聖地さえも舞台機構 ー 『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 Colorful Dreams! Colorful Smiles!公演 day1』感想置き場

 

この一年追い続けてる小泉萌香さんがこの十年追い続けてるtofubeatsの提供した曲を歌う。だったらその初日には何がなんでも駆けつけない訳にはいかないよなただCDは積みたくは無い!

という意地と運で掴んだ「見切れ席」のチケット握りしめーー顔写真認証の電子チケットなので握りしめることもできず、グッズもなく、配信も購入せず、本当に記憶ひとつだけを思い出にして参戦してまいりました(ペンラは𝒉𝒂𝒓𝕞𝕠𝕖グッズでまかなった)。

 

ファンなりたて当初から小泉さんが「因縁の地」として語っていた有明ガーデンシアター。それは他のメンバーにしてもそうで、「初めて立った時に無感客だった」こと、にも関わらずアニメで大々的にフィーチャーされた聖地であること。ユニット毎のファンミで徐々にこの地に触れ合い、最後にみんなで揃って立つことが出来た記念すべき日。

 

 

まず単純に会場とても良いなと思いました。

有明なので通いやすい。巨大モールやスパ、ホテルとほぼ一体化している。

大人数を収容しつつ距離が近い。

流石にこれだけのビッグタイトルのイベント会場にしては明らかにキャパが足りてないのですが、しかし「ここでやるしかなかった」事は十全に伝わる演出でした。

 

こちらの方のセトリレポをお借りして、印象だけで感想参ります。

ちょっと違くない? と思った方は配信で確認してみてください。

これは僕の頭に沸いた視界に咲いた虹の記憶。

 

 

冒頭、OPを再現するステージ二段編成、CDCS衣装でのライブ表題曲。

 

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全員がこの衣装そのままで出てきたという興奮がいやますのは、この一年色々なイベント現地参加する中でなんとなくわかってしまったのですが、明らかに衣装金かかってる。。。現実から1.5センチほど立体的に浮き上がるようなフィクションめいた衣装がしっかり作り込まれて(でもフワフワで)そこにある、という不思議な感覚。

 

ここからサイドモニターにアニメダイジェストが流れ、ランジュが『Eutopia』を披露するに到って観客は完全にあの時虹ヶ咲学園に居合わせた当事者となる訳ですが、これさえクライマックスへの伏線だったのですね(アニメ版そこまで丁寧に見ていた訳ではないので、この時点では全然考えてなかった)。

あれだけ作り込まれたCDCS衣装を一瞬で脱ぎ捨ててまでのランジュの衣装の現実から浮遊した二次元的完成度も半端ない。それでいて良く動けるよう機能的でもある。

この日ほとんどあえてサイドモニターの中継映像は見ずに本人を見ることに撤したので、衣装が作り込まれていれば作り込まれているほど、そこにいるのがキャストなのかキャラなのか二重写しに見えていました。

 


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ランジュのダンスの手数が大量だったことで観客がスタート直後なのにもう終盤みたいな興奮とどよめきで満ちていたのも面白かったですし、明らかにハイライトになりうるこの曲をスタートに持ってこれる自信にも昂揚しました。

 

そして余韻に浸る間もなく、同様に異様にレベルの高い衣装でユニットが次々登場し、間髪入れず目玉級の曲をパフォーマンス。

明らかに「勿体ない」んですけど、そのColorfulで目まぐるしい衣装チェンジの数々が生み出すイリュージョンもやっぱり現地で見るとそうしたランウェイかのようで目に愉しい。

 

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アニメMVは一番分しかないので、二番以降サイドモニターではアニメの通常シーンの素材が延々流れ続けるんですね(そういえば、見切れ席だけどキャストが見切れてしまう時はちゃんと中継映像がサイドモニターに流れている事が何度もありました。福利厚生が手厚い)。

アニメ見ている時はなんなら「このビッグタイトルにしてこの地味演出すごい」と思っていた部分がモニターに流れ、そのモニターなめに、そのドラマパートを経て本番を歌い踊っているキャラ/キャストを見る、という感慨。

『劇ス』オケコンという唯一無比の体験に少し似た何かがそこにはありました。

「良く出来た総集編」と「完璧な2.5次元」が互いを補完し合っているような感覚。

音楽的にもどんどん洗練されている虹ヶ咲ですけど、ガーデンシアターの音響のクリアさにも存分に見合っていたと思います。

 

そして、長く付き合っていく病気の中で「やれることをやっていく」と決めた楠木ともりさんが、A・ZU・NAとしてのパフォーマンスで本気でやりきっている様。もしかすると助けられる形でのフォーメーションなのかも知れませんが、そこにはせつ菜がしっかりといて、胸打たれました。

下手側から見ていたので、楠木さんが他の方のダンスの妨げにならないよう全体曲では上手の階段踊り場へ移動し一人でパフォーマンスする様がこの日全部見えていて、正直それだけでだいぶ目頭が熱くなっていました。

 

そしてやってきます。

 

