はるもえweek! - 『harmoe canvas session Ⅴ/くままま初イベント』感想



ぼくのわたしのスタァライト Advent Calendar 2023 - Adventar

 めのフェ(@Menophe9901)さん主催のこちらの企画に参加します。

えー、でも登録から一日で投稿ちょっとキツくね?

???「今は今はと言い訳重ね…」

やります。

 それでは「ぼくのわたしのスタァライト Advent Calender 2023」

 「Day3」です。

よろしくお願いします。シュトーレン一口ずつの文化はもだもだするタイプです。

 

 スタァライトの大きなイベントの感想はカテゴリー『スタァライト』で順を追って書いてまいりました。まだ舞台#2revivalまでしかカバーできず、と言って最新のバンドライブの感想ももう書き終えてしまった。

 ので、今回は先々週から先週にかけてスタァライト九九組キャスト、露崎まひる岩田陽葵さんと大場なな訳小泉萌香さんと過ごした濃密な一週間の感想を。

 まず前段から。

 

  • 「演者」との距離

 劇場版スタァライトに出会う前、すでにアニメファンとしては感動も飽和状態にあり、声優の名前を覚えるなんてことも長年ほぼ放棄していました。

 そんな中で出会ったスタァライト九九組の衝撃。おそらく劇スのキラめきにやられた人は、「劇場版スタァライト」に灼かれ、その奥に舞台少女たちが実在するという構図にも灼かれ、二重の衝撃を受けたのではないかと思います。

 自分はまさにそうでした。

 2021年夏、閉塞感溢れる情勢下で、困難と直面しながらも舞台にライブにと跳びまわる彼女たちの姿を日々追いかけることが、『劇場版スタァライト』から受けた「私たちはもう舞台の上」という感銘、叱咤、鼓舞とリンクしていく。私たちの足場と地続きに、舞台少女たちが自分を証明していく世界という大きな「舞台」が現在進行形で展開しているのだという実感。

 同時に舞台創造科の皆様の現地レポの数々を目にするにあたって、自分もその「現場」に参加したいと、そう自然と願うようになっていました。

 とは言えまだまだリミスタ=ネットサイン会で名前読み上げられたりは照れ臭い文化として斜めに見ていたし、なんならharmoeのことも「はーもえ」と読んでいたし、まして声優との接近イベントなんて露ほども興味なかったのですが……?

 

  • そしてオタクは現場に通う

 どのタイミングでもえぴガチ恋勢になってたのか定かではありませんが、それでも#3、舞台カラマリ、そしてharmoe canvas session Ⅱと立て続けに現地を逃した後悔が自分の中で集積していただろう事は推測に難くなく、ワクチン接種して少し警戒心も弛緩した頃、ついに年末の朗読劇『リクエストをよろしく』で生ぴ観劇に至ります。年内には初リミスタも体験しました。

 そして翌年、劇場版オケコンでもう引き返せないキラめきを浴び、harmoe canvas session Ⅲで九九組とは別に完全にharとmoeの沼に落ちました。

 特に不意打ちだったのはアルバムのリリイベ。二人のトークとミニライブを見に行ったはずだったのに、現地で急遽「お見送り会」が含まれる事を知らされます。

 一年前には現地にすら行けない、画面越しに見ていた「舞台の上の人」と同じ地平に立ち、お話してしまった衝撃。「あ、本物は小さいんだ。等身大の女性なんだ」というのも、何を当たり前のという話ですが、結構な驚きでした。

 これで怖いハードルは消失してしまった。ハードルが消失してしまったことが怖い。

 

  • はるもえweek!

 そこからどんな体験をしたかもブログに時々綴ったり綴らなかったりして参りましたが、大雑把にいうと「2022年上半期は割と不発だった」です。

 スタァライトシートを確保できないスタァライトの大型リアルイベントはそこそこギャンブルである事や、キャストだけを追いかけてなんでも参加してるとどうしても客層の良くないイベントにも出くわす等々あるのですが、それでも根気強く通い続けて下半期にはそれなりに楽しい思いにもまた出会い、そして先のバンドライブでまたも最高を更新してしまいました。

 最高は日々重ねていくジェンガって偉大な詩人も言ってます。

 たった二年で当初は思ってもみなかった体験が当たり前になり、マンネリ期さえ超えて今、ここ。

 その集大成のような2023.11.19 - 11.25のスケジュールが以下になります。

 ・19日(日)harmoe canvas session Ⅴ

 ・23日(祝)『Love is a potion』発売記念お渡し会

 ・25日(土)『はるぴのくままま』初イベント

 はるもえweek、駆け抜けてまいりました。

 

  • harmoe canvas sessionって何?

