2010年代映画ベスト100 +反省点

準備が整ったので、マイ「2010年代映画ベスト100」の発表です。

元は乙郎さんのこちらの記事に触発されたものであることを付記させて頂きます。

触発されてから時間かかったな。。。

 

 

10年分の鑑賞履歴から100本を選ぶのは至難の業なので、各年度別にその年の思い入れある作品上位20本を選び、その中+この一年で新たに鑑賞した作品いくつかを含む中から選出。さらに監督が重複しないようにチョイスしました。印象の重なる映画も片方省いて片方選ぶ、などしているのでこれでも私感の中においてさえ公平とは言いがたいのですが。

年度別リストは以下の通り。

 

2010年映画ベスト20/2010年代ベスト100への道①

 

2011年映画ベスト20/2010年代ベスト100への道②

 

2012年映画ベスト20/2010年代ベスト100への道③

 

2013年映画ベスト20/2010年代ベスト100への道④

 

2014年映画ベスト20/2010年代ベスト100への道⑤

 

2015年映画ベスト20/2010年代ベスト100への道⑥

 

2016年映画ベスト20/2010年代ベスト100への道⑦

 

2017年映画ベスト20/2010年代ベスト100への道⑧

 

2018年映画ベスト20/2010年代ベスト100への道⑨

 

2019年映画ベスト20/2010年代ベスト100への道⑩

 

純粋に映画の出来が良いと思う作品を選ぶとまた全然違ってくるだろうなとは思いつつ、この手法じゃないと永遠に選びきれなかった気もします。

それではベスト100、発表してまいります。

流石にここに順位を付けるのは難しく、順不同で100本です。

これが俺の答えだ!

 

※追記.漏れに気づき、

OUT > ブリッジ・オブ・スパイ IN > パンとバスと二度目のハツコイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 以上です。大震災の前年からコロナ禍の前年までの個人的な10年間をこれでもかと凝縮した100本なので、それなりに味わったり参考にして頂けたら幸いです。

 

何より、ベスト選考作業にあたって「(自分にとっては観るべきタイトルなのに)観ていない映画」が大量に判明したことが大きかったです。大いに反省。

 

以下、未見リストのほんの一部。監督至上主義的なチョイスから。

『私はこうした映画を観もせずベストを選出しました。』看板を首から提げます。


何も変えてはならない
ホース・マネー

郊遊 ピクニック

西遊

彼女が消えた浜辺
ある過去の行方
サウダーヂ
ハッピーアワー
ブロンド少女は過激に美しく
シチリア!シチリア!
エレナの惑い
裁かれるは善人のみ
ラブレス
ゴダール・ソシアリス
さらば、愛の言葉よ
イメージの本
ビリー・リンの永遠の一日
エヴリバディ・ウォンツ・サム!
30年後の同窓会
トスカーナの贋作
無言歌
ポエトリー アグネスの詩
バーニング 劇場版
クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち
ナショナル・ギャラリー 英国の至宝
ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ
エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館
オン・ザ・ミルキーロード
世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ
ローマ法王の休日
奪命金
ハッシュパピー~バスタブの少女~

レッド・タートル ある島の物語
セデック・バレ
パッション

蝶の眠り
セインツ ー約束の果てー
ピートと秘密の友達
罪の手ざわり
山河ノスタルジア
帰れない二人
像は静かに座っている
MUD -マッド-
ミッドナイト・スペシャ
ラビング 愛という名前のふたり

 

そろそろ「オールタイムベスト」的な戯れからフェイドアウトしていこうと考えているので、ここからしばらくの一連の投稿を以て最後の花火にしたいと思います。

2019年映画ベスト/2010年代映画ベストへの道⑩

2018年とは逆に、一年間寝かせたお陰でラインナップに厚みが出た気がする2019年。

一部配信映画が2020年なのか2019年なのか不明瞭なのですが、wikiに入っていた分は2019年の作品にカウントしました。

 

候補作は142本。

 

1位.あなたの名前を呼べたなら(ロヘナ・ゲラ)

2位.ホテル・ムンバイ(アンソニー・マラス)

3位.失くした体(ジェレミー・クラバン)

4位.さらば愛しきアウトロー(デヴィッド・ロウリー)

5位.映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて(田中裕太)

6位.ドクター・スリープ(マイク・フラナガン

7位.シャザム!(デヴィッド・F・サンドバーグ

8位.ザ・レポート(スコット・S・バーンズ)

9位.ブラインドスポッティング(カルロス・ロペス・エストラーダ

10位.ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん(レミ・シャイエ)

 

11位.アリータ:バトルエンジェル(ロバート・ロドリゲス

12位.女王陛下のお気に入りヨルゴス・ランティモス

13位.ROMA/ローマ(アルフォンソ・キュアロン

14位.アースクエイクバード(ウォッシュ・ウェストモアランド)

