってベストを汲みましたが、そろそろ配信映画もベストに数えて良いのかも知れない.

 

 

 

 

似たようなドンパチ映画やアメコミ映画を並べる訳でもなく、本当に多彩な映画の記憶に思いを馳せることが出来て大変楽しかったです.

「映画ファンとしては」皮肉にもとても楽しい年だった.それは否めないことは記録として留めておこうかと思います.

 

 

大晦日の映画の採点

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晦日に間に合いました.

 

『マイル22』

【採点】

【監督】ピーター・バーグ

【制作国/年】アメリカ/2018年

【概要】CIAの極秘部隊「オーバーウォッチ」に所属するシルバは、今日も少年を含むロシア人組織を壊滅させ、苦い後味を噛みしめていた.次の任務は東アジア某国.極秘情報を抱える元警官リーを無事に国外退去させる事.不敵なリーの真意を計りかねながら、オーバーウォッチは過酷な戦闘の旅路を開始する.

【感想】

 量産体制バリバリ続行中のピーターとマーク・ウォルバーグが、『ザ・レイド』のイコ・ウワイスと組み、約90分といういつにないコンパクトさでまとめ、実話は基にしていない、と、実はかなり攻めの一本.本国では酷評されたようだけど、ブツ切りみたいな終わり方含めて、むしろアクション監督ピーターの本質が(失敗してる部分含めて)剥き出しで刻まれていて悪くない.ウワイスにちゃんと演技させてるのも好感.

 

『呪われの橋』

【採点】A

【監督】レスター・シー

【制作国/年】台湾/2020年

【概要】2020年の2月28日、落ち目の女性レポーターがカメラマンを伴い、とある大学で過去の事件を調査している.ここで肝試しを行った4人の学生が溺死し、1人が行方不明になったのだ.映画は記録映像から過去に遡る.そこでは6人の学生が、呪いの橋で禁断の肝試しを行おうとしていた……

【感想】

 幽霊出てくるかなー、まだでしたー、という緩急の技巧が大変豊かで、ジェームズ・ワン以降のホラーの形を洗練して受け継いでいる.それでいてサービスする時は堂々見せるのも厭わない.ホラーまでレベル高いのかよ加減してくれよ台湾映画.終盤で真相が明らかになると「あれ? じゃあ前半どう映してたんだ?」となる仕掛けも施されている.作り手の手腕を楽しむタイプの映画.今年一番の拾いモノだった気が.

 

ゲティ家の身代金

【採点】B

【監督】リドリー・スコット

【制作国/年】アメリカ/2017年

【概要】1973年、ローマ.世界屈指の大富豪、石油王J・ポール・ゲティの孫が誘拐され、多額の身代金が要求される。義娘アビゲイルの懇願も聞かず、金を出し渋るゲティ。アビゲイルは交渉人チェイスと共に犯人を捜索。一方、情が移った誘拐犯の一人はなんとかゲティの孫を生還させたく、必死に要求を呑むようアビゲイルに連絡し…

【感想】

 非常に奇妙な誘拐映画。他方に富める者から奪い取ろうと画策する悪があり、他方に富を独占しようとする悪がある。『悪の法則』では見えざる世界の「システム」が人の命を奪っていったが、本作では悪のシステムが2つ運行し、まったく譲り合おうとしない。結果として「隙間」が生まれる。だから何なのかまでは受け取れなかったが、変な映画だ…と感じる面白さはあった。ケヴィン・スペイシーMetoo運動で告発され、公開直前に急ピッチで再撮影に応じたミシェル・ウィリアムズとマーク・ウォルバーグ、それに代役のクリストファー・プラマーに拍手。その再撮影時のギャラで男優と女優のギャラに圧倒的格差(千倍!)が生じ、その事実を知ったマークはミシェル名義で自分のギャラを全額寄付している。

 

『コンジアム』

【採点】B

【監督】チョン・ボムシク

【制作国/年】韓国/2018年

【概要】CNNによる「世界七代禁忌の地」に選ばれたコンジアム精神病棟跡を舞台にした罰当たりPOVホラー.人気Youtubeチャンネルの配信者ハジュンは、6人の有志を募ってコンジアムに潜入取材を開始する.一人、拠点を作り皆のカメラをチェックし指示を出すハジュンだったが、現場の6人はそれぞれに怪奇現象に遭遇し…

【感想】

 旧日本軍が拷問に使い、後に韓国人医師が引き取ってからも精神病棟として虐待が行われたというガチガチにヤバい本物の恐怖スポット、なのだけど、映画はドローンも使いつつ丁寧にPOVを使いこなしていく(でもドローンは恐怖演出には活かされない)、器用な技巧のお披露目回みたいなところがあって、『呪われの橋』の後に見ると何か話にもアクセントが欲しかった.

 でも「そこに立ってる」「振り向くたびに近づいて来る」は定番ながら怖い.

 日本軍兵士の幽霊が襲ってきて生体解剖されちゃう(『TATARI』みたいな)くらいの攻めた内容を期待していなかったと言えば嘘になる.舞台がコンジアムである意味が弱いんですよね.或いはブラッド・アンダーソンの『セッション9』のような味わいに振る方向もあった.

 

『灰とダイアモンド』

【採点】A

【監督】アンジェイ・ワイダ

【制作国/年】ポーランド/1958年

【概要】ドイツ降伏直後のポーランド。権力を握るソ連派の労働党にダメージを与えるべく、抵抗組織の構成員マチェックとアンドルゼイは党地区委員長シェーツカの暗殺を実行。しかし勘違いで別人を殺してしまう。次なるチャンスは終戦祝いのパーティ。マチェックはそこでクリスチナと運命の恋に落ちながら、シェーツカ暗殺の隙を窺う。

【感想】

 子供の頃、NHKで放送されたのをVHSに録画したはいいが画面がざらざら過ぎるし全然わからないしで脱落した映画、改めて観てみたら冒頭のシーンからして全く記憶と内容が違った! 理解不能過ぎてやたら「大きな映画」だと思い込んでしまったんだな.実際はほぼ一夜のパーティーで、酔っ払いたちの介入でまるで計画がうまく運ばないスリルとユーモアが良い塩梅。シェーツカの悲哀(検閲逃れの目眩まし要素でもあるのだが)もマチェック達も、ワルシャワ蜂起後であるという前提が結構大事。

 最初に暗殺を失敗した時点で全ては決まっていたような虚脱感と、だからこそ燃える恋と花火が儚く胸に残る。

 

バーニング・オーシャン

【採点】B

【監督】ピーター・バーグ

【制作国/年】アメリカ/2016年

【概要】メキシコ湾にある石油掘削施設「ディープウォーターホライゾン(原題。格好イイのでままが良かった)」で大爆発が起こり、百名以上の従業員が閉じ込められた実在の事件を描く。ピーター・バーグ×マーク・ウォルバーグの量産体制の中で生まれた一本。

【感想】

 ただ事故に向けて淡々と話は進み、事故が起きたらほぼ人間の活躍の場はなく、ひたすら大火に翻弄されるのみ。この「どうしようもない事態をただ見つめる」という形式が、『オンリー・ザ・ブレイブ』と本作によって生まれた新たなパニック映画の潮流となるのかも知れない。どちらの作品も無力感がハンパない。そして現にその被害に巻き込まれた人たちがいる、という事実だけが胸に爪痕を残す。それでいい。『オンリー~』に比べると若干エンタメ色が強いので、見易くはある。あちらは今も振り返ると胸が痛いし辛いので…