 簡単に言えば以下を織り交ぜたミニライブ。

「シングル収録3曲と、参加コンポーザーの他の楽曲のカバー」

 harmoeは「音楽と物語はいっしょに歩く」をテーマに掲げた、tomgggさんが音楽プロデュースを務めるダンス・エレクトロ声優ユニット

 とにかく一曲一曲入念に仕上げた、再生していてつい飛ばしてしまうような「捨て」楽曲の無さが最大の魅力だとまず言い切ってしまいます。

 その土台としてシングルごとに『ふしぎの国のアリス』『リトル・マーメイド』『アラジン』etc…… パブリックドメインな古典童話を借用。つまりコンポーザーに明確な「縛り」を与えて一曲ごとの狙いがタイトになる作用が大だと思うのですが、その縛りの魅力を最大限引き出してくれるイベントがcanvas sessionです。

 漠然としたテーマ性ではなく、物語という「色」の明解な楽曲群で組まれた、たった30分程度のミニライブ。これが二時間MCなしノンストップで展開するナンバリングライブに引けを取らないくらい、テーマパークに迷い込んだような一つの世界に耽溺させてくれるのです。

 勿論それだけでなく二人の愉しいトークやミニコーナーもあり、そこでは大いに緩い二人を堪能し、しかしミニライブではバチバチに決まった音とパフォーマンスを浴び。

 シングル発売のたびに日に三度行われるcanvas session、まるでサウナと水風呂を行ったり来たりするようで心地よく「ととのう」んですね。

 どこか1部だけ参加して他の予定と回すのに使うのも良し、気に入ったら買い増しして残りの部に参加するのも良し。

 

 お値段もお手頃ですし、こんなにハードル低く、それでいてお洒落でいて踊れる時間を過ごせる、万人に開かれた最高の声優イベントそうそうないと思うのですが、同時に「入り口がどこかわからない」という問題も(自分の中で勝手に)抱えていて、やはり唯一の太い導線である「スタァライト」からの流れが機能していない事にいつもやきもきしております。

 発起人がスタァライトと同じ野島P(現在は移動)、デザインワークスはおなじみ濱さん山口さん、そして中村彼方さんが時に作詞、時に物語創作で参加、名物SEおじさんともえぴの喧嘩も見れます。

 スタァライトのAdvent Calendarをチェックしていただける皆様にも、是非あと一歩踏み込んで、その入り口として最適であるharmoe canvas session を楽しんでいただけたら幸いです。

 次回「harmoe canvas session Ⅵ」は2024年3月10日開催決定!

 

 

 今年の思い残しに、

・ 席ガチャの運の悪さ

・ 接近イベントの落選続き(そのために「積んで」しまうと、

  お金ドブに捨てたような虚しさが残ります。アーニャ学びました)

 そして去年から継続する

・ ステージはける時の萌香ちゃんのファンサ絶対もらえない

 

 がありまして。

 この週、もしかして回収できるか? というあわよくばの下心がありました。

 怖いですね、もうそれだけのサービス貰えるのが当たり前だと思っている。

 そんな自分に冷や水を浴びせるように、無事キャンセ3部とも席は後方。OK余裕。

 といっても会場によってはフラットな前方より段差ある後方のが良いという事はままあるので、そこまで動揺せず受け入れ。ここまでharmoeのライブ、キャンセ含めて、「最前」1回、あと全部「中段より後ろ」という極端な確率でやらせてもらっています。

 

 

 最近廃れたなんて話も聞くけどどっこい若者であふれた恵比寿ガーデンを抜け、いざ会場へ。

 やりました。後方の段差によって見えやすい作りの会場だった。1部くらい前にしてくれてもいいじゃないかとは思いつつ、全力で楽しむ心構えは十分。

 

 そして後は順調に本編を楽しんだのです。

 思えば一年前、canvas session Ⅳは前夜から謎の蕁麻疹に苦しみ、徹夜明け病院行ってからの品川でした。本当にしんどかった。

 それに比べればどこまでも優雅に満喫できた気がします。

 構成は上記の通りで、シングル収録曲3曲+カバー2曲、今回は加えて新曲のサプライズ発表&披露があり、計6曲。

 