この日、この曲を生で見ることが人生のハイライトになるだろうとまで思っていた、

三船栞子(CV.小泉萌香)『EMOTION』

 

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アニメ再現の白く幅広のハットを斜めにかぶり、位置的にたびたび小泉さんのお顔が隠れて、振付けが引き立てるあの異様な等身のスタイルと、栞子のハットと、けれど栞子ではない黒髪ロングが垂れる背中とが見えて、そこに「ありえたかも知れない栞子」を幻視することが出来たことに何より痺れていました。

小泉さんとお姉さん、栞子とお姉さん、七海燈子とお姉さん、それぞれの髪型の違いと推移。色んな情報が自分の中で重なってしまって。

同じラインの繰り返しで声をより高く伸ばしていく終盤への盛り上がりも流石。

 

配信チケット買ってないのですが、理由として純粋な金欠とは別にこの幻視の記憶をしばらくは手放したくないという想いもあります。

 

余韻に浸ってた為、次の瞬間に高咲侑さんがステージ上でピアノを弾き始めたのも目の錯覚かなと一瞬疑いました。

 

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そして再びアニメダイジェストからのーー

 

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ここで秀ちゃんのヘアカラーがミアになってるのも、虚実の境をグチャッと歪められてる状態なので、もはや自然に受け入れていました

 

ここで全員のコーレスが入ります。

こういう定番がある事は知っていましたが、いつぞや配信で見た時は苦笑混じりの茶番として見ていたものが、ここまでノンストップかつアニメの再現、というライブ演出の流れの上で来ると、スタァライトでいうプレコールのような、キャラクターがキャラクターとして自己紹介している演劇的振る舞いとして効果的に立ち上がって来ました。

 

そしてここから怒濤のソロ曲ラッシュ。

12人分ですからね。怒濤としか言いようがない。

あと見切れ席とは言えバルコニー最前、油断してるとファンサが飛んでくる。

もっと遙かに狭いキャパでも貰ったことなかったのに。

これがスクールアイドル……。

コーレスでは椅子に座っている楠木さんがここではマイクスタンド持ち上げてパフォーマンスするの、同情を逆手に取った興奮をかき立てられて上がりました。

 

不遇の時代が長かった分栞子を大切にしてくれてるのか、『翠いカナリア』の時巨大な送風機をサイドに用意して何か飛ばしてたのですが、ちょっと音が大き過ぎてオケが一部聞こえなかったのは笑いました。

(これ、『EMOTION』サビでMV再現の蝶々を降らせた場面の事かも知れない。我ながら記憶が怪しい)

お金が、、、いちいちお金がかかっている、、、。

 

そして最後のアニメダイジェストからの(最初の)クライマックス。

ここで! 開演前まで「ここがガーデンシアターかぁ」なんて好奇心からウロチョロしていた会場ホワイエ、まさにその場所を侑ちゃんが走るアニメ本編の映像(そんなシーンがあったことも記憶に無かったです)が流れてきてからの、客席中央に立ち上がる侑ちゃんとステージ上のアイドル達との場面再現。

それを視線を行ったり来たりさせて眺め、、、

 

振り返っても思うんですけどこれやっぱり2.5次元舞台じゃん。

 

そして(またも衣装チェンジしている)クライマックス曲『Future Parade』

 

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とても好き好きソングであるED曲『夢が僕らの太陽さ』。

 

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君はどんな夢の中で踊りたいのかな?

 

ファンの方がアニメ再現で虹を作りましょうって国際展示場駅で必死に呼びかけてましたが、そんなことするまでもなく客席を好きな色で染めてしまう超強力な照明。

 

アニメOPで何度となく見た「ガーデンシアターの景色」、ライブ中バルコニー最前から何度も振り返ってグルリと見晴らして、「こういう景色を推しは見てるのか」と疑似体験出来たことも嬉しかったです。

客席とステージが互いに虹を架けている。贅沢な予算の力を使って。

今までそこまでラブライブ!の魅力を理解出来ていた訳ではなく、どちらかというと小ぶりで人力の魅力が宿るステージに好感を抱いてきましたが、こういう圧倒的なイリュージョンがあってもいいなと思えました。

 

すでに相当なボリューム。

普通ならここで終わって軽くアンコール、くらいで良いはずなのですが、

虹ヶ咲はアンコールからが本番というのもなんとなく判っていたので、モニターのアンコールメーターを使って会場と配信の観客が一体化していく不思議な時間を満喫している間は小休憩。

このとき配信のコメントがみんな「ともりるがせつ菜で良かった」「ステージに立ち続ける選択をしてくれてありがとう」というメッセージを会場に伝えたい、という意思で統一されていたのも良かったですね。

今年はこういう配信コメントが流れる演出をよく現地で見るのですが、誰かの適当に書いた悪意ある言葉が普通に大きく流れて会場みんな目にして微妙に気まずい空気になる、という事が頻繁にあるので、毎回ハラハラしています。

書き込んだ人もまさかそこまで注目されてるとは思っていないのでしょうが。

そういう嫌な記憶が今回なかった。

 