 

『チョコレートドーナツ』

【採点】B

【監督】トラヴィス・ファイン

【制作国/年】アメリカ/2012年

【概要】1979年、カリフォルニア。ドラァグ・クィーンのルディは検事局に勤めるポールと恋に落ちる。時同じくして、ルディの隣人の薬物中毒であるシングルマザーがダウン症の息子マルコを置いて失踪する。ルディはマルコを可愛がり育ててやれるのは自分だけだと、ポールの力を借りてマルコの養育権を獲得しようとする。3人で過ごす幸せな日々は、やがて法の力で引き裂かれ……

【感想】

 ハートウォーミングな名作と認識していたので、鑑賞後感のいたたまれなさに呆然としてしまった。言ってよ! 油断してたわ! ルディを演じるアラン・カミングの、最初から全てを知ってそれでも目の前の子供を救うために全力をベットすると決めた力強い存在感が知らず勇気を与えてくれる。「幸福な日々」をルディの歌で流す手法は映画をスマートにするが、そこをもうちょっと見せて欲しかった気もする。

 

『クリスティーン』

【採点】B

【監督】ジョン・カーペンター

【制作国/年】アメリカ/1983年

【概要】キングの同名小説を、発売とほぼ同時に全編ほとんどカーペンターによるオリジナルアレンジで脚色し、急ピッチで撮影されたというB級映画。過保護な母親の下で育つ冴えないイジメられっ子のアーニーが、曰く付きの車クリスティーンと出会い、改修していく中で見る間に自信を手に入れ、そしてアーニーの気に喰わぬ者たちが謎の死を遂げていく。

【感想】

 「B級映画」という字面にこれほどピッタリな作品もなく、主役は潰れたり綺麗になったりまた潰れたりロックナンバーの数々を流したりする車、プリムス・フューリー。一方で「お母さんが僕にかまうのは、自分が年だと認めたくないからだ!」とせめての反発を見せたアーニーのみじめで儚い栄光のひととき、ヒロインよりもアーニーを大事に思ってそうな親友デニスの奮闘も、雑然と描かれてるのにやけに印象に残る。

 素直に車の復元シーンで驚いてしまったのだけど、逆再生?

 

スマホを落としただけなのに

【採点】

【監督】中田秀夫

【制作国/年】日本/2018年

【概要】ある日、だらしのないサラリーマン・富田がスマホをタクシーに落としたことから、富田の恋人・麻美のもとにSNSを通じた不審なコンタクトが続く。麻美は富田の先輩・小柳からのしつこい誘いかとウンザリ。一方、刑事・毒島と加賀谷は連続女性殺害事件を追っていた。そして毒島たちの追う、黒髪の美しい女ばかり好んで惨殺するその「男」は、拾ったスマホの画像フォルダに写る麻美の姿にただならぬ興味を覚え…

【感想】

 もっと北川景子が犯人に追われ右往左往する話かと思いきや意外と本筋が錯綜して何を追っているのか分かり辛く……とかいうレベルじゃなく演出がいちいちダサい……けど、普段映画を見ない層にとってこれは立派にデートムービーとして機能するだろうな、という納得感もあった.真相はちゃんと面白く、予告で抱いた印象とは全然異なる2つの「メロドラマ」が後半発動している様は中田秀夫の面目躍如で、『劇場霊』ほど暗澹たる気持ちにはならずに済む.

 

『FLU 運命の36時間』

【採点】A

【監督】キム・ソンス

【制作国/年】韓国/2013年

【概要】救急隊員のジグは、ある日とある事故に巻き込まれた研究者のイネ、彼女の娘ミルと出会う.少しずつ近付きつつある二人の仲。そんな折、彼らの暮らす町で新型鳥インフルエンザが持ち込まれ、瞬く間に辺りは地獄絵図となる.ミルを救おうとするジグ、研究を進めるイネ.しかし事態は最悪に最悪を重ねて壮絶な様相を帯びていく…

【感想】

 こんなことになる7年前とは言え、少なくとも『コンテイジョン』の後ではあるのにパンデミックによるパニックを極限まで煽る過剰なエンタメ精神が凄い.ハリウッドでも観たことのない絵を見せてやるという心意気.その前景にベタなロマンスを置いてあるので一応安心感も担保している辺りが巧み、というかキム・ソンス監督は根本的にベタが好きなんだろう.軍人役のマ・ドンソクが今と違いガチの悪役で新鮮.そしてあまりに気持ちいいラストショットからの、エンドロールの最初の一文でこんなに納得のいくメッセージは無い.ロケ地の住人たちへの感謝.そりゃこれだけの撮影に全面協力してくれたらな.

 

アウト・オブ・サイト

【採点】B

【監督】スティーブン・ソダーバーグ

【制作国/年】

【概要】プロの銀行強盗ジャックは相棒の力を借りてフロリダ刑務所からの脱走を図るが、道中で連邦保安官のカレンと遭遇してしまう.なんとかカレンを拘束し脱走に成功するが、ジャックとカレンはお互いのことが妙に気になっていた.やがてジャックは刑務所で知り合った「スヌーピー」なる男との問題に巻き込まれ、カレンは再びジャックを追いかける.

【感想】

 理由は言えないけど、同じエルモア・レナード原作のタランティーノジャッキー・ブラウン』を絶対に事前に見ておくこと.脚本は『クイーンズ・ギャンビット』のスコット・フランク.ソダーバーグの軽さ(たぶん観客にはわからないところで色々な拘りは発揮してるんだろうが結果的に軽くなるいつもの塩梅)とエルモア・レナードの会話劇が『ジャッキー・ブラウン』とはまた違ったハマり方をしていて楽しい.

  

スカイライン ー奪還ー』

【採点】C

【監督】リアム・オドネル

【制作国/年】アメリカ/2017年

【概要】低予算インディーズ系SF映画として話題となった『スカイライン ー征服ー』が三部作として返ってきた、7年ぶりの続編.監督は前作のストラウス兄弟からバトンタッチ.宇宙人の襲来.なすすべなく攫われ、脳みそを吸われていく人類.それに立ち向かう父子と仲間たちの道中を追う.

【感想】 

 前作はインディーズ系で凄いねって話だったのに監督代わっちゃったらあまり感慨ないし、前作の語り直しみたいな展開で半分使ってしまうので退屈なのだけど、前作のラストの続きとも言うべき人類の逆襲にまで踏み込むので三作目には期待.『ザ・レイド』の二人がベトナムの戦士たちとして後半に登場.「もうこんなシェルターを作ったのかい? 凄いな」「お前ら(アメリカ)の爆撃から逃れる時に作られたもんだよ」が痛快.

 

『マザーレス・ブルックリン』

【採点】A

【監督】エドワート・ノートン

【制作国/年】アメリカ/2019年

【概要】エドワート・ノートンが監督・脚本・製作・主演を務めた念願の作品.1957年のニューヨーク.孤児院で育ったチック症持ちのライオネルは、自分を拾い上げたフランクの探偵事務所で、やはり孤児院出身である他の探偵たちと仕事をしていた.しかし、自分が後を追っていた仕事中にフランクが殺されてしまう.真相を探るライオネルは、ニューヨーク行政と黒人地区の関係に鍵があると睨み…?

