「舞台『Color×Malice』Blu-rayディスク上映イベント2023」感想

 4.23(日) ニッショーホール(旧ヤクルトホール).

 

 2016年にオトメイトより発売された、入り組んだ人間関係の中で新宿署地域課・特殊地域防犯対策室ーー通称”特防”の面々が、銃刀法を失った日本で連続大量殺人事件ーー通称"X-Day事件"を追いかける恋愛サスペンス乙女ゲーム。劇場版アニメの公開も決定している人気作品『Color × Malice』ーー通称"カラマリ”の舞台シリーズ。

 主人公・星野市香のロマンスの相手となる刑事によって、明かされる事件の真相の側面が異なり、すべて合わせて全体像がわかる作り? 

 2019年に岡崎契編(脚本:木村純子、演出:樋口夢祈)が上演され、続く2020年に榎本峰雄編&笹塚尊編(以降、脚本:演出は久保田唱)がW上演される予定だったがコロナにより延期。

 一年後2021年秋、キャストを変更して改めての上演。

 この頃はすでに九九組及び小泉さんを認識していたので(しかしワクチン注射前で足が重かった)、気にしながらも観劇出来ずにいた作品。

 星野市香役はルート毎に異なり、岡崎編は出口亜梨沙が、W上演時には笹塚編:小泉萌香/榎本編:花奈澪が交互に出演。

 その一年後、2022年夏𝒉𝒂𝒓𝕞𝕠𝕖 1st LIVE TOUR『This is 𝒉𝒂𝒓𝕞𝕠𝕖 World』最終日東京会場に『Color × Malice』製作委員会から二人に宛てたお花が。

 「なんて義理堅い。。。」とルームメイト一同感嘆していたところ、年末上演『白石景之』編の市香役が岩田陽葵と発表(通常エンド/悲恋エンドのW上演)。

 

 前置き長くなりましたが、𝒉𝒂𝒓𝕞𝕠𝕖とは何かと縁深いタイトルにようやく追いつけました。

 

 舞台『笹塚尊編』キャスト一覧。

 

 星野市香:小泉萌香 笹塚尊:伊崎龍次郎

 柳愛時:富田翔 榎本峰雄:飯山裕太 白石景之:松田岳 岡崎契:須賀京介

 

 望田政信:添田翔太 桜川寿:松村芽久未 冴木弓弦:平井雄基

 吉成秀明:栗原大河 森丘創:福地教光 峰岸誠司:吉村和紘

 星野香月:深澤大河 瀬良あきと:山中翔太 一色康弘:後藤望

 御國れい:釣本南 相田学:三原大樹

 

 この日登壇したのは市香の他、

 榎本&笹塚編からシリーズに出演続投している笹塚・柳・榎本・白石。

 (柳役富田、白石役松田は岡崎編から担当し続けている)

 

 イベント開始。

 開幕同時にすごくぬるっと登壇する小泉・伊崎。

 あまりにしれっと舞台衣装メイクままの二人が出て来たので、お客さんだいぶ「???」と混乱していたと思うのですが、(後で理由はわかるけど)どこかぎこちない二人のグダグダしたトークで、弛緩した空気。

 非日常が始まったようで始まってないような。

 『ささつ』の二代目槙くんである伊崎くんを生でお見かけできて嬉しい!

 

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伊「ぶっちゃけ・・・こんなにお客さん入るとは思ってなくて! どうしよう全然気合い入れてこなかった」

小「私、あの、本当にドタバタしてた時期の舞台だったので、、、記憶が」

伊「本当に(小泉さん)あの時ドタバタしてたもんね、、、」

 

 何と何って言えないくらい色々なこと同時にしてたもえぴ、あの頃、忙し過ぎて𝒉𝒂𝒓𝕞𝕠𝕖の現場ではるちゃんに笹塚の台詞を担当してもらい台本読み合わせしていたとよく語っていました(はるちゃんはその後、まさか市香を自分がやる事になるとは知らなかった)。

 

伊「コメンタリーは公演ごとの主役カップルが上手に、それ以外のガヤが下手に座るので、もう好き勝手言われるんだ。今日は俺らがやられる側、、、憂鬱でさ。だって昨日(榎本編)俺、ガヤやる側だったから! 知ってるから!」

小「私、とてもアウェイだと思うんですけど」

伊「そんな事ないよ! え、全然そんな事ないよ???」

 

 そして本編上映前半。とはいえトータル三時間近い作品、かなりのボリューム。

 初めて触れるカラマリの世界。

 想像以上に大きなスケール、過激な世界観、ひっきりなしに入れ替わる大量の登場人物と、その中で全然退場せず細かな衣装チェンジを繰り返しながら長台詞や推理シーンを口にし続ける市香。