15位.ブルータル・ジャスティス(S・クレイグ・ザラー)

16位.ヴァスト・オブ・ナイト(アンドリュー・パターソン)

17位.旅のおわり世界のはじまり(黒沢清

18位.ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(マイケル・ドハティ)

19位.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(クェンティン・タランティーノ

20位.アド・アストラ(ジェームズ・グレイ

 

既に10年代後半から、安定期の巨匠を抑え、今、重要な作家たちというものが前面に出て来ている気がします。

そうして俯瞰できる大局の一方、ベストには純粋に映画館での出会いが嬉しかったインドの掌品を。身分差のラブストーリーをあまりにそのままな高低差を持つタワーマンションを舞台に描く。スクリーンで観る画面だから持つ構造、と同時に、ロマンチックさもその画面の中に湛えていたことがグッときました。

似てるようで真逆の体験が『ホテル・ムンバイ』。映画は恐ろしい、暴力は恐ろしい、アクションは、銃声は、世界は恐ろしいということを逃げ場のない映画館で突きつけられる。『スペル』での大音響ビックリシーン連打ぶりに、そしてそれ以上に長い時間、「もうやだ映画館出たい」と思わされてしまったので、忘れ難いです。

『失くした体』はネトフリで観た海外アニメですが、上質な配信映画によく感じる「ああ、これは初見スクリーンで観たかったな」を越えて、「実際にスクリーンで観たような記憶がある」というところまでくる立体的な舞台の捉え方が素晴らしく。

デヴィッド・ロウリー、マイク・フラナガンほどの器用な作り手が量産体制に入っているという事実。

プリキュア映画は冒頭の音楽シーンからラストの音楽シーンまで多幸感が持続し(短いのに、間にアクションシークエンスもしっかりキマッている)、その幸福が物語るものが「宇宙規模の、絶対的な、永遠の孤独(だからこそ輝くものは…)」であるという点に気がつけば涙がこぼれていました。爽快な傑作。これだけの上映時間でここまで充実した実写の邦画が近年あったかというと….

『ROMA/ローマ』はキチンとイオンシネマのULTIRA上映で体感し、本質を味わえました。

とかとか、この年の映画は実際語り始めると止まらない思い入れで満ちています。

特にあらすじよりもスタイルに魅せられる映画が豊富。その最たるモノが『ヴァスト・オブ・ナイト』で、「電話交換台」「録音機」「ラジオ生放送」というディティールこそが主役になって、ただ機能しているだけで楽しい。

鑑賞時はダメな気がした『アド・アストラ』も、思い返すたびにじわじわと味が深まってきました。

 

他、ベスト候補。

 

映画 刀剣乱舞
ミスター・ガラス
サスペリア
アクアマン
アンフレンデッド:ダークウェブ
翔んで埼玉
スパイダーマン:スパイダーバース
運び屋
アベンジャーズ/エンドゲーム
ドント・ウォーリー
アメリカン・アニマルズ
アラジン
海獣の子供
7500
グッドライアー 偽りのゲーム
マザーレス・ブルックリン
トリプル・フロンティア
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に
LEGO®ムービー2
ハロウィン
名探偵コナン 紺青の拳
プロメア
さよならくちびる
僕はイエス様が嫌い
トイストーリー4
天気の子
ホットギミック ガール・ミーツ・ボーイ
ゾンビランド:ダブルタップ
羅小黒戦記
マリッジストーリー
アイリッシュマン
CLIMAX クライマックス
空の青さを知る人よ
マーウェン
アルキメデスの大戦
この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説
ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 ー永遠と自動手記人形ー
クロール ー凶暴領域ー
エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ
見えない目撃者(日本)
ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち
ジョーカー
蜜蜂と遠雷
アップグレード
ロケットマン
黒い司法 0%の奇跡

 

これにて、2010年代映画ベストへの準備、完了です。

2018年映画ベスト/2010年代映画ベスト100への道⑨

一年ぶりのシリーズ更新となります。 過去記事はカテゴリー「2010年代映画ベスト」で。

スパンが空いた事には明確な理由がありまして、シリーズ通してそもそも10年代において気になる作家の作品の見逃しが大量に発覚した事。要するに無邪気に映画を摂取していた00年代を経て、「この監督の映画がとても好きだけれど、この人の作品と向き合うには気力がいるぞ」と警戒した作家を無意識にか避けまくっていた為、そんな風に興味の歯抜け、穴だらけのリストを前にベストを選出する行為がどんどん空しく感じられてしまった為です。