【感想】 

 原作は現代が舞台だというが、エドノートンは舞台を50年代のニューヨークへ変更.そのことによって「今日に続くあらゆる腐敗や差別が育つ根っこ」を描き出す野心作.と同時に、チック症の男が自分でも制御できない癖と共に生き、人並みに探偵としての捜査を行う困難さをどこか愛おしく紡ぐ.なかなか愛着の沸く一本.

 

スカイスクレイパー

【採点】B

【監督】ローソン・マーシャル・サーバー

【制作国/年】アメリカ/2018年

【概要】香港に超高層ビル「ザ・パール」が建設された.10年前、任務の失敗で片足を失った元FBIのソーヤーは、転職してセキュリティ監査として家族とともにイチ早くこのザ・パール高層階で暮らしていた.昔の仲間と再会していたフェリーでテロリストの襲撃に遭い、帰宅するとザ・パールはテロリストに占拠されている.人質は家族.ソーヤーは単身ビルに乗り込んでいく.

【感想】

 監督と主演ドウェイン・ジョンソンのタッグからなる前作『セントラル・インテリジェンス』が惜しいところで野暮ったく間延びしてしまったので、今作はスマートに無駄なく構造的アドベンチャーに挑戦.その無駄のなさゆえに、面白いけど物足りなく感じてしまった.『ダイ・ハード』は無駄なき傑作と言われているけど、実際は主犯格以外のテロリストと戦う全てが無駄で、無駄を最高に面白い必然として組み込んでるからこそ傑作なのだ.

 

『(秘)色情めす市場』

【採点】A

【監督】田中登

【制作国/年】

【概要】にっかつロマンポルノ伝説の名画と呼ばれる作品.娼婦の母よねから路上で産み落とされた娼婦トメ.コンドームさえ洗って使い回し、セックスしてなきゃすぐ酒を呷る世界で、トメはよりによって商売敵として母に邪魔をされながら、障害者の弟の面倒を見、したたかに生き抜こうとする.

【感想】

 大阪・釜ヶ崎のドヤ街、所謂「あいりん地区」で暮らす人々の地べたを這うような生活を生々しく、奇妙なバイタリティとして活写.実際に現地でカメラを回している生々しさと、モノクロ効果による突き放したような距離感とが、ラストで瞬時に反転し、また戻っていく時、「そこで生きている人たちが確かにいる」という実感が残される.相当数の自分が見てきた邦画が本作のエッセンスをパクr…影響受けてることがわかって「繋がっていく」快感もあった.

 やはり同地を描いた大島渚の傑作『太陽の墓場』からのクロニクルとして見ても面白かった.今の釜ヶ崎を描く邦画が生まれたら見てみたい.

 

『グッドライアー 偽りのゲーム』

【採点】B

【監督】ビル・コンドン

【制作国/年】アメリカ/2019年

【概要】マッチングアプリで知り合った高齢の二人ロイとベティ.だがロイはベテランの詐欺師であった.血腥い手で新たな仕事を終えたロイは、ベティとの楽しい時間に若干の未練を覚えつつもすべて盗み出す算段を整える.そして二人はヨーロッパ旅行へ出かけるが…?

【感想】

 ヘレン・ミレンのターンが一向に始まらないので、どう考えても「それは来る」とわかってる逆転劇をラストまで待ち続ける.それはなんとも不毛な時間に思えて、それでもイアン・マッケランとヘレンの芝居合戦でつい見てしまう.歴史を絡めてきたオチも感心半分「後出しじゃん…」という脱力感半分.それでも二段階で別のベクトルで訪れる終幕の切れが快感.

 

ジェミニマン』

【採点】C

【監督】アン・リー

【制作国/年】アメリカ/2019年

【概要】DIA(アメリカ国防情報局)に雇われるベテラン凄腕スナイパー・ヘンリーだが、とある一件を機に引退を決意.だが自分が最後に殺害した人物が知らされていた情報と違うと告げられ、やがて謎の暗殺者につけ狙われる.とうとう敵と対面するが、その正体はまるで若き日の自分に瓜二つで…

【感想】

 一作毎にジャンルを変えるも、独自の時間間隔を紡ぎ上げるアン・リーの作家性は変わらず、本作も前半は地味ながら個人的にとても心地良い.特にバイクチェイスは間違いなく素晴らしかった.問題は肝心のジェミニマンが登場してからの、「より地味になった『ハルク』の焼き増し」感で、流石に脚本がハリウッドに出回ってから20年以上というブランクは大き過ぎたのでは… その頃からハリウッドにいたアン・リーとウィル・スミスでの映画化というのは妙な感慨があるけれど.

 「20fpsのハイフレームレート、3Dデジタル撮影され、STEREOTEC 3D リグを装着したARRI Alexaカメラが使用され」たそうで、配信でせこせこ見たところでしょうがないのだけど、映画なんかどれも自宅で観たところでしょうがないというのはあります.

 

『タラデガナイト オーバルの狼』

【採点】

【監督】アダム・マッケイ

【制作国/年】アメリカ/2006年

【概要】ジャド・アパトー組初期全盛期のコメディの一つ.いい加減な父親の教育のせいでスピードと「一位」にとりつかれた男リッチー。いつも支えてくれる親友キャルをないがしろにしながら人気カーレーサーになるが、調子に乗って自堕落な日々へ.そこへF1から強力なフランス人レーサーが現れ、さらにリッチーは大事故を起こしてしまう.

【感想】

 ウィル・フェレル、ジョン・C・ライリー、サシャ・バロン・コーエンがボケ倒すも、その合間合間のカーレース周りの群衆、熱狂、レース、クラッシュはホンモノの迫力.実は末端でどんなアドリブをかまそうが話の起承転結もしっかり練られていて、ラストは謎の昂揚感がある.ただ時代を感じるゲイいじりのギャグがキツかった…

 昔ニコ動画に本作冒頭だけ上がっていて大爆笑した記憶があるので、今ようやくラストまで見れて良かった.あの動画なんだろうと思ったらまだありましたね.吹替え版だ! 字幕版より面白い!

 

アナベル 死霊博物館』

【採点】C

【監督】ゲイリー・ドーベルマン

【制作国/年】アメリカ/2019年

【概要】『死霊館』ユニバース『アナベル』シリーズ第3弾.ウォーレン夫妻はアナベル人形を自宅の呪いコレクションに納め、除霊と封印を施す.そしてある日、家を空けることになる.家に残したのは幼い娘ジュディとしっかり者のベビーシッター・メアリー。そこに遊びに来たメアリーの友人ダニエラが、亡くなった父と再会したいがためにアナベルの呪いを解いてしまい…

【感想】

 『学校の怪談』みたいだと聞いて楽しみにしていたのに、『学校の怪談』の序盤がずっと続くような抑制された空気。ユニバースで下品なショックシーンが多いタイトルもあったのでその反動なのかも知れないけど(監督はリメイク版『IT』の脚本家なのに)とにかく大人しい。つまらん。言っちゃった、ゴタクはいいや、理屈抜きにつまらんw

それでいてショックシーンは普通に下品なので抑制した意味もあまり…

 

 『貞子3D2(2D版)』

【採点】C

【監督】英勉

【制作国/年】日本/2013年

【概要】安藤孝則と鮎川茜が貞子の呪いと戦った5年後.茜の出産した子・凪は孝則の妹・楓子が預かっていた.凪の周囲で不審死が続き、母の自殺を防げなかったトラウマを抱える楓子は負のイメージに囚われる.しきりに凪と遠ざかろうとする孝則.停まらない不審死の連鎖を訝しむ刑事・垣内.凪はこの世にいてもよい子なのか、それとも…?