 以下、記憶にあるトーク&コーナー部分のわちゃわちゃを、各部の順不動で。

・1部、毎回恒例のMCケンタを呼び込むBGMでharmoeが踊りみんなケンタを観ないというくだりーーが、無い! SEおじさん、渾身のSEど忘れ。

・2部か3部、今度はダンサーのかなかおりを引き連れてケンタ登場。一気に華やかに。

・1部、振り付けのかなみ先生のお誕生日をみんなでお祝い。

 

 あ、以上、harmoeのテクニカルタームで、harmoeファミリーにはharmoeダンサーとしてcanvas session独自の4人一組のフォーメーションを発揮してくださる花菜さん、香織さん、イベントMCを担当する声優の細田健太さん、時にちょっと険しい顔でステージを客席のドア前から見守ってたりする沢口かなみ先生などがいるのですが、覚えずとも大体行けばわかります。

 

・いつもはharmoeにエチュードが課されるコーナーがあり二人が猛烈に渋りつつ実行するのですけど、今回はエチュードはなくミニコーナーを乱発させて、結局エチュードやらせてるのと大差なくない?みたいな内容。

 こういうのは実際に映像で見た方が良いと思うのですが、harmoeCDの限定盤を購入すれば過去のcanvas sessionのライブパートが、FC会員になってサイトに入ればトークパートが見れてしまいますので、是非お気軽に空気を掴んでほしいです。

 この日印象的だったトーク、やはり忘れがたいのはここですね。

 事前に投稿され話題となった重なるharmoe。

 

 この内訳を訊かれてのトーク

moe「私、時々地面に近づきたくなるんですよ。それで、稽古場には地面に近い稽古場があって」

har「ああ、あるね。あそこでしょ?」

moe「そうそう。だからこの時も地面に近づいてみた」

har「私、もえぴの後ろついて歩くの好きだから、この時も歩いてたの。そしたら急に視界からもえぴいなくなって、そしたら倒れてたから、後ろにそのまま乗っかって、手を重ねてマッサージしてあげたの」

moe「『あれ? なんか圧が。押しつぶされてるぞ?』って思ってた」

 

 ケンタもルームメイトも、笑ってはみるけれどわかるようでわからない。二人もやけにしれっと話す。何か稽古場によく通う人たちだけが持つ符号の話をされてるようで、ゾクゾクしました。

 

・はるちゃんは水を飲みすぎ、もえぴは水を飲まなすぎ、水は飲んだほうがいいので、もえぴがはるちゃんに合わせて飲んでみれば? という話になり、

はるちゃん「ついて来れる?」

・自炊の話。ここは最近繰り返し同じ話するもえぴの語りが完成されてきていて面白かったです。まず「はるちゃん最近よく料理する」となぜかもえぴが得意げに語るところから始まり、「私は作れば料理を作れる。昔はばななが作るお菓子を手作りして九九組に配った。しかも自炊するとちゃんとヘルシーな料理を作れる。でも私が好きなのは料理じゃなくて後片付け。料理は『できない』のではなく、『したくない』からしない。わかる? 一人暮らしの私が料理をする意味が無い」

 ずっと一人の人の発言追ってると、繰り返し語られる中で本人にとっての論理が生成していく過程を追えて面白いです。屁理屈や。

・コーナーの最中に出てきたショートケーキ。例によって進行無視して自分のペースで勝手に食べてしまうもえぴ。今回ははるちゃんも追随するけど、本当におなか空いてる人のペースで手が止まってなくて「いっぱいお食べ」になりました。

・harmoe photo bookⅢの撮影で山梨に行った際、お邪魔した山梨の湖畔にあるアミューズ新本社アミューズヴィレッジが羨ましくて仕方ないはるちゃん。

har「いいなー、御社」

moe「いいでしょー。最初に山梨って聞いた時は本当に『えー。。。遠い。。。』って思ったけど」

 

・この日の衣装はLove is a potionのMVと同じ白雪姫モチーフ。青、黄色、そしてヒールの赤のコントラストが鮮やかでしたが、なんと二人の跳躍力を図る無茶なパートが。何考えてるんだSEおじ。

 だいぶハラハラして見守っていたけど、ゴリゴリ本気の準備運動のストレッチをする二人。そしてヒールで見事に跳ぶ。他にもダンス中たびたび覗く腕の筋肉に惚れ惚れしたり、そうだ基本フィジカルお化けの舞台少女なんだって改めて思い知らされました。