そして、このアンコール明け一発目が、この一週間Twitterのオモチャにされた特攻服姿での『繚乱!ビクトリーロード』。

まず登場の空砲と花火にビックリ、勢いよく飛びだしてくる栞子のガンくれの圧のハンパなさにビックリ、そしてあのライトセイバー(他にどう形容すれば)を用いたポージングのバリエーションの豊かさにビックリです。

配信だとスイッチングで判りづらいかもですが、もえぴの「剣を使ったポージングのセクシーさ、途切れ無さ」が、なにげにこの日のベストアクトってくらい完璧でした。

生まれた時からキッズモデルですからスキルとしては持ち合わせていてもなかなか披露する場が無かっただろうセクシーなポージング。今年アミュボのファンミ、音泉祭りプレミアム、そして繚乱ビクトリーロードと、「そこで???」という場でばかり披露して、とうとう完成させたなとさえ思いました。

この曲のみならず、小泉さん全体曲での踊りが異様に決まっていてセクシー。

恐らく同じだけのポーズの決め方のダンスを𝒉𝒂𝒓𝕞𝕠𝕖ライブで披露するには筋肉がもたないと判断したんだと思いますが、明かに𝒉𝒂𝒓𝕞𝕠𝕖とはモードが違っていました。

 

そんな風に特定の演者の振付けを爪先から頭までずっと見ていられるのも、ガーデンシアターのバルコニー席の見晴らしの良さあってこそ。

12人、時に13人がバラバラに何かしている場面でも一瞬で全体像を把握出来て、好きな部分をピックアップして細かいフリやじゃれ合いまで視認できて、本当に良い会場だなとかなり好感触です(アリーナ後方の視界だけがちょっと怖いかも)。

 

また、勿体ないくらいColorfulな衣装を次々チェンジしてきたライブで、アゲアゲ曲だとは判っていてもどう披露するのか予想がつかなかった『繚乱』初披露の場に特攻服+ライトセイバーを選んだ、という点が凄く演出として粋なサプライズだったので、特攻服だけがネットで拡散されるとどうにも野暮ったいイメージが勝ってしまう点、少々惜しく思っています。

 

余談ですが先日リミスタでもえぴに「4thシングル」と「フォース」をかけたメッセを送り「わかんないや」と言われ盛大にスベった為、ここでライトセイバーという形で伏線回収されてスッキリしました(今週『くままま』でもスターウォーズの曲口ずさんでたので、なんかもう一言説明入れたらピンときたのかな、、、後悔、、、)。

 

ここからも無限に終わらないユニット曲ラッシュ、全体曲フィナーレ。

 

第一部

 

キャラの自己紹介

 

第二部

 

アンコール(という名の休憩)

 

第三部

 

そんな構成のスマートさも好みでした。

以前配信で見た虹ヶ咲のライブで「トロッコで移動したり、お客さんにひたすらサービスしてる時間があまり演出として美しくない。。。」と感じてそこまで期待せずの参加だったのもあり、ちょうど良い回に出会えたのだなと思います。

 

「次は虹ヶ咲のライブでこんな場面が見たいな」みたいな心残りが本当に無い。

燃え尽きた。

あれから一週間。

まだ気持ちがフワフワしていますが、

 

「白いハットから黒髪を垂らした、スタイルが良くなった栞子が『EMOTION』を踊る姿」

 

個人的に人生で見た美しい景色のトップ3に入れさせていただきます。

 

1位は説明すると面倒な『砂浜で踊るショーン・レノンの彼女』です。

 

 

最後に思い出せること羅列

・ともすればしんみりしてしまいそうな状況でも、センターの大西さんがサイコな発言で〆てすぐ笑いに引き戻せるので、あぐぽん上手なポジションを掴んだなと思う(それも計算なのか天然なのか非常にわから辛いとこ含めて)。

・前田さんが泣き出した瞬間、ほーみんに「もう私泣くの我慢したのにっ、うつっちゃうじゃんっ」とバタバタするもえぴ。

・バルコニー最前、かつ周囲が中高年でいてペンラ両手持ちなので動きが鈍く(失礼)、自分だけやや前のめりで目立てたこともあり、みんなビックリするほどレスくれる。

 初めて小泉さんに「目が合って、(𝒉𝒂𝒓𝕞𝕠𝕖の)ペンラ振って、そこから改めてこっちにめっちゃ手を振ってくれる」という本物のファンサいただきました。

 比べれば今までライブ中に目が合ったと思い込んでたのは全部錯覚や。

・今年小泉さんを追って銀河劇場まで舞台エーデルを観に行って、そしたら栞子のMVの舞台が銀河劇場で、そのMVを小泉さん越しに目にするのもまた、世界のリアリティラインが崩れる経験でした。

 

 

ありがとうございました。

 

※追記.この記事の内容をこれでもかってくらい圧縮したメールを『ラブライブ! 虹ヶ咲学園~放課後放送室~』第118回にて採用していただけました!

 あなたに届いたEMOTION。

 

 

 

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