【感想】

 「スマホと連動する3D映画」をただPCやスマホで暇な時にちょこちょこ見進めただけだったので、俺は本当にこの映画を「見た」と言えるのだろうか…? 

 前半はかなり寒々しいしつまらないのだけど、後半で真相が明らかになってくるとなかなか重層的で、それでいてイマイチ整合性の掴めない展開で結構楽しめる.エヴァ新劇の『Q』のクライマックスと『破』のラストが合わさったような、貞子というガフの扉を開くか開かないかという話が主人公のトラウマと重なっていく.オチはよくわからない.

 

オタクが選ぶ日本語ラップ2020

基本YouTubeでしか日本語ラップに触れない、それも積極的に掘り進めるのでなくホームに表示されたものくらいしか聴かない(見ない)アニオタが選ぶ日本語ラップ2020マイベストになります.苦情は受け付けません.

 

普段ラップ聴かない人にどれか一つくらい持ち帰っていただけたら幸甚です.

 

まず流石にここまで再生回数伸びてる曲を今更推してもしょうがないので除外した曲.でもいいよね.


BUDS MONTAGE / 舐達麻(prod.GREEN ASSASSIN DOLLAR)


Creepy Nuts / かつて天才だった俺たちへ【MV】

 

では順不同で10曲.

 

1.Moment Joon ー TENO HIRA


Moment Joon - TENO HIRA

 

  「数が足りません」ってなんだ 「道がありません」ってなんだ

  いつもの言い訳の代わりに俺はマイクを摑んだ

  君も見せてくれよ こぶし

  スカイツリーじゃなくて君が居るから日本は美しい

 

今に始まった話ではないし、それを殊更取りあげることが本人たちにとって不本意であることは百も承知で、しかしラッパーのルーツの多様さ、全てひっくるめて「日本語ラップ」「ジャパニーズHIPHOP」の地図を描いていく抜けの良さが、このフィジカル面での断絶を余儀なくされる年において非常に解放感を与えてくれたのはこのカルチャーの誇らしい部分でしたが(反面陰謀論や偏見に毒される残念なロートルやイキリ小僧も散見されつつ)、

けれどそんなうわべだけの楽観論に水を差し発破をかけてくるMoment Joonがもっともリアルに感じました.でもMVもっと作って欲しい

 

2.ralph ー Selfish(prod.Double Clapperz)


ralph - Selfish (Prod. Double Clapperz)

 

    日本では無理? まぁ確かに

    言い訳ばかりのお前らじゃ無理でも

    俺ならできるmakeするシーン

    準備してくれよ手のひら返し

 

この曲に出会った時の衝撃.

何より「大言壮語ぶちかまして事実上がっていく過程を見せる」というギャングスタの魅力を今年一番感じさせてくれた人.

 

この三人の並び!


Hideyoshi - Jitsuryoku ft. Leon Fanourakis & ralph (Official Video) [Dir. by Ken Haraki]

 

番外編.ブライアン ー 日本のラッパーって・・・下手じゃね? 真似できない踏み方をみせるぉ


日本のラッパーって・・・ 下手じゃね? 真似できない踏み方を見せるぉ

 

天才的なスキルを見せつつも、バトルでもライブでも音源でもない、今まで誰も同じ土俵で闘っていないからこの動画の主張そのものは的外れもいいところなんですけど、これで多くのラッパーが乗っかってアンサーすることで、家で出来るゲームをありがとう(by言×THEANSWER)が巻き起こって、それはそれは楽しかったのは事実なので今年の一曲(?)であることは間違いない.なんならもっと多くの人に乗って欲しかったですね.

個人的にはこのゲーム、ブライアンに欠けてる音楽的な魅力をdisではなくリスペクトの中で堂々示したブルーミオの圧勝という感想.


Blumio - ブライアンへ

 

3.KennyDoes,テークエム、KOPERU、R-指定、KZ、ふぁんく、KBD、peko ー 梅田ナイトフィーバー'19


KennyDoes,テークエム , KOPERU, R-指定, KZ, ふぁんく, KBD, peko - 梅田ナイトフィーバー’19(prod. peko)

 

   人もまばらなフロア 照らしてたミラーボール

   下手くそなステップでお喋りだった俺達を

   からかったあの子 重なった足跡も

   いつまでも いつまでもずっと ずっとこのまま

 

甘酸っぱい青春ゾンビ.

おもっきりタイトルに「19」って入ってますけどMV自体は今年頭に上がってたし、CreepyNutsのお茶の間進出も嬉しい今年の曲として欠かせず.

晋平太が上げてたメイキング込みでのこの青春感.


KennyDoes,テークエム , KOPERU, R-指定, KZ, ふぁんく, KBD, peko - 梅田ナイトフィーバー’19(prod. peko)【MVメイキング】

J-POP寄りの曲調に輪をかけてベタベタなMVを合わせることで素直に曲を楽しめるのがまた良くて、stillchimiyaから離れたところでスタジオ石制作によるMVがあちこちで(愉快な方向で)炸裂してたのが楽しい一年でした.


般若 / イキそう [Pro. DJ BAKU / Dir. スタジオ石] Official Music Video ℗2020 昭和レコード


NENE - 地獄絵図 feat. NIPPS (Music Video)

 

4.DJ CHARI & DJ TATSUKI - GOKU VIBES feat.Tohji,Elle Teresa,UNEDUCATED KID & Futuristic Swaver


DJ CHARI & DJ TATSUKI - GOKU VIBES feat. Tohji, Elle Teresa, UNEDUCATED KID & Futuristic Swaver

 

   I'm super saiyaaan

   I'm super saiyaaan

   Know my name TJ,call my name TJ

   I'm super saiyaaan

 

これも再生回数結構いってるけれど、個人的にTohjiにだけはハマることはないと思ってたのに笑いながら体揺れてしまったので悔しい一曲.Tohji、動き含めて面白いのでこれもMVの力を感じた一曲ですね.あと後半の韓国人ラッパーのラップが意味わからないのにめっちゃ気持ちよい.

 

5.tofubeats ー RUN REMIX(feat.KREVA & VaVa)


tofubeats - RUN REMIX (feat.KREVA & VaVa)

 

   走らされてる奴らから今日も

   吐き出されてく溜め息まじりのCO2

   大丈夫?

   これは一生ずっと続く終わりの無い勝負

 

今年はトリックスターとしてあちこち顔を出しひっかき回したKREVAZORNの動きを追うのが楽しかったです.

特にRUNは既成曲で、KREVAが参加することで俄然意味が高まるという点でその強さを実感.「ダビデみたいに考える」は普通に間違えたそう.