・シングルごとに雰囲気のコンセプトを設ける二人(囁き強めの「ささ度」、チルアウト感を出す「チル度」など)。今回は「儚尊(ハカナトウト)度」で。

・大食いなのはどちら?みたいな話題。

har「沢山食べるのは、もえぴ」

moe「沢山頼むのは、はるちゃん。『私、今日は行ける気がする』って言ってたくさん頼む。でも途中で『これ、ちょっともえぴ。。。』って残す」

har「それで私が残したの全部もえぴが食べる」

 

 もっと沢山あった気がしますし、他の方のレポを見て思い出せたら追記していまいりますが、1~3部とも後方の段差席だったので、遠くからほのぼの見守る時間そのものに浸っていました。たしかに(そこまでハッキリとは見えないので)儚くて尊い時間。

 

 そしてライブパート。

・セットリスト

①Okey◎Dokey

②Twilight

③wait for you

④ダンスの合図

⑤Love is a potion

⑥ふわふわpartyつられてhappy

 

 まず、canvas session本当にセトリで一つの世界を作るのが上手。

 この点において多彩な世界が合わさる大ボリュームのライブツアーよりも、canvas sessionにこそharmoeの真価があるって思ってしまうんですよね。

 音響もローが効いていて、腹に来る低音で自然と体が揺れる。

 音源で聴いてミニマムに感じる曲ほど、現場では一音一音が拡張して心地よく体を包み込む。

 今回は特に恵比寿ザ・ガーデンホールという環境を活かし、wait for youでミラーボールが回り出した瞬間にharmoeの音楽の最適解を見た気がしました。

 

 一曲目のカバー『Twilight』はharmoeコンポーザーの主軸であり『Okey◎Dokey』も担当されたやぎぬまかな作詞/tomggg作曲コンビが音楽原作キャラクタープロジェクト「電音部」に提供した曲。

 今までのcanvas sessionの流れとしても選曲されて何ら違和感はないのですが、実は昨年の初夏に既に公式にharmoeがカバーし電音部のベストアルバムに収録済み。

 そこから一年半まったく披露する素振りがなかったので、逆に油断していたので完全に不意を打たれました。そして振り返ってみれば、ただ悪戯に不意を打ったのではなく、この曲がもっとも効力を発揮するセトリを待っていたのだと思い知ります。

 

 二曲目のカバーは『ダンスの合図』

 こちらは『wait for you』を提供したおかもとえみ作詞/parkgolf作曲チームの、えみそん曲のカバー。非常に大人びた歌詞としっとりした二人の妖艶な空気にドキドキしました。役者が歌う意味、振りが付く意味。

 これ、どちらかというとアニメや声優全然関係ないほうの自分の趣味の側の人たちだったので、二人の名前がスクリーンに映し出されて改めて不思議な気持ちに。

 昨年からかな? カバー曲の前に映像が付くようになったのですが、ホールの照明と相まって、シックなダンスフロアの空気感を醸成する事に成功しています。

 

 勿論オリジナルソングも大音響で聴いてこそ本領を発揮し、いつもながら「もう持ち歌にしてしまえよ」と思うカバーソングも、恐らく決してオリジナル版では醸せない「ハーモニー」「ダンス」の効果でその魅力を最大限に引き出す。

 加えて、canvas sessionならではのhar・moe・かな・かおり4人のダンスのフォーメーションが今回ますます洗練されていました。

 シンプルに「OKDK」の文字を示す、ハナから二人組用ではない振付の思い切りが一曲目からワクワクさせて、そして『ダンスの合図』アウトロ、スキャットのような不思議なコーラスに合わせて4人が見せるカノンの妖しい美しさ。

 なんで僕ら指定された席の上でペンラ握ってるんだろう。思い思いにフロアで揺れていいんじゃないのか。これもharmoeではいつも思うことですが、今回も強く認識しました。

 『wait for you』『ダンスの合図』のパートでは背景に衣装ラックやテーブルといったセットが出現し、これらと小道具替わりに触れ合う二人のパフォーマンスも素敵。

 

 そして『Love is a potion』

 流石にもう何度も聞いてきた一応「新曲」ですが、音的にはこの日やっと完成したんじゃないかくらいの大化けを。

 

 そしてそして、サプライズの新曲。

 『ダンスの合図』を織り交ぜたことで、かなり大胆に振り切ったなというくらい大人びた演出を施されたこの日の二人、セクシーですらあったその方向性が、ここで『くまのプーさん』モチーフの教育テレビみたいな雰囲気に反転する仕掛け。

 1部を踏まえて学んだルームメイトさん、この曲のターンがくるとharmoeおなじみの青と緑のペンラの色を一斉に黄色に変えるのも最高で、しかし何よりはるもえかなかおりのフォーメーションが既にめちゃくちゃ完成されていて目に愉しい。