 あの多忙さの中で一体どうやって、、、となる出番の多さ。

 作品としても状況説明でいっぱいになってしまいそうなところ、弟との触れあいで市香のキャラ立ちと笹塚との関係性の深まりが同時に展開する流れは自然。

 普通に舞台として面白いことが僥倖でした。

 ちょっと音が小さいことを抜きにすれば、スクリーンにかかるカラマリの世界に十分浸って前半終了。

 実は客席最後方で小泉・伊崎も客と一緒に見てたと言われてドキドキ(距離的にだいぶ近かった)。

 

 そして満を持して、ガヤチーム登場。

 

 実は先日の『LIAR GAME × murder mystery』のはるちゃん出演回を配信で見ていて、とにかくボケの手札の多さで真相から目を逸らすことに成功した富田翔さん一体何者、、、となっていた為、非常に楽しみにしていましたが、前日の『榎本編』で仕上がっていたガヤチーム、役になりきって颯爽登場。

 富田さんに到ってはあくまで柳愛時として喋り出すので笑う笑う。

 ここでもうイベントの空気が決定したと思います。

 

 以降、役名で。

 自己紹介と共に勝手に始まるガヤチームのランウェイ。

 誰だったか「今ハマってるんで」と花道歩いてボトルフリップをして、普通に失敗する勢いでまぁ笑った。

 

 お三方の素を知らないので、2.5次元になりきった個性バラバラのイケメン3人がふざけ倒したらそりゃ楽しいよ。

 三人は下手にスタンバイし、これから始まる市香と笹塚のロマンスを茶化す準備万全。

 「あー……」という呆れ顔で三人を眺めている尊市。

 

柳「あ、今日ピンマイクなので皆さん声張ってください、お客さんに届かないから」

 急にマジのアドバイス

笹「あ、そうか。どうも、笹塚尊役の伊崎龍次郎です」

柳「声くぐもってるけどな!」

笹「笹塚で声張れないよ・・・」

 

 そして後半上映。

 なんと、ガヤチームの出番が後半一気になくなる。

榎「このまま俺たち出れるのか? ……本当に出番あるのか?」

柳「あ、今度こそ俺出る ……俺じゃない! だってマント見えたからさあ」

白「待ってもう俺ら出るんじゃない? シーン変わって? ……まだ市香喋る! どれだけ喋るの市香」

 

 以降、期待に違わぬ柳のシリアスなボケ倒し。

 

(本編)

 香月「(笹塚に)どけ、そこは俺がいつも座ってた場所(何も無いセットの段差)」

柳「いつもそこ座ってるの???」

 

 瀬良登場

柳「キャスト、コーポレーション……」

笹「それ俺と瀬良(役)の事務所の名前な」

 

柳「瀬良、何を聴いてるんだ? ……𝒉𝒂𝒓𝕞𝕠𝕖か?」

市「この人、楽屋でも大音量で𝒉𝒂𝒓𝕞𝕠𝕖聴いてくれてるんですよ」

柳「全曲イイからな……」(マダミスの時Villans受け取った)

 

 実は富田さんの懸念通りマイクの音小さくて、決して広い会場ではないとは言え、後ろの方の席だとみんなが小声で何か感想言ってもあまり聞こえなかったのですが、

 その分、下手では、二次元キャラとしか思えない柳、榎本、白石が好き勝手ふざけて、

 片や上手では、絵に描いたような美男美女が黙って並んでスクリーンを見上げ(ぴの足の美しさ)、時々何かしら囁いて確認しあって(前方のお客さんには聞こえてたのですが、後ろからは囁いてるようにしか)、

 そして中央スクリーンには舞台が流れて(この音声さえ小さいので、ともかく全体的に音はどうにかしてほしかった)、

 目が3つ欲しい、、、となっていました。

 それでも混乱せずストーリーも大量のキャラクターも把握出来たので、良く出来てるんですよね舞台。

 

 「いつ自分たちの出番が来るのかと待ち構える」に加えて「ロマンスシーンではやしたてる」という任務も背負ったガヤチームがまともに椅子に座ってる時間の方が短く、たびたび市香が言う「いいから座ろ」「ね、座って?」が「ちょっと男子-」のテンションで良さみ。

 

 ボケの為に新作:柳愛時編のネタバレまでしそうになる柳。

 本編で笹塚が市香の首輪を解除すると、

柳「その暗号、今教えてくれ。次に活かせる!」

笹「舞台5分で終わっちゃうから!」

柳「まさか『アンチ・クライアント』にそんな暗号が隠されていたとはな……」

 

白「市香ちゃん、しかし台詞量スゴいよね。よく覚えてられるね」

市「舞台袖で次の衣装持って待っててくれる人がいるので、それを見て『あ、次の場面はお外だ』とかその時々で確認していた」

俺の隣りのお客さん声に出して「へえー、そうなんだ~」(素直。カラマリファンだと思うんですけど、たびたび市香に「可愛い。。。」と声漏らしていて嬉しかった)

 