KREVA 「タンポポ feat. ZORN」MUSIC VIDEO


PUNPEE - 夢追人 feat. KREVA


KREVA 「Fall in Love Again feat. 三浦大知」MUSIC VIDEO

 

6.ZORN / Life Story feat.ILL-BOSSTINO


ZORN / Life Story feat. ILL-BOSSTINO【Official Music Video】

 

   いいかい シナリオを書き上げたらすぐにキックするべきだ

   見様見真似でいいからやってみな

   それだけでした これだけで来た

   何より俺だけってわけじゃなかったからここまで出来た

 

KREVAなら「RUN REMIX」そしてZORNならこの曲.

ZORNのバースが「労働と人生やっていくぞ」になっているのに、BOSSのバースの始まりが「どんな仕事も最後クビ」なのがジワジワきます.

どんな曲のギャングスタ構文も嫁とか子供とか味噌汁とか「生活の話」で落とすZORNのリリックがネタ切れすることなくあらゆる場面で異彩を放って良いスパイスになるし、それを真っ向受け止めて太い「人生」の歌に変えたBOSSも頼もしい.


ZORN/Rep (Remix) ft.MACCHO NORIKIYO


ZORN / Have A Good Time feat. AKLO 【Official Music Video】

 


THA BLUE HERB "バラッドを俺等に"【OFFICIAL MV】

 

7.Awich ー Bad Bad


Awich - Bad Bad (Prod. Chaki Zulu)

 

   この世界の終わりもtogether

   君となら怖くはないから

   you can trust me

   酸いも甘いも見たわ

 

Mステ出演以上にビックリした、『人間発電所』を使ったトラックの心地よさ.今後元ネタに負けないくらいクラシックになってほしい一曲.滅茶苦茶聴いてます.

フィメールラッパーも着実に存在感を増して、また多様化していて、男性ラッパーが軽くネタにする雑なフィメールラップdisがもはや「どこの誰の話?」ってレベルで的外れになってきてますね.


Zoom - valknee, 田島ハルコ, なみちえ, ASOBOiSM, Marukido, あっこゴリラ


chelmico「Disco (Bad dance doesn't matter)」【Official Music Video】

 

8.PUNPEE ー Wonder Wall feat.5lack


PUNPEE - Wonder Wall feat. 5lack

 

   それでもいつもの様にまたお洒落して 遊び疲れ眠るだろう

   仮に2で割って最高 そうなれなくても

   ふわり 疎遠になるかも 終われない日々のうた

 

年老いた自分が過去を振り返るアルバム『MODERN TIMES』のコンセプトを更に裏打ちするように、家族ヒストリーを音源とMVに仕上げる.それが様になってて格好イイけど既存のどの格好良さにも当てはまらない.別に格好良くなくてすらいい.

兄弟ラッパー共演(というかこの二人は元々一緒のユニットだけど)で堂々家族への感謝を告げる点、ちょっとMummy-DKOHEI JAPANの坂間兄弟が念頭に置かれてたら嬉しい.

 

9.JJJ ー STRAND feat.KEIJU(Prod by KM)


JJJ - STRAND feat. KEIJU (Prod by KM) 【Official Music Video】

 

   deathも有りで繋ぐSTRAND

   大師の門、頭上迫る雷雲19時現在

   駅前に葛藤書き留める

   誰の言葉じゃない、俺が決める

 

もお素直にトラックが良過ぎる.ずっと浸れる.

 

10.STUTS ー Mirrors feat.SUMIN,Daichi Yamamoto & 鎮座DOPENESS


STUTS - Mirrors feat. SUMIN, Daichi Yamamoto & 鎮座DOPENESS (Official Music Video)

 

   Lemonade 甘く酸っぱい

   それぐらい君を見分けたい

   手に余るほどのemotion ay

   こぼれ落ちるslowmotion

 

これが多分今年一番聴いた曲.

「次は誰と誰が一緒になって曲を出すか」も日本語ラップの醍醐味の一つですが、STUTSとDaichiと鎮座は個人的にこれ以上ないとこありました.

 

別に10曲決めてから書き始めた訳じゃないので、以下は普通に今年ベスト級に好きだけどこぼれた楽曲群.

 

こういうのも有りなんだ! ってなった


(sic)boy,KM - Ghost of You

 

2020年夏の寂しい空気をこんなに凝縮した曲とMVも無い.


FNCY - みんなの夏 (Prod. : grooveman Spot) ZEN-LA-ROCK / G.RINA / 鎮座DOPENESS

 

レジェンドの共演 このくだらなさ


スチャダラパーからのライムスター - Forever Young (Music Video Version)

 

レジェンドの復活 この聴きやすさ


SOUL SCREAM / Love, Peace & Happiness [Official Video]

 

逮捕されても巧いことを言えたら勝ちなのだ


漢 a.k.a. GAMI feat. RYKEY / Period.

 

HIPHOPというより現代アートと称した方がしっくりくる何か


KID FRESINO - No Sun (Official Music Video)

 

笑うしか出来ないし「I REP 実家」はパンチライン


般若 / SORIMACHI [Pro. CHIVA from BUZZER BEATS / Dir. TOMOYA EGAWA] Official Music Video ℗2020 昭和レコード

 

あと唾奇、BIM、kZm、¥ellow Bucks、vividvoooy、田我流、環ROY、RAU DEF、OZworld、LEX、JinDogg、BAD HOP、NORIKIYO、ANARCHYとかとか聴きました.

浅瀬でちゃぷちゃぷ遊んでる自覚は抜けないけれど、これ以上掘るのも正直面倒臭いので、これからもイイ感じに気楽に遊んでいきます.

 

 

アニメ映画の採点

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「映画の採点」第5弾です.

自分で設けたルールを早速破りますが、今回は劇場版アニメ縛り.

数年分見逃した劇場版アニメが溜まっているので、重点的に観て行くぞと.

採点は最近見た劇場版アニメの中で相対化しており、比較的甘め.

今年はあまり劇場でアニメを観れなかったので、心が欲してたのかも知れません.

正直まだまだ未見の劇場版アニメは山積.改めてその制作本数に驚いています.

 

 

ムタフカズ

【採点】A

【監督】ギョーム・"RUN”・ルナール、西見祥示郎

【制作国/年】フランス・日本/2018年

【概要】ギョーム監督の同名バンド・デシネを日仏共同でアニメ映画化.L.Aにあるギャングと貧困の街ダーク・ミート・シティ(DMC)で生きる孤児のアンジェリーノは、ガイコツのヴィンス、半獣人(コウモリ)のウィリーとダラダラ生きていたが、少女ルナに一目ぼれしたその時から謎の集団に追われるようになる.

【感想】

 巧みに3Dと手描きの味わいを織り交ぜるSTUDIO4℃のアニメーション、木村真二の魅惑の背景美術を舞台にキャラクターが飛び回るバイオレンス・アクション、つまり『鉄コン筋クリート』の系譜で、こういうアニメがずっと観たかった.後半の勝手に解決していくご都合集団の存在とか脚本はアンバランスなのだけど、そのアンバランスさの中を動き回るアニメの楽しさが全てに勝る.

 西見祥示郎監督のキャリア、かなり遡らないと見当たらないのだけど、次回作はもっと早く観たい.吹替え版では魅力が半減するのでフランス語版での観賞推奨.

 

『劇場版 Free! -Timeless Medley- 絆』

【採点】C

【監督】河浪栄作

【制作国/年】日本/2017年

【概要】TVアニメ『free!』2期総集編2本の内1本であり、『ハイ☆スピード』と3期の間を繋ぐ架け橋でもある.岩鳶高校水泳部、三年生になった遥.同世代の真琴や凛が進路を決めていく中、才能はあっても目標の無い、ただフリーを泳いでいたかっただけの遥は、次第に周囲の期待に押しつぶされていく.