 木こり?のような手を伸ばして引いてのモーションをあっという間に観客みんなで覚えて真似していく、canvas session複数回参加ならではの醍醐味もさることながら、落ちサビで4人がグルグル回るダンスが照明と相まって気持ちよかったです。

 

 「統一感」というクオリティコントロールを「タイアップ先」に左右されてしまう声優アーティストの業(一般アーティストでさえ逃れられていない)を、タイアップとアーティストの中間に「モチーフとなる童話」というワンクッションを挟むことで軟化して、canvas sessionを通過することで自分たちの世界観として完全に消化する。

 そんなharmoeの唯一無二の強みが果たして『くまのプーさん』モチーフでも通用するのか? 

 harmoe canvas session Ⅵへの期待は高まるばかりです。

 少しでも気に留めてくださった皆さん、次は足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

 さてこの日、個人的なハイライトは第3部に訪れました。

 1部、2部ともに後方の上手端。段差があるので視界は良いとは言え、決して良席とは言い難いものでした。

 そして1部、2部と後方にズレ続けていよいよ今日一番後ろだなぁと思って向かった第3部。

 すぐ近くの中央席が撮影機材の裏側にあたるので客入れをしておらず、かなり開放的な列。そしてステージを見て気づいてしまうのです。

「この席、もえぴの目線のド正面じゃん」

 実はcanvas session Ⅲでも前方ではないがもえぴの視線を貰い続けながら踊る、という愉しい経験をしていたので、これはもしかするともしかするぞと開演前そわそわします。

 

 ところで、canvas sessionでは毎回ファンからの質問メールを読み上げ二人が答えるコーナーがあり、二人が名前を呼ぶ⇒会場中が拍手する⇒そこそこ長く二人が投稿者に手を振る、という時間が生じます。

 いくら現場通いに幾つか思い残しがあるとは言え、流石にこの栄誉ばかりはごくごく一部の選ばれし人のもの。そう高望みはしておりませんでした。

 一応出かける前に3部ともメールは送っていたのですが、「いかにも読まれそうな文面」を1部、2部でひねり出してネタが尽きてしまい、3部は正直自分でもそこまで良い質問だとは・・・・・・読まれました

 推測通り、本当にもえぴの目線のドセンにあった座席。

 顔はちょっとハッキリしない距離だけど、正面からharmoeを眺めていられる時間にボンヤリしている中でケンタの口から発せられる「スズキ・・・」

 ここでようやく「あれ?」と気づいてからの、

「ピクさん」

 俺の席はいわば会場の中央の空間。みんなの拍手。集まる視線。そして同じ目の高さでこっち見てくれるharmoe。

 moeに手を振る。振り返してくれる。harに手を振る。振り返してくれる。

 もう一回moeを見る。まだ手を振ってくれてる!

 moeに手を振る。振り返してくれる。harに手を振る。振り返してくれる。

 

 マジで最高の神席をありがとう。投げずに凡メールでも投稿していてくれてありがとう今朝の俺。

 人生でこんなに「浮足立つ」時間てなかったと思います。

 王様になった気分だった。

 自分のメールに二人が何か答えてくれた気がしますが、よく覚えてません。

 

 それよりここから先、もう二人の視線に一度捉えられ、そして二人の視線にバッチリ収まり、かつ近くに空席があるので認識されやすい位置。

 一瞬たりとも気を抜くわけにはいかない。完璧なファンとしての所作、ライブ中の振る舞いを心掛けなければ。

 第3部の内45分くらい? そう短くはない時間、自分は間違いなく舞台少女だったと思います。

 観客はharmoeの二人。私はもう舞台の上。

 二人の視線に恥じない自分を演じ続けていました。

 足がつり、肩は凝り、それでもずっと全身に神経研ぎ澄ましていた。

  これはこの後本当に「やってく」事になる自分。

 

 

  • 『Love is a potion』発売記念お渡し会

 

 その僅か4日後。

 今度はポニーキャニオン本社にいました。

 

 リリイベのお渡し会が当たったのです。

 上半期さんざん外れてきた接近イベント、それも何より外れて悔しかったポニキャ本社でのそれにリベンジ。

 canvas sessionでは『Love is a potion』のMVのお衣装の二人に会えましたが、ここでは『Love is a potion』のCDジャケットのお衣装の二人。