白「いやー、俺ら全っ然出番ない!」

 大きな手足を伸ばしてくつろぐ白石さん、何しても存在が二次元で見てて愉しい。

 柳さんの杉田智和的ボケの存在感に対して身振りが大きいボケを担当しているので、双方向で笑えて、その真ん中で榎本さんは天然の元気なワンコ感あってトリオのバランスが良いし、笹塚のクールさも引き立つ。アンサンブル最高。

 

榎「実は榎本編では他の仲間結構出番あるんだよね。みんなに捜査助けてもらって」

白「榎本は一人ではなんにも出来ないから」

笹「笹塚は(サイバー捜査担当なので)優秀でなんでも出来ちゃうから!」

 

 出番なさすぎて、たびたびスクリーン中央に出てくる柳。

 キスシーンではとうとうガヤチーム揃って花道に寝転がってスクリーンを眺め始め、笹市ももはや苦笑して止められない。

市「座ってよ!」

 

 本公演では倒されなかった黒幕登場シーン。

榎「榎本編では仮面外してないから、笹塚編じゃないと黒幕誰か誰かわからないんですよ」

 

 この仮面外すシーン、自分もかなりビックリしたのですが、近くの席の男性客が「うえーい!」と声を上げていて、「あ、今日初めて見る人俺だけじゃないんだ」と安堵しました。

 

 しかし凄かったのが白石、自分の出番がないので茶々を入れ続けるのですが、一年半前の、自分がメインではない公演の脇役の台詞を急に映像に合わせて諳んじ始める。

 笑ったけど、なんで覚えてるの???

 

 総じて、マイクの音が小さくコメンタリーが成立し辛い為にガヤチームが頑張ってイベントを成立させてくれたというのは大きいと思いますが、無言でスクリーン見つめる笹市の横並びの姿もまた非常に美しくて眼福でした。

 ルートごとに市香役を変えてる事の意味がとてもよくわかった。

 笹塚尊には市香ぴが似合いだし、あの長身の白石には絶対小柄な陽葵市香が似合いなんだ。

 

 上映会終わって最後の挨拶。※一部追記.

 またひとりひとり花道でランウェイを使い始めるガヤチーム。

柳「さあ、あそこで一人一人挨拶しようか」

笹「リハーサルはなんだったの!!!」

 そしてまた失敗するボトルフリック(市香だけ成功させてたように見えた)。

 

 ところでこれだけ色々見てても小泉さんのこと何もわからないのですが、つい先日の『第二回もえの~と定期演奏会』ではあんなに堂々とイベントを一人で回していたもえぴが、この日の挨拶ではしどろもどろもいいところ、まるで取り留めもなく長くなっていて、緊張のせいなのかあわあわしていて可愛かったです。色んな顔がある。

 

笹「小泉さん、あの頃は本当に忙しそうで。だから僕が支えてあげようって実はちょっと思ってたんですけど、あれだけの芝居をしっかり……なんか、支えてあげるつもりが結局小泉さんの凄さに支えられていたなって」

市「……泣きそう……」

 

市「あの頃は本当にドタバタしていて、それでも私の長台詞の為に、ここにいる皆さんがわざわざ朝早く集まって、私の推理の時の長台詞のための稽古に付き合ってくださったんです。二つのルートを同時に演じてるみんなだって次に何するのか覚えるの大変な筈なのに。私は皆さんと、袖に控えているスタッフさんが次に何すればいいか示してくれていたお陰でなんとか乗り切ることが出来ました。

 それでも私の公演は千穐楽のお昼に終わりだったので、次があるみんなに『バイバーイ』って言って別れてw それからご時世なので打ち上げや食事会がある訳でもなく。

 実は……ちゃんとお話したの今日が初めてでした

 

 ここでこの日の伏線が回収されました。

 

 諸々の個人的ハプニングが重なったのとマイクの音量がどうしても気になったのでこのまま帰ったのですが、参加した方の呟きなど見るに、続く『白石景之編』上映会も最高に楽しそうだったので、何よりあの白石さんとはるちゃんのコンビのやりとりは可愛いに決まっているので、参加出来たら良かったなぁと今でも少し悔いてます。浮いた分で𝒉𝒂𝒓𝕞𝕠𝕖グッズ買うね。

 

 また一つ、もえぴの思い出の日に混ざれて光栄でしてよ。

 そして時々訪れる、追いつけないと思っていた過去の作品に不意に追いつける喜びも。

 

 次回、柳愛時編の市香は『はめステ』等、ぴにも縁深い本西彩希帆さん。

 どうか成功しますように。

 そして普通に人命を尊重する為の最低限の法律まで変わってしまった末世の日本を舞台にこの話をどう終わらせるのか気になります(笹塚編では黒幕倒してないので)。

 今度上映される劇場版アニメ前後篇は、X-Day事件と同時に走っている別の事件の話だそうです。