【感想】

 3期以降の、あらゆる要素をブチ込んで統一感のないオモチャ箱化したFree!の混沌を知っていると、まだ随分と話が整ってたんだなぁと懐かしい.ゆるふわモノのメインの性別を変えただけで性格にさしたる(マチズモ的ステレオタイプな)男性性を持ち込まないことが新鮮だったFree!だけど、とは言え女の子メインのゆるふわでもシリーズの途中でちょっとした「気づき」の為にわざわざオーストラリアにまで行ったりしないので、やはり面白い過剰さがある.

 

『劇場版 Free! -Timeless Medley- 約束』

【採点】C

【監督】河浪栄作

【制作国/年】日本/2017年

【概要】TVアニメ『free!』2期総集編2本の内1本であり、『ハイ☆スピード』と3期の間を繋ぐ架け橋でもある.鮫柄学園水泳部、部長となった凛は、遥たちとの確執や父の死のトラウマを乗り越え、部を取り仕切っていた.再会した旧友・宗介も仲間に加わり、岩鳶と切磋琢磨するが、宗介の態度に、そして彼の身体に異変を感じ…?

【感想】

 やはり主人公として明らかに動かし辛い遥に比べて、凛視点になると途端にスッキリした青春劇になる.ただ『絆』と比較すると浮いてるのが冒頭と終盤の「文字」演出で、これはあまりに安易なのでやらない方が良いのではないか.山田尚子石原立也武本康弘監督が演出の遊びとして使えたものを、割りと直球で説明に使ってしまっている危惧を感じた.

 

『特別篇 Free! -Take Your Marks-

【採点】B

【監督】河浪栄作

【制作国/年】日本/2017年

【概要】『Free!』新作四編がセットになった、2期と3期を繋ぐオムニバス.東京の大学へ進学することになった遥と真琴の部屋選び、温泉へ行くことになった鮫柄学園の4人、新入部員勧誘の方法を考える渚ら後輩組、そして勘違いから凛と百が水泳勝負に至るまで.

【感想】

 謂わば感情の波が無い(凛は勘違いで揺れるが)ゆるふわ回だけが平和に続く日常世界を、2時間近い新作映像で綴る(当然京アニクオリティの作画で).この感触、『映画 けいおん!』のあの衝撃を思い出す.すべてのアニメでこういう特別篇を作って欲しいくらい贅沢な「なにもない」時間だった.一話だけじゃなく、四話もあるというのが嬉しいんですよ.

 

『BURN THE WITCH』

【採点】

【監督】川野達朗

【制作国/年】日本/2020年

【概要】久保帯人が放つ新作にしてBLEACH番外編、連動する映像化プロジェクト第一弾.ドラゴンが息づく世界、それはロンドンの裏世界「リバース・ロンドン」。自然ドラゴン保護管理機関「ウイング・バインド」で働く魔女、二ニー・スパンコール、そしてニーハこと新橋のえるの騒々しい日常が幕を開ける.

【感想】

 先に原作読んでテンション上げての観賞.前日譚は飛ばしてるのでバルゴの説明足りてない気はするけど、アクションシーンはスタジオコロリドの丁寧な作画で盛り上がるし、ロンドンの町並みも綺麗.ただ「漫画の丁寧な再現」に留まり、折角のお膳立ての元に映画を作れるのに欲が少なく、「原作読んでた以上の感想」が一切湧きあがらない.漫画表現の映像的な処理というものは必要.

 

『薄墨桜 -GARO-』

【採点】

【監督】西村聡

【制作国/年】日本/2018年

【概要】雨宮圭太の特撮フランチャイズGARO】そのTVアニメ第二シリーズにあたる『GARO 紅蓮の月』の劇場版.但しメインスタッフは一新し、『劇場版TRIGUN -BADLAND RUNBLE-』の西村聡監督×小林靖子脚本タッグが復活.ストーリーは一見でも理解できるよう、TVとの時系列を曖昧にしている点も『TRIGUN』と共通.

【感想】

  平安時代を舞台に、前半は陰陽師モノ、後半まさかの怪獣映画へと変貌を遂げる野心作.『機動警察パトレイバー WⅩⅢ』を思わせるストーリーと、イリス×レギオンな怪獣に変身する巨大樹・薄墨桜のカタストロフィーが平安京で展開するという新鮮さ.アニメでしか出来ない挑戦をやり遂げた.朴璐美さんの演じるツンデレヒロインに萌えるという新鮮な体験に加え、映画オリジナルのヒロインが田中敦子さんで、どの層に向けて作ってるんだ!

 

機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER』

【採点】A

【監督】松尾衛

【制作国/年】日本/2017年

【概要】OVA『サンダーボルト』の総集編劇場版第二作.一年戦争終結後、サイコ・ザクを失ったジオン軍のダリルは地球でアッガイ小隊を率い、連邦軍のイオはジオンの関節も利用した新兵器アトラス・ガンダムの試乗を開始.そんなイオの前に趣味の合う快活な女パイロット・ビアンカが現れる.その頃、連邦は連邦を抜けた何者かが開設したらしき謎の宗教組織「南洋同盟」に警戒心を抱いており、ダリル小隊は偵察を開始する.

【感想】

 特に続編のアナウンスも無い「話の途中」という無責任な内容ながら、ひたすら描写が格好良い.MSのデザインをフルに戦闘に活かしたギミックの数々、そんなギミックすら一瞬で蹴散らされる兵器の暴力性、その危険な戦場をメインキャラが行き来する緊迫感と、次第に複雑な盛り上がりを見せ始める人間関係、そしてジャズ、ポップス、ロック.ひたすら格好良いというシンプルな理由のみによって最高.早く続きが観たい!

 

PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.1 罪と罰

【採点】C

【監督】塩谷直義

【制作国/年】日本/2019年

【概要】サイコパスシリーズ、中篇劇場版オムニバス第一弾.2117年、公安の前に暴走車両が突入し、搭乗している精神錯乱を起こした女が何事かを訴える.彼女の素性が潜在犯隔離施設「サンクチュアリ」の心理カウンセラー・夜坂泉だと判明し、常守朱は監視官・霜月三佳に執行官・宜野座と弥生を付けて出向させる.霜月がそこで見た、「サンクチュアリ」が秘匿する事業とは……

【感想】

 やはり冲方丁がいないとこのテンポに戻ってしまうのか.人格変わったかな、逆にサイコパスかなというくらい霜月美佳が正義感を発揮して活躍.俺が見たかった霜月はもっと「個」としてシビュラに同調し、次第に中枢へ近付いていく、朱の負の合わせ鏡であって欲しかった……というかその為の2期だったんじゃないのか……という不満はともかく、中篇アクションとして一定の満足度.霜月も主役として輝く.サンクチュアリで秘匿されていた「それ」についてもっと突っ込んだ話を観たかった.