 完全に天使がそこにいて、自分の番よりも、他のルームメイトの相手をしている二人の挙動を(仕切りがなかったので全部丸見えだった)ずっと眺めていられた事の幸せが勝ったのを覚えています。

 はるちゃん、あの小ささで聖歌隊の子供みたいな衣装でぴょんぴょん跳ねてるの、ちょっとウソみたいにフィクションだった。

 

  • 『はるぴのくままま』゛みんな”で初イベントパーティー

 

 その僅か2日後。今度は浅草にいました。 

 『岩田陽葵と小泉萌香の気の向くままに思うがままに』5年目にして初の生イベント、「〝みんな゛で初イベントパーティー」昼の部/夜の部に参加してきたのです。 

 面白いもので、様々なコンテンツを横断しておられる二人。作品ごと、共演者ごとに立場が異なっている。恐らく自然な処世術で周囲の空気に順応しているのだと思うのですが、同じ二人の組み合わせであるにも関わらず「harmoe」でいる時と「くままま」でいる時と、「異なるリラックス」をしているように見えるんですよね。

 

 かねてより、くまままのイベントが開催されるとしたら、まるで自宅にいるかのようなリラックスした空気でTVゲームでもして遊んで、二人に負荷がかからない状態を共に過ごさせてほしいと思っていたのですが。

 本当に、二人の為のゲームでファンが体を張り、二人がフリーゲームをしている様をファンがずっと眺めるという、ファンじゃない人が見たらしばかれそうな、しかしファンとしてはこの上ない時間を過ごすことが出来ました。

 

 まだ恐らくアーカイブ見れるので細かい話はしませんが、終始「harmoeなど存在しない体」で話すというコントが、この一週間の最後だからこそ非常に効果的にくすぐってきます。

 余談ながら両部共に連番した初対面のルームメイトさんとお話させていただいて、お蔭で終始リラックスして愉しい時間を過ごせたのですが、お二人とも「canvas sessionでメールを読まれた事があり、あの舞い上がる時間を経験している」という共通点があったという奇遇。

 両部とも最後にカラオケコーナーがあったのですけど、これも本当にカラオケ環境で歌うだけで、harmoeの作りこまれた「ライブ」との落差が激しくて、あくまでリラックスした環境をキープしてくれたのが有難かったです。

 

 時間を置いて、舞台の上で虚構を纏う「harmoe」が、「ただの岩田陽葵と小泉萌香」に戻っていくまでの過程を、我々ファンはこの一週間で目撃出来たんじゃないのかと。それはとても貴重な時間でした。

 

 ところでcanvas session Ⅴのほんの3日前、放送された『くままま』番組内でのイベントへの要望のようなコーナーで、最後にお便り読まれておりました。

 カラオケコーナーがあるならハモリを聞かせてほしい。そういった要望を。

 夜の部で歌われた『いーあるふぁんくらぶ』最後、ここで明らかにカラオケというレベルじゃないハモが聴けて最高だった他、この曲のテイスト、観客を巻き込んだコーレスや振りがharmoeの『harmony to the west』を想起させ、この日ずっと続けてきた「harmoeなんて存在しない」コントが「ここがharmoeの始まりであった」という時空を超えたオチに結び付く流れに。アドリブでしょうが、してやられました。

 こういう機転の利かせ方もどこか舞台少女の勘所の良さだよなぁとこじつけ。

 

 また夜の部は最前下手で、二人がはけていく時に、念願の「はける時のファンサ」いただけました。

 こうして思い残しをすべて踏破したのです。

 

 実はこのweekはここで終わらず、翌日曜日、再び恵比寿ザ・ガーデンホールに舞い戻り、小泉萌香さんとは縁浅からぬtofubeatsメジャーデビュー10周年記念ライブに足を運びました。

 流石にスタンディングで、キャパは超大増量。

 けれど「そこに一週間前harmoe立っていたんだよなぁ」と、ステージに立つtofuを筆頭とした一流アーティストたちの横に二人の姿を幻視して、改めて余韻に浸ってもいました。

 こういうステージでharmoe聴きたいよなという気持ちも強く。

 

 取り留めがなくなってしまいましたが、日付も変わったのでこれにて私のスタァライトAdvent Calendar「DAY3」とさせていただきます。

 

 劇場版スタァライトの煌めきに灼かれた事で、こんなにも遠くに来てしまったよという話でした。

 

 因みに本日12月3日、今度は池袋に行って、もえぴの所属する新ユニット「MIX JUICE」のお渡し会に参加する予定です。

 流石に遠く行き過ぎ自重しろ。