そしてその空しさの果てに、2018年度分にいたってはどうにも選んでいて手応えが無さ過ぎて、やる気を失っていました。

流石に「書かないと」と思いながら引きずり続けるにも一年が限度なので、そんな反省も直視しながら、ひたすらやることなすこと周回遅れの日々を少しでも挽回していきたいと思います。

 

候補作は125本。

 

1位.ANEMONE 交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション(京田知己

2位.ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使い(デヴィッド・イェーツ

3位.フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(ショーン・ベイカー

4位.ファントム・スレッドポール・トーマス・アンダーソン

5位.リズと青い鳥山田尚子

6位.バッド・ジーニアス 危険な天才たち(ナタウット・プーンピリヤ

7位.ボーダーライン:ソルジャーズデイ(ステファノ・ソリマ)

8位.レディ・バードグレタ・ガーウィグ

9位.オンリー・ザ・ブレイブジョセフ・コシンスキー

10位.寝ても覚めても濱口竜介

 

11位.スリー・ビルボードマーティン・マクドナー

12位.さよならの朝に約束の花をかざろう岡田麿里

13位.レッド・スパローフランシス・ローレンス

14位.カメラを止めるな!上田慎一郎

15位.A GHOST STORY ア・ゴーストストーリー(デヴィッド・ロウリー)

16位.怪怪怪怪物!(ギデンズ・コー

17位.ジオストームディーン・デヴリン

18位.シシリアン・ゴーストストーリー(アントニオ・ピアッツァ、ファビオ・グラッサドニア)

19位.ペンギン・ハイウェイ(石田佑康)

20位.へレディタリー/継承アリ・アスター

 

こういう手応えの無い年だからこそ、1,2位に少々反則的な選出を。

スタートからずっとサンプリング文化を弄り続けて、むしろ続編の『AO』の方がオリジナル色のあった『エウレカセブン』が、とうとう何度目かのメタ構造によって「サンプリングのその先」へ辿り着き、閉塞感の向こう側を見せてくれた『ANEMONE』にひたすら痺れました。あくまで物語構造は堅固であった『エヴァ破』と比べても、脱・物語の中に見出すキャラ性の成長と解放は新しいものであったと思います。願わくばエヴァのような無難な着地に向かわぬよう(シン・エヴァのようなことはすでにANEMONEで済ませているので、そこは大丈夫だろうとは思うのですが)。

そしてハリーポッターフランチャイズの最新作『黒い魔法使い』。長年かけて積み重ねてきた世界観あってこその群像劇スタイルで、本作単体以上のスケール感を観客に自然と想起させ、あたかも「世界」を一つの空間に集約させてみせた後で、一気に現実の歴史と結びつく映像を見せつけ、そこからキャラ達に選択を迫る、という流れにまた痺れました。そこでは観客もまた選択を迫られていたような。『アベンジャーズ/インフィニティウォー』のラストより更にスリリングな形で観客と結びついていた気がします。

全体的に物足りないとは言え、10位まではそれぞれ特別だと感じる作品ですね。

ファントム・スレッド』はPTA監督のブランド感とは裏腹に、ただ映画と戯れているだけの気の抜けた愉しさがあった。

よりによってシネマ・イクスピアリで『フロリダ・プロジェクト』を観た後、劇場を出た時の「映画の地続き感」は忘れがたいものがありました。

 

以下、ベスト候補です。

 

映画 中二病でも恋がしたい! -Take on Me-
キングスマン:ゴールデン・サークル
パディントン
ザ・リング/リバース
デトロイト

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
犬猫
ぼくの名前はズッキーニ
シェイプ・オブ・ウォーター
15時17分、パリ行き
ブラックパンサー
去年の冬、きみと別れ
リメンバー・ミー
ちはやふる ー結びー
ヴァレリアン/千の惑星の救世主
トレイン・ミッション
ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル
ミスミソウ
名探偵コナン ゼロの執行人
レディ・プレイヤー1
タクシー運転手 約束は海を越えて
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
ザ・スクエア 思いやりの聖域
モリーズ・ゲーム
孤狼の血
ピーターラビット
犬ヶ島
デッドプール
万引き家族
ハン・ソロスターウォーズ・ストーリー
バトル・オブ・ザ・セクシーズ
ジュラシックワールド/炎の王国
劇場版ポケットモンスター みんなの物語
カランコエの花
ウインド・リバー
インクレディブル・ファミリー
ちいさな英雄 ーカニとタマゴと透明人間ー
ザ・プレデター
響 ーHIBIKIー
若おかみは小学生!
イコライザー
薄墨桜 ーGARO
ムタフカズ
魔法少女リリカルなのは Detonation
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ドラゴンボール超 ブロリー
アリー/スター誕生
シュガー・ラッシュ:オンライン
ホワイト・ボイス
キュアード

 

いや、物足りないとは言え十分に多いし多彩。全部面白いですよ。