 

PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.2 First Guardian』

【採点】B

【監督】塩谷直義

【制作国/年】日本/2019年

【概要】2112年夏、沖縄.まだ国防軍に所属していた須郷徹平は、優秀なドローンパイロット「First Guardian」として特殊任務に参加していた.数ヶ月後、東京の国防省無人ドローンが襲撃し、多数の役人・軍人を殺害.刑事課から訪れた監視官・青柳璃彩と執行官・征陸智己は国防省の妨害をかわしつつ介入し、須郷の取り調べを開始する.事件の背後に、軍事作戦中に死んだ筈の須郷の元上司・大友逸樹の影がチラつき……

【感想】

 過去篇にすることで、死亡キャラ達の同窓会的な雰囲気に.正直アニメ1期では設定上だけ伝説の刑事でひたすら無能にしか見えなかった征陸さんがようやっと格好良い姿や渋みを見せてくれる.ただ「これが半分の上映時間で『攻殻SAC』の中の一話だったら傑作回だったんだろうな」となる、丁寧と言えば聞こえはいいが鈍重な演出が続き、結果真相は常に先読み出来てわかってしまう.作画の高品質が裏目に出るというか.世評はどうあれやはり2期のスピーディーさは大事だった.Case.1に続き、ドミネーターが黄門様の印籠みたいな良い仕事をする.

 

PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に

【採点】A

【監督】塩谷直義

【制作国/年】日本/2019年

【概要】咬嚙慎也は今もアジアを放浪していた.私怨の復讐を果たした身であり、日本に帰れば死刑だろう.やがてチベットらしき国で襲撃されていた難民バスを助け、孤児のテンジンと出会う.日本棄民の娘であるテンジンは両親を殺したゲリラへの復讐を誓い咬嚙に戦いの作法を習いたがるが、咬嚙は人殺しに反対する.次第に打ち解けていく二人だったが、この国で行われている和平交渉の背後にある陰謀に気がついてしまう.

【感想】

 舞台は日本じゃないしドミネーターも出てこない、今までで一番コパスらしさから離れながら、今までで一番オリジナリティを獲得した一篇(つまりオリジナリティの部分にオリジナリティが欠けるシリーズだったと思うんですよね).即席のチーム物でもあって、中篇ながら先の長篇劇場版よりもクライマックスのアクションの満足度は遥かに高い.何より、初めて咬嚙が魅力的な存在に思えたのが個人的に大きい.征陸さん同様、アニメ一期だとすごく思わせぶりなのに無能だったから……

 このテの役はお手の物な諸星すみれも、カラフルな旗がはためく背景美術もとても良かった.

 

『あした世界が終わるとしても』

【採点】

【監督】櫻木優平

【制作国/年】日本/2019年

【概要】クラフターによるオリジナルCGアニメ映画.元となるHuluオリジナル作品があり、キャラや一部バトルシーンは共通しながらも異なる物語となっているとのこと。

 幼い頃母を謎の突然死で失った高校生シンと彼の面倒を見る幼なじみのコトリの前に、シンとそっくりな姿をしたジン、コトリを守ると誓うミコが現れる。この世界は裏側にもう一つの世界があり、最近多発する突然死も裏側の世界の同一人物が処刑されている為なのだという.そして裏世界「日本公国」を支配する公女は、もう一人のコトリで…

【感想】

 何も知らずに見たので序盤の展開は結構面食らって面白かったし、必要最低限のキャラで回していく構成も、中盤でのヒロイン死亡もなかなか「おお」となりつつ、「で、誰に向けて作ってるんだろうこのアニメ…」という冷めた気持ちが消えなかった.なぜアヌシーはこれをコンペに入れたの.中盤まではそれでも整理されてる気がした構成も、終盤ひたすら萎んでいくのでガッカリ.どこがクライマックスだったんだろう.

 

『ニノ国』

【採点】C

【監督】百瀬義行

【制作国/年】日本/2019年

【概要】足が不自由な高校生ユウは、幼なじみのハルとコトナの仲に疎外感を覚えていた.ある日コトナが交通事故に巻き込まれ、救助しようとしたユウとハルは異世界に迷い込んでしまう.そこは現実世界の人間の分身が暮らすファンタジー世界で、コトナにそっくりなアーシャ姫が重い病に冒されており…

【感想】

 あれ? 『あした世界が終わるとしても』となんか、設定が… /但し最小要素で描こうとした『あした』と日野社長がやりたい事全部詰め込もうとして例の如く感情の流れはブツ切り、後付け設定が無数に出てくる『ニノ国』だと全然印象が異なる.どちらが正解ということもないが、映画としては後者の方が楽しい気がする.どうも倫理的に首をひねってしまうラストを大した考えもなく無邪気にやってる感には嘆息してしまうが、それでもそのアイデア自体は面白いし、聞いてた酷評ほど悪い映画とは思えなかった.ヒロインの声優は下手.

 

魔法少女リリカルなのは Reflection

【採点】B

【監督】浜名孝行

【制作国/年】日本/2017年

【概要】シリーズ劇場版第三作.惑星エルトリアが死に汚染されつつあった.父の病の進行を防ぐため、少女キリエは遺跡で出会った少女イリスと共に死の病を防ぐ「夜天の書」を手に入れようと地球へ訪れる.地球で「夜天の書」を持つ少女・八神はやてを急襲したキリエとイリスの前に、はやての友達にして魔導師、高町なのはフェイト・テスタロッサが立ちはだかり--

【感想】

 前後編の前篇ということもあって、とにかくノンブレーキで重量感溢れる戦闘シーンがほぼ全編に渡って展開する、そのボリュームで圧倒.『とある科学の超電磁砲』が溜めて溜めて放つあの重力感を、溜めも無しに浴びせられ続けるのに飽きが来ない不思議.前作はそこが上手くいってなかった気がするのだけど…? 時に一方的な迫力ある見せ場の乱打を浴びるのも映画の醍醐味で、本作にはそれが詰まってた.初登場時は謂わばDV被害者であったフェイトが、なのはとの絆とはまた別に居場所を見つけたことがサブプロットで描かれて一安心.

 

魔法少女リリカルなのは Detonation

【採点】B

【監督】浜名孝行

【制作国/年】日本/2018年

【概要】シリーズ第四弾.前作『Reflection』から地続きの前後編の後編.闘いの真相を知り衝撃を受ける一同の中、なのはだけは再びその天才的な戦闘力で場を切り抜け、みんなが幸せに収まる方法を探しキリエに声をかける.事態の鍵を握る少女ユーリは管理局のみんなを吸収していき……

【感想】

 話を収束させなければいけないので前作ほどのゴリ押しの楽しさは無いが、それでもあらかじめ何重にも真相を仕掛けておいた展開でアクションを繰り出し続ける.前篇の重機、後編のメカと、作り手もアクションの重量感を主眼に置いてるのは明白.行き過ぎて最後には誇張抜きになのはがガンダムに見えてしまった(戦闘服のせい)が、ここまで強い女の子像というのも面白い.

 ただ前篇のフェイトのエピソードと違って、なのはに人間味を与えるため最後に心理世界の話が出てくるのは唐突過ぎたのでは.アルティメットなんとかさんみたい…

 

センコロール コネクト』

【採点】C

【監督】宇木敦哉

【制作国/年】日本/2019年

【概要】2009年の宇木敦哉個人製作アニメ『センコロール』が、10年後に続編『センコロール2』と併せて公開されたもの。片腕に謎の生命体センコを宿す少年テツが巨大な怪獣や同様の能力を持った少年少女に襲撃され、彼に巻き込まれた少女ユキと共に油断ならない、けれど穏やかな日常を過ごす.

【感想】

 「感触」そのものがアニメーション化したような独自の味だった前作に様々な人の手が介入することで、ただのヱヴァフォロワーのような、汎用的な味わいに変わってしまった『2』が少し残念.それでも独自の味わいはまだ生きている。果たして『3』は作られるのだろうか.映画デビュー作でもある10年前の素朴な「声」をなんとか再現しようとする花澤香菜の声が今聞くと新鮮だし、まだこういう引出しあったんだ、と(じゃあ『かんなぎ』ドラマCDでのざんげちゃんの変わりようは一体)。

 

聖☆おにいさん

【採点】C

【監督】高雄統子

【制作国/年】日本/2013年

【概要】中村光の人気コミックをOVAと同スタッフ・キャストで映画化.立川で貧乏アパート生活を続けるイエス・キリストブッダの日常を綴る.キリスト役は森山未來ブッダ役は星野源.原作だと多数登場した神様系関係者の出番は無く、商店街の人々の中で生きるイエスブッダの姿が四季を通じて描かれる.

【感想】

 豪華スタッフが揃い、アニメーションとしては滅茶苦茶豊か、で、あることが欠点になってしまう.ずっと懇切丁寧にギャグの説明を聞かされている状態で、笑うに笑えない.原作と手法が合っていないとしか.コンセプトを日常系に絞ったのだから、いっそ「日本で暮らす外国人」という部分からテーマを膨らませられないかと思ったが(実際そのつもりで描かれているのかも知れないが、あまり伝わらず).

 鈴木慶一の挿入歌、星野源のEDテーマと音楽面は充実.MVみたいなEDこそが本編かも知れない.このスタッフでもっと刺激的な内容の映画が観たい.

 

『ちいさな英雄 ーカニとタマゴと透明人間ー』

【採点】

【監督】米林宏昌・百瀬義行・山下明彦

【制作国/年】日本/2018年

【概要】スタジオポノック制作による短編集。【カニーニカニーノ】サワガニの兄弟・カニーニカニーノが、小川を舞台にスペクタクルな冒険を繰り広げる。【サムライエッグ】卵アレルギーが発症した少年シュンとその母は、食べ物に細心の注意を払って暮らしていく。それでも恐れていた事態は起こり……【透明人間】透明人間の男は、人並みに生きている筈だった。けれど誰にも気付かれず、体重すらなく、僅かなミスで空高く吸い込まれるように浮き上がり……

【感想】

カニーニカニーノ】小さなモノの視点で世界を見上げたら子供はドキドキするだろうという点では正解なのかも知れないが、それ以外の意味が何もないし、小さな「家族」をここまで賛美することが今子供向けアニメでやることなのか、クレしんでさえそこら辺ちょっともう危ういのに。

【サムライエッグ】アシタカが自身の呪いと生きていく姿を宮崎駿は「生まれついてのアレルギーのような不条理」と語っていたが、正にそのようなものと生きて行くしかない母と子の姿が、希望はなくとも力強く描かれる。

【透明人間】透明であることをそのままズバリ孤独のメタファーとして描き、その表現が隅々まで行き届いてアニメーションの快楽と同時に共感からくるもの悲しさが胸を打つ。大傑作。

 結果として、ポノックの看板である米林監督が足を引っ張る形に………でも3本中2本が傑作なのは凄いこと.次は山下監督の長編が見たい.

 

『劇場版 黒執事 Book of the Atlantic』

【採点】C

【監督】阿部記之

【制作国/年】日本/2017年

【概要】3度のTVシリーズOVAを経てアニメ版『黒執事』初の映画化.怪しげな死者蘇生の儀式が行われているという噂を確かめに、シエルとセバスチャンは豪華客船カンパニア号に乗り込む.するとそこにはエリザベスが家族と一緒に乗り込んでいた。何かあってリジーを巻き込む訳にはいかない。けれど気がつけば豪華客船は蘇生した死者の氾濫と氷山衝突による沈没の二大悲劇により阿鼻叫喚の地獄絵図に.そこで暗躍する死神たちそれぞれの目的は…

【感想】

 めちゃくちゃ惜しい映画.タイタニック+ゾンビという題材は面白いし、タイタニックのパロディを例の甲板だけでなく沈没パニック含めて全部やろうという心意気も馬鹿げて良いし、中盤でのあるキャラの覚醒が本家タイタニックより進歩的な面も見せる.モブもゾンビも豪快に死にまくる.ただその題材の面白さと、実は番外編ではなく『黒執事』メインストーリーとして展開する(このアクション作画も凄いのだが)作品でもあってその如何にもマンガタッチな掛け合いの部分とが激しくミスマッチで、一本の映画を観ている気がしない.それでも鬼滅の刃 無限列車編』よりは楽しめたけれど、印象としてはとても似ている二作.

 

『LUPIN THE 3RD 峰不二子の嘘』

【採点】

【監督】小池健

【制作国/年】日本/2019年

【概要】不二子が秘書として使えていた男ランディが暗殺者ビンカムに襲撃され、自宅に火を放ち死んだ.不二子はランディの息子で病気を抱えるジーンと共に逃亡を開始しつつ、ジーンの知る秘密を狙うビンカムの雇い主と5億ドルの争奪戦を開始する.ルパンと次元も参加するが、最強にして情緒不安定なビンカムは奇怪な術を使い……

【感想】

 作画の魅力と裏腹に脚本が煮え切らない劇画調小池ルパン、今回漸く「お話」が機能した感じがする.今峰不二子を描くということはどういう事なのかを余り考えて無さそうな古臭いジェンダー観の台詞がやたら不二子の口から出てくるのはわざとなのか天然なのか、しかし最後は不二子が男を「貫く」.全体的に旧(ブロスナンより前)007の緩い世界観を基にしているシリーズである事が今回のビンカム=ジョーズでくっきりした.

 本作で小池ルパンが一繋がりの物語であることが明らかになったので、そろそろ長編をということなのかも知れないし、実際見たいが、脚本は高橋悠也さんから変えて欲しくもある…

 

『劇場版 FAIRY TAIL -DRAGON CRYー』

【採点】B

【監督】南川達馬

【制作国/年】日本/2017年

【概要】劇場版FAIRLY TAIL第2弾.フェアリーテイルのナツ達一行は、新たな依頼として世界を滅ぼすと言われる杖:ドラゴンクライを手に入れる為、ステラ王国へ潜入する。国王アニムスの配下にして残虐なザッシュとその一味相手に苦戦しながら、囚われの魔術師ソーニャと出会うが、ソーニャにはとある秘密があった.

【感想】

 ともかく一気呵成に見せ場だけで繋いでいく、見終わって特に残るもののないB級アクションとして、監督の名前からつい過度に期待してしまった前作『鳳凰の巫女(藤森雅也監督)』より面白かった.前半のお色気要素や残虐要素が浮いてる気がしたり、終盤原作のクライマックスに繋がるという「ナツのルーツ」の一端が明かされるのにそこへ至るテーマ的な伏線が前半に無かったり、脚本はお粗末な気もするが、90分以内に納めた勢いへの好感が勝つ.同じような姿勢なら『スタンピード』や『ヒーローズライジング』の方が面白かったけどもそれはそれ.